昨晩、手がすべってスマホを落としてしまい、画面が割れてしまった。機能は使えるようだが、ひびが入っていて見づらく、何より、縁起を担ぐわけではないが気持ちがよくない。機種変更は当分先と思っていたが、早々に考えなければならないかもしれない。
鬱陶しい天気が続き、梅雨はまだ明けない。もやもやしたはっきりしない日が続く。蒸し暑くて体もだるく、休みの日だが草むしりも洗車もする気になれない。高校野球の県予選をテレビで見ながらうだうだする。世間ではいたましい事件や事故、すっきりしないニュースが多い。せめて気分だけでもすっきりしようと、髪の毛を理容室で短く切ってもらう。頭頂部は年輪を重ねだいぶ薄くなってきたのに、周辺部が伸びて見苦しくなるのははなはだ不都合だ。
君に伝えたかった言葉は・・・
君に伝えたかった言葉は
夕暮れの雑踏のなかで
アスファルトの上に落ちた
夜に沈みこむビルの谷間を
方角を失った声がさまよい歩いた
君に届けたかった思いは
深夜のアパートの片隅で
萎れた花のように色あせた
腐食していく時間の中で
読めない文字が人知れず朽ち果てた
目に見えない壁を超えて どこに
君と出会ったかもしれない海があるか
出口のない袋小路を抜けて どこに
君が待っていたかもしれない街があるか
光と闇の半球が目まぐるしく反転し
生と死の鎮魂曲が鳴り響いて
君に伝えたかった言葉が 星のように
遠い空にまたたいている
願い
なぜ わたしの願いは
はるかな頂きから落ちる
ひとすじの流れ ではないのか
なぜ わたしの希望は
虚ろな空に向かい
高く枝を掲げる木立 ではないのか
なぜ わたしの愛は
木陰に人知れず咲く
夢の中の白い花 ではないのか
なぜ わたしの言葉は
傾いた時代の夕暮れに
淋しくふきわたる風 なのか
ちいさな、ささやかなもの
ちいさなもの
ささやかなもの
追い立てられて
足早に通りすぎると
見過ごしてしまうもの
幼いころ
地面にもっと近く
ゆっくり歩んでいたとき
しゃがみこんで
陽だまりに見つけた
ちいさな生きもの
ちいさなつぼみ
たくさんのことを
ささやきかけてきた
ビー玉
おはじき
空き缶のふた
よごれたぬいぐるみ
ほんとうに必要なものが何か
わからなくなったのは
そう遠いことではない
よろこびは ささやか
ささやかでなければ
よろこびとは わからないから
ちいさくなければ
見えなくなってしまうから