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司馬さん原作ドラマの中の薩長同盟「長州がかわいそうじゃないか」

2018年06月22日 | ドラマ
司馬さんの作品の中では「竜馬がゆく」については二回ぐらいしか読んでいないと思います。他の作品は、あの「坂の上の雲」ですら5回以上読んでいるのに、「竜馬がゆく」はあまり読みません。「ちょっと竜馬がカッコよすぎる」のですね。もうちょっと渋い主人公が好きなんだと思います。「花神」の村田さんとかです。

最近は「薩摩が龍馬を利用して同盟を結んだ」なんて説もあります。つまり「坂本龍馬の功績はそんなに大きくないのだよ」という意見です。「いろんな意見があるな」ぐらいには思います。

以下はドラマの話です。史実とフィクションが「混在」しています。だから「それは史実ではない」と言われても困ります。

薩長同盟。1866年の3月です。大政奉還が1867年の11月です。鳥羽伏見の戦いが1868年の1月です。ほぼ2年にわたって機能した同盟であると言っていいでしょう。

最終的に結ばれたのは小松帯刀の京屋敷だったはずです。

長州の代表は桂小五郎、品川弥次郎、三好重臣らです。あれ三好って誰だ?と思って調べると、奇兵隊出身ですね。明治になってからは一貫して陸軍において働いたようです。

3月の8日ごろに桂小五郎らは京に入り、「毎日、毎日、山海の珍味で」もてなしを受けます。

が、桂からは薩摩に同盟を申し入れません。むろん体面からです。それは薩摩も同じです。

龍馬は遅れて京に入ります。

龍馬は桂に向かってこう言います」

「長州がどうした。薩摩がなんだ。武士なんぞ、藩なんぞ滅びるべくして滅びるぞ。藩の体面にばかりこだわるなら、お前たちは日本人じゃない」

桂はこう答えます。

「同盟がならずば長州は滅びるであろう。それでもいい。薩摩が残って日本の為に戦ってくれるなら幸いである。今、長州は朝敵となり周りはすべて敵である。このような弱い立場にたつ長州から同盟を申し入れたなら、それは対等な同盟とはいえない」

それを聞いた龍馬は西郷に会い、西郷を叱り飛ばします。

「いい加減に体面遊びはやめろ。長州は四面に敵を持っている。体面にこだわってはいるが、日本のことを考えていないわけじゃない」

そしてこう言うのです。

「長州が、長州がかわいそうじゃないか」

司馬さんはあの長い「竜馬がゆく」を「この一言を書くためだけに書いた」と、たしか小説の中でも言っていると思います。

これを聞いた西郷を天を見上げ、そして正座し、姿勢を正してこう言います。

「坂本さーの言う通りごわす」

こうして薩長同盟はなりました。ドラマの話です。





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