唐沢版の大河内教授について書きます。
浪速大学医学部病理学教授です。おそらく鵜飼の前任の医学部長です。学士院恩賜賞受賞者でもあります。財前死後、解剖をするのもこの方です。
1、一番好きなのは財前に「何も言わない」シーン
基礎(臨床ではなく病理学のこと)の票は大河内が握っていると思った財前は、大河内に「相談」に行きます。教授になりたいわけでなく、医療の発展の為に教授になって力を発揮したいとか言います。が、大河内教授は何も言いません。5分ぐらい財前がただ話し、大河内は何も言いません。無表情で眺めているだけです。
このシーンが最高です。
そこに里見がやってくる。大河内は里見に講演を依頼する。だが「断ってくれてもいい」と言う。そして財前に向かって「もし本当にやりたくないのなら、まわりくどい遠慮はいらん。辞退したまえ。」と言います。あくまで里見と話しているのです。財前は歯が立たないことを自覚し、部屋から出ていきます。
何も言わない演技で、ここまで緊迫した雰囲気を作れる。すごいとしか言いようがありません。
2、裁判では公正無私
・がん転移は死の直前に起きたものではない
・起きた時期を確定はできないが、手術以前であったことはほぼ間違いない
・手術をしたということは、転移の発見が不可能であったからと考えるのが妥当
・しかしもし、全身状態を確認せず、局所的な手術に踏み切ったとすれば、臨床医としての自覚に著しく欠ける
大河内が発言するだけ不利になると思った及川弁護士は「解剖医の意見は必要ない」と反対尋問をしません。財前に不利な証言もしていますが、誰も責めません。それほど巨大な存在と言えます。
3、里見に対して極めて理解がある
真実を証言したことで職場を追われた里見の身を案じ、近畿がんセンター第一診断部次長(唐沢版では千成病院内科医長)のポストを紹介する。岡田版では「関西がんセンター」であったが、大河内が紹介したとされてなかったような気がします。
4、最後に財前の願いを叶えるのも大河内である
財前の願いとは「解剖して医学の発展に役立てて欲しい」というものです。解剖室の前で、財前の遺体を引き受けるのも大河内です。ただし岡田版では大河内がいなかった。
まあ、実際は観てもらうしかないのです。むろんスーパーマンではない。前任の医学部長でありながら、大学の改革には成功していません。孤高過ぎる側面もあります。里見の未来の姿という感じもあります。品川さん演じる大河内の凄さについては、これはもう本当に観てもらうほかありません。文字では表現できません。
頭を下げても苦に為らヌ?
否、
自ら懇請して、頭を下げサセテ頂きタイ、御方。笑
先週から白い巨塔の再放送を観てます。
大河内教授が無言のシーン 私も好きです。 教授になるためならどんな手段でもつかいそうな財前に言葉をかけたくないですよね。無言が彼の為とのお考えも有ったのでしょうが。
あそこに里見が来なかったらどうなってたのか。
うなずきます、確かに大河内教授は里見医師をひいきする所がありますが財前医師の様な人間が嫌いでたまらないと思います、あくまでも私の主観ですが皆様意見はあると思います