手付かずの自然

海岸に沿った工業地帯と、田畑と民家と少しばかりの商店街で成り立っているオラガ市は、印象的には平面的で陰影が無い。一望すれば市内隅々まで見渡せる、そんな感じだ。従って手付かずの自然なんかは望むべくも無い。唯一それらしくなりそうなのは火力発電所への道筋に植えられた人工の植林帯の裏側の雑木林だ。海岸通の旧堤防の上を走っていると、その裏側が覗いて見える。今朝、朝日を浴びながら気持ち良く自転車を漕いでいて、其処に眩しいほど白く咲いた雪柳の群生を見つけた。１年に１度位は剪定と消毒はやっているようだが、後は誰も手を付けないし、そんな裏側に廻る人もいない。半分手付かずの自然林となっている。花の白さに惹かれて、おじさんは海岸道路を回り道し、その裏道に入ってみた。近くで見る満開の雪柳の白さは、人手にも排気ガスにも荒されてなく純白そのものだった。

本日の自転車走行データ D:28.52 T:1.27.21 A:19.5 M:37.3 O:17173