(犯罪被害者支援弁護士フォーラム、シンポジウムでの磯谷富美子さん)
世の中、本当にいろんな事件があって、
「その後」の報道に接した時、
はて、どの事件のことかと、咄嗟に思い出せないことが、ままあります。
産経新聞ですが、先だって、
続けざまに同じ方の記事がありました。
(産経新聞12/17大阪6版)
「遺族のことを全く考えていない」
「国民は、弁護士のほとんどが死刑廃止を求めていると捉えてしまうのではないか」
どちらも、
3人の強盗殺人犯によって娘さんを殺された、
磯谷富美子さんの言葉だということです。
(産経新聞12/19大阪6版)
その磯谷富美子さん、
「犯罪被害者支援弁護士フォーラム」のシンポジウムでは、
基調講演もされたようで、
その前半は、
「あえてむごい内容をお話ししたのは、死刑反対と軽々しく口にしてほしくないからです」
と仰るとおりの内容なんですが、
こちらに、その全文がありました。(冒頭画像も)
Web産経ニュース:闇サイト殺人遺族の磯谷富美子さん基調講演詳報 「被害者が1人でも、私にとってはかけがえのない大切な娘」 残忍な殺害状況も子細に…
→http://www.sankei.com/affairs/photos/161218/afr1612180005-p1.html
〈「殺したがるバカども」と罵倒されなければならないのでしょうか。この言葉は加害者に向けるべき言葉ではないでしょうか〉
〈人はどのような人でも最低限の道徳心を持ち合わせていると思っていましたが、それは大きな誤りで、きれいごとでは済まされない、どうしようもない人間が存在することを認識する必要があります〉
一般論としてではなく、礒谷さんのこの言葉に(!)、
例えば瀬戸内寂聴さん、どう応えるでしょう?
〈今回の日弁連の「2020年までに死刑制度を廃止しよう」との宣言もそうです。一般の方々はこの宣言を聞き、弁護士の多くは死刑反対だと思うでしょう。でも、よくよく新聞を読んでみたら、3万7000人の弁護士に対し、(人権擁護)大会出席者は786人。そのうち賛成は546人。全弁護士の1・4%です。案外簡単に日弁連の名の下に宣言ができるものだなと思いました〉
ここは、ちょっと説明が必要かもしれません。
つまり、
「弁護士連合会が死刑制度廃止宣言」と大きく報道されたものも、
基本、死刑反対のための大会を準備してそこに「参加できる人だけの多数決」で決めたこと、という意味です。
*参照過去記事 #168 「生臭」すぎる「ばかども」・・・日弁連
→http://blog.goo.ne.jp/kawai_yoshinori/e/b9d293786567f2327c1f38febdd02d07
弁護士が死刑制度に反対する、
そういう話を聞く度に思い出すマンガがあります。
もう30年近く前の話ですが、楳図かずおさんによるものでした。
(記憶違いがあるかもしれませんが)それは・・・
常々死刑制度反対をうったえていた弁護士が、
自分の子供を何者かに殺される。
我が子を殺された彼が、
それでも死刑には反対だ、として、
その殺人犯の弁護を自らかって出て無罪を勝ち取る。
喜び礼を言う犯人に対して、
「我が子を殺した奴を国になんか殺させはしない。自分自身が手を下すんだ」
と言い放って犯人を刺し殺す。
そういう話でした。
若かった自分には、かなり衝撃的でした。
磯谷さんは、問いかけています。
〈最後に死刑反対の方にお聞きしたいです。あなたの娘や息子の命、それに愛する家族の命を奪った加害者に対しても死刑反対と言えるのでしょうか。本当に親として家族の一員として反対に満足なのでしょうか。ひとごととしてではなく、自分に振り返ったらどうだろうと今一度お考えください〉
家族の命を奪われる、その悲しみ、苦しみ、怒り・・・
なかなか実感として想像できることではありません。
だからこそ、一般論で軽々しく口にしてはいけないのだろうと思います。
ひょっとすると、
いや、それでも、家族を奪われたとしても、
私はその犯人を殺しちゃいけないと言うでしょう、
という凄い人も、そりゃごく希にはいるのかもしれません。
けれど、そういう凄い姿勢、価値観って人に強要するものではないでしょう。
それぞれ個人が死刑に反対するのは、そういう意見があるのは良いんです。
1人の弁護士として反対するのも良いでしょう。
けれど、弁護士連合会という団体として、
その総意のようなフリをして「死刑制度廃止宣言」を出すというのは、
それは、それこそ、人権侵害ではないですか?
人を裁いて良いのは神様だけだと言う人がいます。
ならば同じように、人を赦して良いのも神様だけなんじゃないかという気がします。
おっと、クリスマスに全くもって相応しくない話題で申し訳ない。
ん? いや待てよ、むしろぴったりと言えなくもないか・・・
ともかく、私、
「死刑制度反対」に反対です。
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
こちら、なかなか手が回らない感じですが、
犯罪被害者支援弁護士フォーラムホームページです。
→http://www.vs-forum.jp/
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