謡本の巻頭に間狂言と言うものが出ている。
能を演じている途中で狂言方が出てきて熊坂長範とは何者かを説明している。
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熊坂長範とはとんでもない悪党だった。
旅の僧は美濃の国赤坂で一人の僧に呼び止められ今日はある人の命日だから弔ってくれと頼まれる。その僧がこの赤坂とはどんなところか説明する。
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この地に都から豪商が都の宝物を積んで通るという。
とんでもない悪党、熊坂の長範は仲間を集め荷駄を襲ったが、そこにめっぽう強い17,8の若者がいた。
それが牛若と知らず襲ったが・・・。
70人ばかりの手下共々にがコテンパンにやられた。
僧が弔ってくれとはこの長範のことだった。
長範は加賀の人となっている。
加賀市に熊坂という地名があるがそれが長範と関係があるのかどうかは定かではない。
張良も習った。張良とは中国の話。能は日本の話ばかりではなく、中国の話もある。
「ちょっとお伺いしてもいいですか。能の上演中に小さな声で歌うところがあるのですがあれな何なのですか」と質問する人がいた。
「あれは地取りといって、節無しで謡うところで謡本には載っていない」という。
ネットで調べて見たら次第と言うところの後に続けて謡うのだそうだ。
熊坂も先頭に次第と言うのがある。この後で同じセリフを小声で謡うのだろうか。
来週は小袖曽我と草紙洗のおさらいだそう。
下手な謡を披露することになる。