お父さんの電灯

目が覚めると、ダンナの弟とその友達が来ていた。ついでにSkypeでダンナのお母さんとも
しゃべっていたらしく、部屋にはハンガリー語が溢れて、ここはフランスではなく
ハンガリーなのではないかと勘違いしそうになるほどだった

子供たちは今度はハンガリーからのお土産をもらい、大喜び
去年の夏以来会っていなかったダンナの弟のことも良く覚えていて、まとわりついて遊んで
もらっていた。

ダンナの弟はその他にも色々なものを持ってきてくれたのだが、その中の一つがこの電灯↓


これは、今から25年以上前に亡くなったダンナのお父さんの思い出の品。
当時ハンガリーは共産主義国で定期的にボランティアで軍事訓練に参加するという
制度があった。ダンナのお父さんは通信員としてその訓練に参加した際、
通信基地としてある農家に滞在した。
アンティークに興味のあったダンナのお父さんはその農家の人と仲良くなり、
何か古いものはないかと聞いたところ、屋根裏に色々と古いものがあるので見ても
良いと言われ、この電灯を見つけたそうだ。

しばらく放置されていたと思われるこの電灯はひどく汚れていたそうだが、
それを少しずつきれいにして使える状態にのだという
真ん中の電球の部分には灯油ランプもついており、本来は真ん中に灯油ランプを
つけ、周りの電球のある部分にろうそくを立てて使うものだったらしい。

ずっとアパート暮らしだったダンナの家族はこの電灯をつかって生活していた。
私たちが結婚した、およそ11年前はこのアパートに弟夫婦が生活していたが、
今はそのアパートには誰も住んでおらず、私たちがフランスに居る3年間これを
借りることにしたそうだ。

そして、なんだかんだと昼の時間はあっという間に過ぎて、夜はもう一組ダンナの友達の
フランス人の家族が遊びに来てくれた。
今日つけてもらったダンナのお父さんの電灯の下で、皆で夕食を食べ、楽しい時間を
過ごした