角灯と砂時計 

その手に持つのは、角灯(ランタン)か、砂時計か。
第9番アルカナ「隠者」の、その俗世を生きる知恵を、私にも。

#040 「第二次冷戦」

2015-03-21 05:47:33 | ベタでお願いします
ウクライナ政変、クリミア紛争に関連して、
ロシアのプーチン大統領が、
「核戦力に戦闘準備を指示」していたそうです。


産経新聞H.27-3/17大阪6版より

一読して、

まあ、実際には何処で使うかという問題があるし、
どんなレベルかはさておき戦闘準備はいつでもしておくものだし、
そもそもロシア国内向けの発言でもあるし、

というわけで、ベタ記事当然かな、と。

ただ同時に、
今のロシアは、冷戦時代のソ連と同じだな、とは思いました。

米国と直接対決はせず、
しかしながら他国へ内政干渉し、軍事介入し、
局地的な戦闘によって領土を広げていく。
旧ソ連の版図復活を目標としているのかも、です。

ひょっとして、
日本は冷戦後の世界に対応できていない、のではなく、
第二次冷戦が既に始まっていることに気づいていない、
のではないか、とも思いました。

ここで言う「冷戦」とは、
大陸国=ソ連(ロシア)・中国が陸続きの隣国を切り取りつつ、
外洋への出口を求めて膨張していく過程、のことです。
無論、米国・西欧との直接対決を避けながら。

「新冷戦」というのは聞いたことがありますが、
構図として、別段新しくはないし、
ソ連崩壊以降、一時休戦していただけ、
と捉えたほうが正しい気がします。

だとすれば、
「第二次冷戦」の始まりは、2008年のグルジア紛争でしょうか。

もしかすると、何それ?って人が多いかもしれません。
私も、あまり印象に残ってませんでした。
何しろ、北京オリンピックの「裏」だったんで。

その辺の事情は「5デイズ」という映画が解りやすいと思います。

ロシアは、その名もウラジカフカス(カフカスを征服せよ)を拠点に、
グルジアに侵攻しました。


もともと日本は相手にもならないし、
中国との間で国境を確定させることで、
背後の憂いを絶った上での行動でした。

この時、米国、西欧とも、「そこならいいよ」という戦略をとりました。
ところが、ロシアの狙いは「そこ」だけではなかったのですね。

一度成功すると、二度三度と冒険したくなるもののようで。
モルドバ、クリミア、東部ウクライナ・・・
ロシア系住民が多く住む土地は、まだまだ沢山あります。

現状、米国も西欧も冷戦は過去のものと考えている様子だし、
対テロ戦で関心はもっぱら中東と国内に向いているし、

その限りにおいて「ヨーロッパ辺境」を舞台にしているロシアですが、
西欧が「そこまでだ」と言い出せば、
すぐさま極東方面に方向転換するかも、なんです。

日本としては、そういう可能性も考えておいた方が良いと思います。

なにしろ、
日本海の対岸にはウラジオストク(東方を征服せよ)がありますので。


というか、中国はず〜っと休みなく冷戦を続けてきてますけどね。
イカンセン日本では危機感が薄いというか、
むしろアチラを利する「呼応分子」が多くて困ってしまうんですが・・・


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