西郷どん 江戸城無血開城 少しばかりの新しさを書けば
1、徳川慶喜が戦術的には「勝てた」ということを勝海舟に言わせていた。
2、山岡鉄舟の働きをやや詳しく描いていた。
3、一応、村田蔵六(大村益次郎)の天才性に触れていた。
の3つぐらいかなと思います。
以下はたぶんすでに「常識」に近いと思うのですが、
江戸のもどってからも、徳川慶喜はその気になればいくらでも戦えました。箱根の関で官軍を迎え、そこを当時東洋最大の幕府海軍が砲撃する。もっと簡単に、官軍がいなくなったすきに大阪湾に幕府海軍を回し、士気が高く練度も高い兵士を「選抜」して大阪に上陸させる。そして京都を制圧する。
この作戦をとられたらどうにもならない。天皇をかついで逃げるしかない。官軍の作戦担当である村田蔵六ものちに、というより、江戸進軍の前に、その事態を想定し、「官軍はそれをやられたら勝てない」ことを認めています。
「勝てる戦をあえてしなかった」ということを、最近のドラマは描くことがありませんでした。それを描くと徳川慶喜の「偉さ」が際立ってしまうからです。「敵前逃亡をして会津を見捨てた卑怯な慶喜」というキャラと矛盾が生じてしまうためでしょう。
私はこのブログでも維新最大の功労者の一人は徳川慶喜そして村田蔵六と書いたことがあります。司馬遼太郎さんの「受け売り」ですが、僕自身実際にそう考えています。
「あ、少数意見でもないのだな」と、西郷どんを見ていて感じました。
それにしても「西郷どん」というドラマの「つまらなさ」は何なのでしょう。「西郷を偉い人と思え」と命令されているようで不快です。それは視聴者が考えることです。
村田蔵六も登場しました。が、いきなり「戦争を知らない君らに戦争を教えましょう」とか言ってました。まあそれぐらいのことは言いそうな人ですが、それでは「天才的な戦術家」というナレーションと矛盾してしまいます。なんでいきなり薩摩を敵に回すのか。ドラマでは何故か薩摩武士は怒りませんでしたが、「いくさを知らない」なんて言ったら、薩摩武士はその場で剣を抜くでしょう。「戦術の天才」なら「いきなり」そんなこと言うわけありません。
かつての大河「花神」でも同じようなセリフは言っています。ただし海江田(後に村田の暗殺を唆した人物)が、あまりに騒ぐので、「アンタはいくさを知らん」と制しただけです。「仕方なく」言ったのです。
西郷どんのこぶ平(正蔵)のように、部屋に入ってくるなり喧嘩を売り、しかも薩摩人が誰も怒らない、なんて非現実的なシーン見せられても、「そんなバカな」と思うだけです。それにしてもなんで村田役がこぶ平さんなんだろ。
いろいろ「新説」を採用しようとしたり、重要人物もそれなりに登場させてはいるのですが、全体として「残念」としか言いようがないドラマです。
1、徳川慶喜が戦術的には「勝てた」ということを勝海舟に言わせていた。
2、山岡鉄舟の働きをやや詳しく描いていた。
3、一応、村田蔵六(大村益次郎)の天才性に触れていた。
の3つぐらいかなと思います。
以下はたぶんすでに「常識」に近いと思うのですが、
江戸のもどってからも、徳川慶喜はその気になればいくらでも戦えました。箱根の関で官軍を迎え、そこを当時東洋最大の幕府海軍が砲撃する。もっと簡単に、官軍がいなくなったすきに大阪湾に幕府海軍を回し、士気が高く練度も高い兵士を「選抜」して大阪に上陸させる。そして京都を制圧する。
この作戦をとられたらどうにもならない。天皇をかついで逃げるしかない。官軍の作戦担当である村田蔵六ものちに、というより、江戸進軍の前に、その事態を想定し、「官軍はそれをやられたら勝てない」ことを認めています。
「勝てる戦をあえてしなかった」ということを、最近のドラマは描くことがありませんでした。それを描くと徳川慶喜の「偉さ」が際立ってしまうからです。「敵前逃亡をして会津を見捨てた卑怯な慶喜」というキャラと矛盾が生じてしまうためでしょう。
私はこのブログでも維新最大の功労者の一人は徳川慶喜そして村田蔵六と書いたことがあります。司馬遼太郎さんの「受け売り」ですが、僕自身実際にそう考えています。
「あ、少数意見でもないのだな」と、西郷どんを見ていて感じました。
それにしても「西郷どん」というドラマの「つまらなさ」は何なのでしょう。「西郷を偉い人と思え」と命令されているようで不快です。それは視聴者が考えることです。
村田蔵六も登場しました。が、いきなり「戦争を知らない君らに戦争を教えましょう」とか言ってました。まあそれぐらいのことは言いそうな人ですが、それでは「天才的な戦術家」というナレーションと矛盾してしまいます。なんでいきなり薩摩を敵に回すのか。ドラマでは何故か薩摩武士は怒りませんでしたが、「いくさを知らない」なんて言ったら、薩摩武士はその場で剣を抜くでしょう。「戦術の天才」なら「いきなり」そんなこと言うわけありません。
かつての大河「花神」でも同じようなセリフは言っています。ただし海江田(後に村田の暗殺を唆した人物)が、あまりに騒ぐので、「アンタはいくさを知らん」と制しただけです。「仕方なく」言ったのです。
西郷どんのこぶ平(正蔵)のように、部屋に入ってくるなり喧嘩を売り、しかも薩摩人が誰も怒らない、なんて非現実的なシーン見せられても、「そんなバカな」と思うだけです。それにしてもなんで村田役がこぶ平さんなんだろ。
いろいろ「新説」を採用しようとしたり、重要人物もそれなりに登場させてはいるのですが、全体として「残念」としか言いようがないドラマです。