神奈川工科大学/災害支援関連ブログ

2011年4月開始の「東日本大震災被災者支援ブログ」を名称変更し、さらに広い支援活動に関する実践、教育、研究を掲載します

第5回災害時の連携を考える全国フォーラム(オンライン)に参加して (その2)

2021-06-11 10:08:38 | 地域と共に
     

 今日は、フォーラムの二日目、第4分科会の第6セッション「プラットフォーム形成のための境界連結」に参加させていただいた報告をします。
 またまた、記憶に残っているキーワードなどを並べたいと思います。

 行政は、直接的な提供というよりも、経済的な提供が中心となっているので、結局は、さまざまな部門、セクターとの調整と協力が重要となる。
 それでは、支援のコーディネーションとは何か。「ニーズ・困りごとの把握」「支援の状況の把握」により、「解決への調整機能を発揮」することになる。そうなると"インクルーシブな境界連結"がキーワードとなる。
 セッションで示されたのは、災害時ケアプラン(別府モデル)であり、例えば、次のようなことが挙げられた。
・当事者力アセスメント
・私のタイムライン作成
・地域力アセスメント
・災害時ケアプラン
これらが、日常の安心につなげる
 障害のある人の死亡率が高く、宮城県では在宅の障害者の割合が高かった。平時の支援では、非常時の支援とリンクしない。施設利用者は、何とか守られている?ように見えるが、在宅の方が見えなくなっていた。
 連携や連結というのは、結果であり、「越境」が必要である。
 必要なことは、「行政に言われて何かしないといけない(からスタートしたが)→行政が入り込んできたこと→押しつけではなく、来てくれて、一緒にやろうということが伝わる(ことによって事態は変わる)」ことが大事ということになる。

 ここからの学びもいろいろとありました。

ブログ管理者
地域連携災害ケア研究センター幹事









コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第5回災害時の連携を考える全国フォーラム(オンライン)に参加して (その1)

2021-06-09 09:56:26 | 地域と共に
    

 今年は、「災害支援の文化を創造する」とのメインテーマで行われた本フォーラムも多くの実践を積んできた専門職、支援団体の方々の参加で多くの有益なヒントが得られました。
 二日目の分科会「技術系支援の理解と協働の事例(東日本大震災から10年を踏まえて)」にzoom参加させていただきましたので、今日は、その感想めいたことを書きます。

 勝手な解釈を入れて整理すると、災害支援に係る重要な要素は次のような点が挙げられると思います。

・市町村との覚書を取ること、市町村と大学が協議すること、シンポジウムやフォーラムを開催すること、職員研修を行うこと、これらが大切なステップとなる。
・市民の関心を高める活動が必要であり、そのためにはまず足元の職員、その内部研究が必要となる。
・結局、単体の組織でなんとかなるものではないので、多職種、多機関の協働・連携が地域を支えることになる。自治システム、地域包括ケアシステム、生活支援体制整備事業などと言ってもよいのかもしれない。
・避難所としての役割もあるが、現実には個人宅への支援(土砂や家具などの整理など)、落ち着いたら被災者のメンタルな支えとなる催しや個別支援が必要となる。
・報告者である、ある町役場の方は、「自分の町は自分で復旧」の合言葉を持っていた。
・ボランティアセンターでは取り組めないニーズは、連携団体につなぐことになり、そうした地元団体、県内団体、県外団体とのかかわりを日頃からもっていることだ大切である。

・当神奈川工科大学周辺への支援を考えた時、市全域や県レベルについては、技術系支援が考えられるが、結局は、地元が地元を支える、地域が地域を支える、ということになり、大学が地域に根差している以上、この仲間に入っての活動が求められる。

引き続き、報告をしたいと思います。

ブログ管理者
地域連携災害ケア研究センター幹事




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米国連邦緊急事態庁(FEMA)の局長のお話を聞いて

2021-06-03 15:46:23 | 支援
   

 アメリカ大使館主催のzoomセミナーが本日、行われました。興味深いテーマでしたので、拝聴しました。
米国連邦緊急事態管理庁(FEMA)の障害インテグレーション調整局長リンダ・マスタンドリアさんのお話でした。
テーマは、「障害者への緊急時対応と情報共有の重要性」というもので、いくつものキーワードが頭に残りました。
一つには、"備えの文化"を育てること
二つ目は、"障害ダッシュボード"をつくること、このことによって効果的なアウトリーチができ、的を絞った提供が可能となるということです。
また、障害ある方、ないしそのご家族に3つの備えを求めていました。「たえず新しい情報を得ていること」「被災対応の計画を立てていること」「避難キットを備えていること」、こうした一人ひとりの備えが重要というお話でした。
災害における障害者支援の専門職は、日本とは違ったシステムをもっているので、その良し悪しはなかなか言い切れませんが、最終的に言えることは、防災・減災は、ローカル・レベルで行うことがベストということでした。地域の事情はさまざまでパターン化した対策はないので、まずは地域をしっかりと見つめて、対応力を高めることなのだ、とつくづく感じた次第です。

ブログ管理者
地域連携災害ケア研究センター





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

防災基本計画の改定 自宅療養者への配慮

2021-06-02 11:14:34 | 支援
  

 2021年5月25日、政府の中央防災会議で、災害時の応急対策などを定める防災基本計画を改定しています。
 自治体は、平常時から新型コロナウィルス感染症の自宅療養者が浸水危険エリアなどに居住していないかどうか確認して、一般住民と分離できる避難先をあらかじめ検討、調整するというものです。そのためには、自宅療養者が危険地域に住んでいないかどうかを照合しなければなりません。そして、事前に避難先を調整し、本人やご家族に伝えることが必要です。さらには療養者用のホテルや避難所となる学校の空き教室利用などが考えられますが、それらも感染拡大に配慮しなければなりません。結局、大切なことは日頃の目配り、気配り、そして孤立を避ける地域のあり様が問われているのですね。簡単なことではありませんが、とても重要なことです。

ブログ管理者
地域連携災害ケア研究センター幹事
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする