katydid's blog

ハネナガキリギリスが住んでいるところに生息しています。

幸せの分岐点

2013-08-08 22:14:17 | 2013
今日は姫が故郷に帰りました。

今朝、産卵し始めて

その姿を見た時には咲き誇る美しい花々を見たかのように幸せを覚えました。

しかし同時に寂しい気持ちになりました。

これからの姫は交尾産卵を過酷なまでに繰り返す運命にあります。

だとすると、これ以上家にとどめておくのは

彼女を、本来の姿ではない、この生活に縛り付けてしまうことになります。

産卵を機に故郷に帰すのは初めから決めていたことなのです。



昨日姫は♂君の存在も無いかのように歩き回っていました。

お腹に力を入れたり、とにかく落ち着きがなかったので

何度かケースから出して歩くのに付き合ったりしていました。

そして今朝です。

産卵を一時終えたので食べ物をあげました。

ここが分岐点でした。

何も食べなかったら疲れを癒し体力を回復させるために

もう少しの間、家で生活してもらうという言い訳ができます。

食べてほしい でも食べてほしくない

結果は


美味しいかい?少しでも元気になるんだよ


食べ終えた姫を手の上で休ませていたら

ポロポロ涙が零れてきました。

やっぱりここまで思っていたのか

何となく気付いてはいたのですが -


僕のTシャツを入れたケースに姫を

姫は足を伸ばして怖がることなく休んでいます。

僕が非道いことをしないのは分かっているかのようでした。

同時に別れも分かっていたような気がします。



故郷の笹藪に乗せたら5秒くらい動かずにいて

その後70~80㎝も跳んで、帰郷の喜びを見せてくれました。

それによって僕は救われたのかも知れません。


君が残した命は秋の雪降る前に故郷に帰しておくから安心してくれ

ただ3つだけ僕に預けてほしい

笑顔で泣いたこの日を忘れずに大切に育てたいから

姫 生きるんだよ どんなことがあっても

一緒に過ごした日々を

僕は忘れない


コメント
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