かとう整骨院 よもやま話

寝屋川市、京阪香里園近く木屋町のかとう整骨院です。保険診療や自費診療、コンディショニングに力を入れています。

データから見る剣道で起きるケガの特性 其の二【香里園 かとう整骨院】

2017-09-14 15:29:36 | 剣道
前回のブログで、剣道3年以上の経験者では踵のケガが一番多いデータが出ましたが、今回はもう少し掘り下げてみたいと思います。

88名の剣道部員のうち、剣道経験が三年以上でケガの経験者は32名。男子が23名で女子が9名です。
このうち男子は44%の生徒が踵の痛みを経験しています。一方、女子は22%でした。女子に関しては、左右下腿部のケガが最も多い(左55%、右44%)というデータが得られました。また、男子は右踵をケガした影響からか、右足のケガ(膝、足首、足趾)が多く回答にありました。男女の人数差がありますが、男子は右足、女子は左足のケガ発生率が多いという結果が出ました。

また、三年経験以上の男子では左手首、左肩の受傷率が高くそれぞれ21%と17%という回答がありました。女子に関しては上肢のケガ経験はほとんどありませんでした。

つづいて、三年未満の初心者グループです。こちらはケガの経験者が17名、男子が4名で女子が13名です。こちらのグループは回答が様々な場所に分かれ、経験者組とは違い偏った数字はみられませんでしたが、女子の右下腿部に関しては15%と最多で、経験者女子と同様の傾向がみられたことが興味深かったです。一方、男子の右踵に関しては回答がなく、ここは経験者グループと差が分かれました。

考察
このような試みは初めてでしたので、データの採取方法などいろいろと問題がありましたが、三年以上の経験者グループで男女の差異が表れたのは大変収穫でした。男女ともに、剣道の熟練度が上がるにつれてケガの発生率が上がり(経験者36%、初心者19%)発症部位で男子は右の踵、女子は左下腿に優位性がみられたのも興味深かったです。

経験者に下肢のケガが多いのは、稽古量の増加と意識の問題が大きいと思われます。剣道はその競技特性から“遠くから跳ぶ”事が優位と思われがちです。確かに遠間から打突をすることが出来れば相手の虚をつくことができ、試合でも勝負を有利に進めることが出来ます。そのために、通常の稽古中から“遠くから跳ぶ”事を意識している方は多いと思います。もちろん、そのことにより合理的な身体の使い方が身に着く場合もあるのですが、“遠くから跳ぶ”事はケガの発生率をあげます。筋肉は引き伸ばされる事により損傷します。つまり、遠くへ跳ぼうとして左足に荷重をかけ、蹴り上げるような動作で下腿部に大きな負担がかかるのです。また、右の踵ですがこれには“戻り足”という動作のクセが大きな原因となります。戻り足とは、遠くへ跳ぼうとして右足を大きく出すのですが着地の際にバランスが取れず、結局膝を曲げて足を戻して踏み込みをすることです。これを改善するには踏み込み動作の改善が必要です。

このように、剣道においても他のスポーツ障害と同様に、練習量と正しい動作(フォーム)というのが障害発生を防ぐキーワードになります。今回のデータで改めてそれを痛感いたしました。今後もこのような分析を続けていくつもりですので、このようなデータ採取に協力しても良いよと言って下さる団体関係者、学校関係者の方がおられましたら、是非一度ご連絡ください!(メールでの連絡はコチラ


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