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今年の五月に某ブログで紹介されて、興味を持ったが見損ねていた映画を、ネットフリックスで鑑賞した。
アンソニー・ホプキンス主演の"THE FARTHER"で、彼はこの映画で二度目のオスカー賞を獲得している。
81歳で一人暮らしの主人公は認知症が進行し、記憶が定かでなくなり情緒も不安定になっていく。
彼は介護士に愛想をつかされ、娘の家に引き取られるが、それすら忘れてしまい、居間にいた娘婿を侵入者扱いする。
娘婿が自分の大事な腕時計を盗んで身に着けていると疑い、買った証拠のレシートを持ってるかと娘婿に問う。
認知症がひどくなる主人公との同居に不満がつのる娘婿は義父を介護施設に入れるべきだと娘に進言する。
主人公に辛く当たられても愛する父を見放せない娘だったが、ある日「あなたは誰?」と父に訊ねられ深く悲しむ。
やがて娘は離婚するが、のちに再婚しイギリスを離れパリで新たな生活を始めるために主人公をやむなく施設に入れる。
施設に入っていることすら理解できなくなった主人公は、介護人の腕の中で幼児のようにママに会いたいと泣く。
主人公がかつて、枝葉が落ちていくように記憶が消えていくと嘆いたことを象徴するかのように、
主人公の部屋の窓から見える庭の木が最後のシーンに大きく写しだされる。
この映画は、認知症の人から見た世界を如実に描いており、年寄の理不尽な振る舞いに遭遇したとしても、
当人の人格を否定することなく、病の症状だと理解する優しさが必要だと教えられた。
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