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■「廃業しろというのか」~個人事業者や中小企業経営者の悲鳴 ヤフーニュース(2020/4/1)中村智彦 | 神戸国際大学経済学部教授

2022-06-14 03:54:17 | 日記

 

■「廃業しろというのか」~個人事業者や中小企業経営者の悲鳴

ヤフーニュース(2020/4/1)中村智彦 | 神戸国際大学経済学部教授

https://news.yahoo.co.jp/byline/nakamuratomohiko/20200401-00170863/


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「廃業しろというのか」都内の寿司店経営者は、このひと月の惨状を話します。


例年だと多い年度末の宴会の予約は、2月後半以降、ほぼすべてキャンセルだと言います。

「うちは接待に使われるような店じゃないので、常連客のお客様に支えられていますが、自粛自粛でどんどん外食に行きにくい雰囲気が強まっているとみなさん言います。」


この寿司店では、3月末から4月の第一週いっぱい休業することにしました。

「資金が足りなければ、無担保無保証で借り入れろと言いますが、結局借金を増やすことになる。後継ぎもいるのですが、若い連中に借金を増やして、渡すことになるのはねえ」と嘆きます。


別の都内の飲食店経営者も、「自粛要請だと政治家の方たちは簡単に言いますが、小企業、個人事業者の多い飲食店にとっては死活問題です」と言う。

続けて次のようにも言います。


「いつまで続くか判らない状態で、営業を自粛しろと言われても、私たちは生きていくために、お金を稼がなくてはいけないのです。誰も助けてくれないのですから。今回は、私たちのような自営業者のことを政治家の人たちはちゃんと考えてくれているのか、不安になりました。」


3月に入り、筆者のところにも中小企業や個人商店の経営者のみなさんから、「どこに相談に行けばいいだろうか」という相談が寄せられることが多くなりました。

それだけ「何とかしなくてはいけないが、どこから手を付けて良いか判らない」という経営者、自営業者が多い現実があるのです。


・3月期の売上高が急減


東京商工リサーチが発表した3月31日18:00現在での「新型コロナウイルス」関連倒産状況によれば、経営破たんは25件(倒産10件、法的手続き準備中15件)に上っています。


また、「新型コロナ」関連の経営破たんは、地域が全国に広がっており、食品製造販売、レストラン・飲食店、宿泊・観光業、アパレル販売など、インバウンド需要と消費者対象の小・零細企業で経営難に直面しているところが圧倒的に多くなっていると分析しています。


同様に帝国データバンク「TDB景気動向調査」でも、3月に入り企業の売上高は減少傾向が強まっていることが明らかになっています。

2020年3月(速報値。 3月17日~24日の集計結果)で、 売上高が減少している企業は55.8%と半数を超えています。


特に、旅館・ホテルや家具類小売、 飲食店、 娯楽サービスなどで売り上げが前年同月より減少している企業が多くなっていることも判っています。


・卸売業・小売業・宿泊業・飲食サービス業で働く人は全体の約3割


新型コロナウイルスの深刻な影響は、流通業、飲食業などに及んでいます。


2016年の「経済センサス」によると卸売業・小売業で働く人は約1千184万人、全体の約2割です。宿泊業・飲食サービス業で働く人は536万人、全体の約1割です。

卸売業・小売業・宿泊業・飲食サービス業を合計すると、全体の約3割となり、製造業で働いている人をすでに大きく超しています。


この傾向は、1990年代以降強まっているのです。

それだけに、今回の新型コロナウイルスによる卸売業・小売業・宿泊業・飲食サービス業への悪影響は、そのまま多くの働く人たちに直結するのです。


「相談窓口は、多くの経営者で一杯です。電話相談もなかなかかからないと言われるほどです。」都内の商工会議所所員は、さらに続けて次のようにも話してくれました。「政府の支援制度が、毎日のように拡充されているので、今日はダメでも、明日来れば受け付けられるということもあります。現場も混乱しています」とも言います。ただ、「借入金で、3月、4月を乗り切ったとしてもその先、どうなるのだろうかと、不安な様子で相談する経営者が多いです。」


実際、都内で緊急の融資を申し込んだ小売店経営者は、「申し込みは受け付けてもらいましたが、審査が大量にあり、融資ができるのは、早くても一か月先。場合によると二か月先になるからと言われました」と言います。


前出の商工会議所の所員も、「資金繰りが苦しくなるのが数か月先だとしても、それが予想されるのならば、今、手続きを行っておいた方が良い」とアドバイスします。


・はっきりしない政府の方針に不安


「ロックダウン(都市封鎖)をするならば、早くして欲しい」と言う意見が飲食店経営者からも多く聞こえています。


「中途半端な自粛ではなく、きちんと期間を定めてロックダウンしてくれた方が、諦めもつく」という意見や、「全額とは言わないまでも、従業員の給与やなにがしかの最低限の給付金を出してくれて、その代わり、一定期間閉店しろと言われる方が良い」という意見などもあります。


緊急事態宣言を首相が行えば、都道府県知事は法律に基づいて外出自粛やイベント開催自粛の要請や指示を行えます。

しかし、罰則規定がなく、強制力を持たない措置がほとんどなために、実効性を疑う意見もあります。


一方で、緊急事態宣言によって企業活動など経済活動全体に影響を及ぼすという批判もあります。

さらに、緊急事態宣言によって企業や事業者の事業活動を休止させることによって生じる損害をどの程度まで政府が補償するのかも議論の多いところです。


医療関係者からは現段階で、すでに非常事態であるとの指摘も多くなされています。

一方で、30日に東京都知事が行ったバーや酒場などの飲食店の営業自粛要請のようなことが、五月雨式に続くことに対する批判が強くなりつつあります。


曖昧ではっきりしない政府や東京都の方針に対しての不安や不満が強まっています。

 

・先の見えない自粛ブームは限界


ロックダウンによる感染防止の影響についての評価もさまざまで、賛否もあります。


しかし、首都圏でのロックダウンの決断が先延ばしにされれば、自粛疲れからの人々の気の緩みが大きくなる危険性があるのも確かです。

さらに、多くの小売業、飲食業の経営者が先の見えない自粛要請の継続の中で、売上高急減、運転資金の不足から廃業の決断を迫られることになります。


もし、ロックダウンの効果がないというのであれば、それをちらつかせて、曖昧な形での自粛要請を繰り返す手法は止めにすべきでしょう。

逆に効果があるというのであれば、早めの決断が必要でしょう。


新型コロナウイルスの感染防止への効果に関しては、医療関係の専門家にお任せするとします。

しかし、これ以上、中途半端な形での自粛要請を繰り返し、長期化させることは、小売業、飲食業の中小企業、個人事業主などを苦しめ、倒産、廃業を急増させることになります。


「自粛は続けろ、しかし補償はしない。いつまで続くか判らんから、金が無いなら、無担保無保証無利子で貸してやるから、借金でなんとかしろ。そんなことを聞き入れられると思いますか。」

都内の飲食店経営者は、そう憤っていました。


フランス政府は、飲食店や商店に対して休業を求めていますが、ロックダウン中の水道光熱費、一部経費、家賃、正規雇用者の給与などの補填を行うという条件です。

日本でもしっかりとした外出を制限するのであれば、同様の対応が必要になるでしょう。


そうした財政負担の増加に反対する意見も多いでしょう。

インフレを引き起こすきっかけになるかも知れません。


しかし、新型コロナウイルスの世界的被害から復興するために必要な経費だとすれば、不可欠なものでしょう。

国政を担う人たちの時宜を得た果敢な決断を求めたいと思います。


もう一度、書いておきます。

卸売業・小売業で働く人は約1千184万人、宿泊業・飲食サービス業で働く人は約536万人、合計で日本の全従業者数の約3割にもなります。


多くの人に無関係なことではないのです。


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■「廃業しろというのか」~個人事業者や中小企業経営者の悲鳴
ヤフーニュース(2020/4/1)中村智彦 | 神戸国際大学経済学部教授
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakamuratomohiko/20200401-00170863/

 


■緊急事態宣言で経済活動はどれだけ落ち込んだのか~ニッセイ月次GDPを用いた試算~ ニッセイ基礎研究所 2020年06月10日

2022-06-14 03:54:00 | 日記

 


■緊急事態宣言で経済活動はどれだけ落ち込んだのか~ニッセイ月次GDPを用いた試算~

ニッセイ基礎研究所 2020年06月10日

https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=64691?pno=2&site=nli


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1――自粛要請、緊急事態宣言で急速に落ち込んだ日本経済


日本経済は、2019年10月の消費税率引き上げによって大きく落ち込んだ後、徐々に持ち直していた。
しかし、新型コロナウィルスの感染拡大を受けた2020年2月末の安倍首相による自粛要請によって3月に大きく落ち込んだ後、4/7の緊急事態宣言の発令を受けて落ち込み幅がさらに拡大した。

この間、多くの調査機関、エコノミストによって、自粛要請、緊急事態宣言による経済への影響が試算されてきたが、そのほとんどは外出自粛、休業要請に伴う個人消費の落ち込みを中心としたものだった。

しかし、経済活動制限の影響は個人消費に限らず、住宅投資、設備投資など幅広い分野に及んだとみられる。

緊急事態宣言が発令された2020年4月の経済指標がほぼ出揃ったこのタイミングで、自粛要請、緊急事態宣言によって日本のGDPがどれだけ落ち込んだのかを試算する。

試算にあたっては、当研究所が作成している月次GDPを用いた。

 

2――月次GDPの概要


当研究所が作成している月次GDPは、四半期統計であるGDPを月次化することにより、景気の動きをより迅速に捉えることを目的のひとつとしている。

当研究所の月次GDPの作成方法は基本的には内閣府の四半期別GDP速報の推計方法に従っている。

たとえば、民間最終消費支出であれば、「家計調査」、「家計消費状況調査」等から推計した需要側推計値、「生産動態統計」、「サービス産業動向調査」等から推計した供給側推計値、家賃等の共通推計項目(推計値)の3つを統合することによって推計している。

この際、GDPの推計と同様に、家計調査の消費支出からSNA上は消費支出とみなされない「寄付金」、「仕送り金」などを控除する、世帯人員の調整をする、といった概念調整を施す。

このような推計を需要項目毎(民間消費、設備投資、公的固定資本形成、輸出入等)に行い、それを積み上げたものが月次GDPとなる。

月次GDPは公式統計として存在するわけではなく、あくまでも独自の推計値である。

とはいえ、月次GDPが内閣府の公表するGDPとかけ離れたものになっては意味がない。

そこで、当研究所の月次GDPはその3ヵ月合計(季節調整値は3ヵ月平均)が内閣府の四半期GDPと一致するように調整をしている。

そのため、月次GDPが3ヵ月分揃った段階で、これはそのままGDP速報(QE)の予測値として使うことができる。

月次GDPのもうひとつの目的は、内閣府が公表するGDP速報(QE)をより正確に予測することである。

図表1 月次GDPの長期推移月次GDPは当該月終了後約1ヵ月で作成でき、景気の方向、その強さを毎月判断することができる。

バブル期までの日本経済は、景気拡張期だけでなく景気後退期でもプラス成長ということが多く、GDPの動きによって景気の局面を判断することは難しかった。

しかし、バブル崩壊後は景気拡張期にはプラス成長、後退期にはマイナス成長という傾向が強くなっているので、GDP統計を景気指標としてみる意味合いは強くなっている。

実際、景気の転換点と月次GDPのピーク、ボトムは概ね一致している(図表1)。

 

3――最近の月次GDPの動向


図表2 最近の月次GDPの動き最近の月次GDPの動向を確認すると、消費税率が引き上げられた2019年10月に前月比▲3.1%の大幅減少となった後、11月以降は緩やかな持ち直しが続いていたが、自粛要請、緊急事態宣言を受けて、2020年3月が同▲4.4%、4月が同▲5.8%と2ヵ月で約10%の急激な落ち込みを記録した(図表2)。

2020年4月の減少幅は東日本大震災が発生した2011年3月の前月比▲4.9%を上回った。

需要項目別には、外出自粛の影響で民間消費が大幅に減少(3月:前月比▲4.0%、4月:同▲6.1%)したことに加え、海外の主要国でロックダウン(都市封鎖)や入国制限が実施されたことから、財貨・サービスの輸出が急速に落ち込んだ(3月:前月比▲7.3%、4月:同▲10.2%)。

このように、新型コロナウィルスの感染拡大とそれに伴う自粛要請、緊急事態宣言によって、日本の経済活動は急速に落ち込んだが、その影響を定量的に試算するためには、基準となる平常時のGDPを決めることが必要となる。

実質GDPの直近のピークは2019年7-9月期だが、これを基準として2020年3月、4月のGDPを比較すると、2019年10月の消費税率引き上げによる落ち込み分が含まれてしまう。

そこで、新型コロナウィルス感染拡大の影響がほとんど見られなかった2020年2月までのデータを基にトレンド部分を抽出した上で、2020年3月、4月の月次GDPがそれを下回った部分を自粛要請、緊急事態宣言による下押し幅とみなした。

試算は月次GDPとその需要項目である月次民間消費、月次住宅投資、月次設備投資、月次輸出、月次輸入について行った。

輸出入の落ち込みは日本国内の経済活動の制限に加えて、海外のロックダウンなどの影響が含まれるが、これも新型コロナウィルスの影響ということで試算に加えた。

一方、公的部門(政府消費、公的固定資本形成)は新型コロナウィルスの影響が小さいと考えられるため、試算を行っていない。

(中略)

月次GDPのトレンドからの乖離率は、消費税率引き上げ後の2019年10月に▲1.8%とマイナスに転じた後、縮小傾向が続き2020年2月にはほぼゼロ%となったが、3月に▲4.6%、4月に▲10.1%までマイナス幅が拡大した。

2020年4月時点の乖離率を需要項目別にみると、輸出が▲19.4%と最も大きく、それに続くのが、民間消費(▲11.0%)、住宅投資(▲5.3%)、設備投資(▲5.1%)、輸入(▲3.4%)となっている。

輸入は2020年2月には中国工場の操業停止の影響で急激に落ち込んだことから、乖離率のマイナス幅が▲8.9%まで拡大したが、中国の経済活動再開に伴い、3月、4月と持ち直している。

 

4――2020年3月、4月の経済損失額の試算


前節では、月次GDPと各需要項目について、実質・季節調整済・年率換算値のトレンドからの乖離率を求めた。

これを名目・原数値(月次)に換算することにより、金額ベースの経済損失額を試算した。

図表4 2020年3月、4月の経済損失額月次GDPから試算される経済損失額は、2020年3月が▲2.2兆円、4月が▲4.7兆円、合計▲6.9兆円となった。

需要項目別には、外出自粛の影響を強く受けた民間消費が最も大きく、3月が▲1.4兆円、4月が▲2.8兆円、合計▲4.2兆円となり、GDP全体の落ち込みの約6割を占めた(図表4)。

当初、5/6までとされていた緊急事態宣言の期間延長により、5月の経済活動も極めて低い水準にとどまったとみられる。

その後、緊急事態宣言は、5/14に39県、5/21に3府県(大阪、京都、兵庫)、5/25に全国で解除されたため、経済活動の水準は4、5月が底となり、6月以降は上向くことが見込まれる。

月次GDPを推計する際に用いる月次経済指標のほとんどは2020年4月分までしか公表されていない。

そこで、5月、6月の主要経済指標を予測した上で月次GDPを試算すると、2020年5月に前月比▲0.3%と小幅ながら3ヵ月連続で減少した後、6月には同5.2%の高い伸びとなった。

しかし、3月、4月の落ち込みがあまりに大きかったため、4-6月期の月次GDPの水準は1-3月期を大きく下回る。

現時点では、2020年4-6月期の実質GDPは、前期比▲6.7%(前期比年率▲24.4%)の大幅マイナス成長を予想している。

この予想に基づけば、4-6月期の経済損失額は▲12.2兆円(うち民間消費▲7.5兆円、住宅投資▲0.3兆円、設備投資▲1.3兆円、純輸出▲3.2兆円)となる。


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緊急事態宣言で経済活動はどれだけ落ち込んだのか~ニッセイ月次GDPを用いた試算~
ニッセイ基礎研究所 2020年06月10日
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=64691?pno=2&site=nli


■個人事業主や零細企業…コロナ禍で「隠れ倒産」が激増する 日刊ゲンダイ(講談社)2020/10/21

2022-06-14 03:53:40 | 日記


■個人事業主や零細企業…コロナ禍で「隠れ倒産」が激増する

日刊ゲンダイ(講談社)2020/10/21

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/280246


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新型コロナウイルスの影響で企業倒産が続出している。

上場企業では5月に、アパレルで一時代を築いたレナウン(東証1部)が倒産。

9月には「トップボーイ」の店名でゲームソフトなどの販売を手掛けていたNuts(ジャスダック)が経営破綻した。

コロナ禍で有名企業がバタバタと倒れているのに、今年の上半期(4~9月)の倒産件数(負債額1000万円以上)は昨年より減少している。

東京商工リサーチの調査によると、2019年上半期は4256件が倒産。

20年上半期は3858件で、前年の同じ期間と比べて9・35%減だ。

コロナで外食産業が大ピンチに陥り、ホテル業界は客足がパタリと止まった。

訪日客はほぼゼロで、百貨店の売上高は8月まで11カ月連続で前年割れ。

それなのに、倒産件数は前の年より減少している。

「カラクリがあります。倒産は確かに減っていますが、いわゆる隠れ倒産は凄まじく増加しています。経営難に追い込まれた個人事業主や零細企業は休業や廃業、解散という形で、続々と会社をたたんでいるのです。これは倒産ではないので、倒産件数にはカウントされません」(市場関係者)

東京商工リサーチの調べでは、今年1~8月に休廃業・解散した企業は全国で3万5816件に上った。

前年同期比で23・9%増だ。

同じ期間の倒産件数は0・24%減で、倒産は減り、休廃業・解散が急増した格好だ。

「休廃業・解散は、倒産と違って借金などの負債を残さないので、従業員や取引先にあまり迷惑をかけずに会社を閉じることができます。企業体力が多少なりにも残っているうちに休廃業に踏み切る中小・零細が増えているということです」(東京商工リサーチ情報部の増田和史氏)

現在のペースで休廃業・解散が増加を続けると年間で5万3000件を超え、調査を開始した2000年以降、最悪を記録する。

2000年代前半の休廃業・解散件数は1万3000~1万8000件台で推移していた。

06年に初めて2万件を超え、東日本大震災後の12年に3万件を突破。

第2次安倍政権の発足(12年12月)後、ハデなニュースになる倒産件数は減少傾向となったが、隠れ倒産(休廃業・解散)は増加を続け、16年に4万件超え。ウィズコロナ時代に5万件を超えそうだ。


・休廃業・解散は中小企業の8・8% 31万件に上る恐れ


恐ろしいアンケート結果がある。

東京商工リサーチが8~9月に行った調査で、コロナ禍が長引いた場合に廃業を検討する可能性が「ある」と答えた中小企業が8・8%(全企業では7・5%)に上ったのだ。

商店街に店舗を構える飲食店(サービス業ほか)や、職人肌の大工(建設業)の休廃業が増加傾向にある。

中小企業庁の直近統計(2016年経済センサス―活動調査)によると、中小企業・小規模事業者数は357・8万者(企業全体の99・7%)。

このうち8・8%が廃業を選択するとしたら、31万4800件に達する。

「中小・零細企業は経営者の高齢化問題が深刻です。後継者が不在で、事業継続を断念する社長も多いのです。そこにコロナが重なり、廃業を選択する人が増加しています」(増田和史氏)


・大廃業時代


00年に71%強だった休廃業・解散した60歳以上の経営者(業歴30年以上)は、10年代前後に80%を超え、現在は90%に迫る。

経営者のバトンタッチが進んでいないのがよくわかる数値だ。

日本経済を支えてきた中小・零細企業が消えていく。

コロナ禍で「大廃業時代」が加速しかねない。


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■個人事業主や零細企業…コロナ禍で「隠れ倒産」が激増する
日刊ゲンダイ(講談社)2020/10/21
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/280246