角灯と砂時計 

その手に持つのは、角灯(ランタン)か、砂時計か。
第9番アルカナ「隠者」の、その俗世を生きる知恵を、私にも。

#050 「同性パートナーシップ条例」誠にビミョー

2015-04-19 05:40:15 | 来し方、行く末
正式名称、
渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例
だそうです。

「同性カップル条例」とか「パートナーシップ条例」とか言われるもので、
この4月に施行されました。(→朝日新聞デジタル

前文のある条例で、(全文→渋谷区ホームページpdf

男女に関わる問題においては、今なお、性別による固定的な役割分担意識とそれに基づく制度や慣行が存在すること、一部の性的指向のある者及び性同一性障害者等の性的少数者に対する理解が足りないことなど、多くの課題が残されている」という認識のもとに、

区、区民及び事業者が、それぞれの責務を果たし、協働して、男女の別を超えて多様な個人を尊重し合う社会の実現を図り、もって豊かで安心して生活できる成熟した地域社会をつくることを決意し」たんだそうな。

第2条-7 性的少数者 :同性愛者、両性愛者及び無性愛者である者並びに性同一性障害を含め性別違和がある者をいう

その意図するところ自体には反対するものではないんだけれど、
はたして条例として定める種類のことか?
という懸念も、やっぱりあるわけで。

例えば、(事業者の責務)として、
第7条-3 事業者は、男女の別による、又は性的少数者であることによる一切の差別を行ってはならない。

とか、

(禁止事項)として、
第8条-3 区、区民及び事業者は、性別による固定的な役割分担の意識を助長し、若しくはこれを是認させる行為又は性的少数者を差別する行為をしてはならない。

といった辺りは、ちょっと怖い感じがします。

なにしろ今日、
「受け手が差別と取れば、それは差別だ」
という恐るべき雰囲気もあるので。

で、極めつけが、
すでにアチコチで取り沙汰されているように、
(区が行うパートナーシップ証明)」について定めた第10条です。

やっぱり、どうにもひっかかりますね。

こういうモンです。

第10条 区長は、第 4 条に規定する理念に基づき、公序良俗に反しない限りにおいて、パートナーシップに関する証明(以下「パートナーシップ証明」という。)をすることができる。

2 区長は、前項のパートナーシップ証明を行う場合は、次の各号に掲げる事項を確認するものとする。ただし、区長が特に理由があると認めるときは、この限りでない。
(1)当事者双方が、相互に相手方当事者を任意後見契約に関する法律(平成11年法律第150号)第2条第3号に規定する任意後見受任者の一人とする任意後見契約に係る公正証書を作成し、かつ、登記を行っていること。
(2)共同生活を営むに当たり、当事者間において、区規則で定める事項についての合意契約が公正証書により交わされていること。

3 前項に定めるもののほか、パートナーシップ証明の申請手続その他必要な事項は、区規則で定める。

(第2条-8 パートナーシップ: 男女の婚姻関係と異ならない程度の実質を備える戸籍上の性別が同一である二者間の社会生活関係をいう)

区長が、パートナーシップ証明を「することができる」って言うんですが、
「申請手続きその他必要な事項」は、まだこれから、だとしても、
一体何のために?

いわく、
その証明を提示されたら、
マンション・家屋での同居を必ず!認めなさい、
病院等は家族としての面会を必ず!認めなさい、
ということらしいんですが。

はあ・・・

渋谷区民、事業者たるもの、
パートナーシップ証明を持つ者が差別だと受け止めるような「行為をしてはならない」んですよ。

「特殊」と言って悪ければ、
「ちょっと特別な人」に対して配慮するのはいいんです。
中には、実際、病気として「性同一性障害」に苦しむ人もいるんです。

病気や障碍、特別な事情のある「少数者」が、
自身の辛さ、苦しさを訴え、善処を求めるのは解ります。

ただ、その「特別」を「普通」に扱え、そういう権利がある、
と言い出すのは、違う気がするんですよね。

イカンセン、
大体において、この手の話では、

当事者でもないのに、
彼らのために、世の中を変えようと騒ぎ立てる人がいます。
彼らとくっついて、メシの種にする輩が必ず出てきます。

世の中を変えなくても、人が変われば済む話なのに。

そんなことを考えさせる特集記事(産経ニュース)がありました。
自分らしく働きたい㊤ カミングアウト
自分らしく働きたい㊦ セクシュアリティー
です。

「自分らしく」という言い方は好きになれませんが、

「できれば自分のセクシュアリティーを受け入れてくれる企業で働きたい」
「セクシュアリティーを隠したままだと、隠すことに力を使ってしまう。カミングアウトした方が働きやすい」

といった訴えは「セクシュアリティー」を「障碍」と置き換えて聞けば、
その切実さは、受け止めなければならないんじゃないか、と思います。

条例で云々するのは、ハッキリ言って反対ですが、
「少数者」に対して「特別な配慮ではなく、公正公平な姿勢」が求められている、
それは、その通りです。

個人と社会との問題ではなく、人と人との向き合い方として。

あ、いや、
個人や事業者がなかなか変われないから行政がしゃしゃり出てくるのか・・・

で、条例案に対して、
「反対」したところで何のトクにもならない議員は「賛成」しちゃうんだよなあ。

・・・ ・・・ ・・・・

若干、方向は違うんですが、

例によって、米国はもっと先を行ってるぞ、という記事、
「アメリカを揺るがす同性愛者vs『宗教の自由』」(ニューズウィーク)
というモノがあります。

興味のある方は、こちらもどうぞ。


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