散文的で抒情的な、わたくしの意見

大河ドラマ、歴史小説、戦国時代のお話が中心です。

岡田版・白い巨塔・キャストと演出を採点

2019年06月01日 | 白い巨塔
必ずしも役者の評価ではありません。演出が演技を大きく左右するからです。例えば僕は寺尾聰という俳優が好きです。でも「この作品の演出では50点」だと思います。
それから「当然個人的な好き嫌い」が入っています。

財前五郎(岡田准一/ 唐沢寿明)

唐沢さんを100点として、岡田くんは65点。でも第五話で+10点で75点。

脚本で損しています。四話まではただの出世欲の塊でした。そんな物語ではないのです。作品の質の違いが、そのまま主人公の評価になっています。
まあオーバーな手振りは良くなかった。しかしこれも演出の問題。とにかく設定と演出で損しまくりです。

里見脩二(松山ケンイチ/江口洋介)


江口さんを100点とすると、松山さんは50点。でも第五話で+25点で75点。

里見は財前の「飾り」ではないのです。二人で主役なのです。今回はワキでした。信念の人、里見の凄さが表現できていない。財前が里見とともに何をしようとしていたのか、その理想を描かない。
そういう脚本なのだから、非常に損をしています。そうでなくともあのインターンみたいな感じはいただけません。佐々木さんの肝不全を知って驚いていた。そんな馬鹿な。肝臓を疑っていたのではなかったのか。とにかく設定がダメダメなので、松山さんもダメに見えてしまいます。まあ、そもそも好きな俳優さんじゃないというのもあります。

ただし第五話は良かった。里見を反白い巨塔の社会派の医師として評価するのではなく、普通の先生、「優しくて穏やかで親切な先生」として評価するなら、素晴らしい演技でした。

東教授(寺尾聰/石坂浩二)

寺尾さんは好きです。でも石坂さんを120点とすると、寺尾さんは50点。演出がひどすぎる。第五話で+5点で55点。
「品格がない」わけです。それに尽きます。「大学教授に必要なのは腕だけでなく、品格、人徳だ」とこっちが言いたくなります。

大河内清作(岸部一徳/品川徹)

品川さんを120点として岸部さんは70点。ギリギリ合格です。個人的には品川さんの大河内教授が大好きなのです。次元を超えた存在感を持つ大河内。それを品川さんは見事過ぎるほどに演じた。財前を見つめる時のあの表情。毅然として神々しくさえある。品川大河内こそ影の主役ぐらいに思っています。
岸部さんは最初は50点ぐらいでしたが、裁判のシーンで盛り返しました。でも品川さんのあの「古武士のような凄み」には誰も太刀打ちできないと思います。

財前又一(小林薫/西田敏行)


西田さんも小林さんも100点。西田さんはアドリブが多そうです。いずれにせよ両名ともうまい。

柳原雅博(満島真之介/伊藤英明)

設定の深みが違うので比較はできませんが、伊藤さんを95点として85点ぐらいか。演出設定で損しています。人がいうほど満島さんには惹かれませんでした。とにかくダメな医師だなという感じの方が強くしました。ただし演技はうまかった。設定で損しているだけです。最後は原作通り高知の無医村にいく。付いていく野田華子さん。たぶん原作ではついていかない。二人のラブシーンは良かった。「すみません」「いいえ」といって抱き合うというか深い関係になる。「昭和40年代以前の男女」みたいでした。

亀山君子(美村里江/西田尚美)

ミムラさんは十分に合格点です。私は西田さんが好きだし、設定も柳原との関係も、唐沢版は魅力的過ぎます。ちなみに西田さんは120点です。西田さんは「白夜行」でも「看護婦」をしていました。

佐々木庸平(柳葉敏郎/田山涼成)

田山さんを100点としてギバちゃんも100点。田山さんも実にうまい。ギバちゃんも文句なしです。

佐々木よし江(岸本加世子/かたせ梨乃)


岸本さんはうますぎます。でもかたせさんも頑張っています。かたせさんはそもそもグラビア出なのに、よく演じています。岸本さんを100点としてかたせさんは90点。

財前杏子(夏帆/若村麻由美)

夏帆よくやったと思います。設定というかイメージが、かなり違う。両名とも90点です。

野坂(市川実日子/山上賢治)

市川さんの演技は十分過ぎるほど合格点です。しかし設定が残念。かっこいい登場の仕方だったのに、ただの野坂教授。狡猾に立ち回るいつもの野坂教授。市川さんを起用したなら、設定を変えないと。

花森ケイ子(沢尻エリカ/黒木瞳)

黒木さんを100点として沢尻さんは79点。沢尻さん、母性がない。セクシーなのに異常な童顔。最初の清純路線にもどったほうがいいと思うほど童顔。帰蝶をどう演じるのか。

黒川キヌ(市毛良枝/池内淳子)


どっちも100点です。安定度抜群。

鵜飼裕次(松重豊/伊武雅刀)

設定がまるで違うのです。伊武さんは白い巨塔の象徴。松重さんはちょっと悪いだけの内科医。最後はいい人にすらなります。松重さんの演技は95点。設定は50点。
伊武さんは100点。悪いやつでっせー。態度は柔らかく人当たりもよく、それでいて実に狡猾。

佃友弘(八嶋智人)

八嶋さんをなんでここに。役者の無駄遣いかな。前は片岡孝太郎、大歌舞伎役者の息子です。終戦のエンペラーで昭和天皇を演じています。どちらも100点ですが、八嶋さんは存在が薄かった。

金井達夫(長谷川朝晴)

唐沢版の奥田達士さんは東派的なところもあり、財前の「犬になりきって」はいません。今回の金井准教授はほぼ存在感0。評価不能。

東政子(高島礼子/高畑敦子)

見栄で生きる女性を演じさせて高畑さんに勝てる人はいない。可愛げもある。高畑さんを100点として高島さんは78点。

東佐枝子(飯豊まりえ/矢田亜希子)

矢田さんは準主役でした。設定が違うのです。矢田さんを90点とすると、飯豊さんは85点。飯豊まりえさん、初めて見たけど麻生久美子さんに似ている。
矢田さんが何故90点かというと「若くて美しい女の自然な自己中心性」が出てしまっているからです。なんでも自分を中心に考える。里見にも意外とぐいぐい迫っていきます。
飯豊まりえさんは控えめで原作に近いのでしょう。最後、里見に愛を告白?しますが、日本から離れることを前提とした「さよならの告白」でした。まっすぐな目線に好感が持てます。松山さんの何とも言えない表情も良かった。

船尾徹(椎名桔平

圧倒的な存在感。椎名桔平は100点。

菊川昇(筒井道隆/沢村一樹)

沢村さんは矢田さんのお見合い相手でもありました。もっとも沢村さんは「違いが分かる男」で、自分の置かれた状況を冷静にみる目を持っていました。筒井さん、どうも存在感が薄かった。沢村さん100点として筒井さん80点。

関口徹(斎藤工/上川隆也)


関口弁護士ーー。設定がおかしいだろ。普通の弁護士じゃないか。人間的課題を持った人なんですけどね。設定で斉藤さん70点。上川さん100点。

国平幸一郎(山崎育三郎/及川光博)

及川さん100点。山崎さん70点。鋭さが違う。

鵜飼典江(浅田美代子/野川由美子)


設定がまるで違う。野川さんは婦人会のドン。浅田さんは合格点。野川さんは95点。

岩田重吉(石松了/曽我廼家文童)

岩松さんが好きなので90点、人の好さそうな岩田だった。時効警察の係長と同じ雰囲気だった。悪さは曽我廼家が遥かに上。なかなかしたたかな男でっせー。

亀山富治(松尾諭)

100点。3分ぐらいでとんでもない存在感。設定がいい。

裁判長(モロ師岡)

モロさんでしたね。モロさんには裁判長ではなく、教授の一人をやってもらいたかった。もちろん100点。

音楽

唐沢版を200点として、岡田版は20点。音楽の違いが一番大きい。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿