久谷地区には36基の常夜燈があります。自然石を使った味わい深い常夜燈です。
荏原地区の常夜燈の位置はこちら。(20基)
坂本地区の常夜燈の位置はこちら。(16基)
常夜燈の解説は、「フリー百科事典ウィキペディア」よりも「久谷の里山(写真のページ)」の方がずっと親切で分かりやすいので、 引用させていただきます。
以下、「久谷の里山(写真のページ)」より抜粋。
≪常夜灯とは≫
そのほとんどは、今から約二百年前、村や小集落(組や小字)の中心地や境などやや広い場所に、地元の人たちが自然石を組んで建立した。権力者の命に基づくものではない。組の人たちが順番に明かりを灯したり、家内安全や村内(組内)安全を祈ったという。農耕や行事など、大切な相談や祀りを行う聖空間(浄域)でもあった。その証として今も神事用の注連縄が使われている。
今も地域の子供たちが行う「亥の子」も常夜灯から始めるし、祭りの神輿もここで神事を行う。常夜灯から連想する夜間の交通安全や防犯を目的とする現在の街灯とは意味が違う。むしろお地蔵さんとともに庶民の暮らしの心の在りかを象徴するものだったというのが適当だろう。現在も神輿が休憩する御旅所となっているのはその名残であろう。
夜間灯すのは菜種油か蝋燭だが、江戸時代は結構値がはる。したがって、大切なとき以外は灯さなかったと考えられる。明治に入ると蝋燭も安くなってきたが、それでも毎晩灯したわけではない。昔の人は、日が沈むと家にこもり、夜間出歩くことはまずなかった。
明治後半以降にかけて新しく作られた常夜灯には、自然石ではなく細工されたものが多い。映画に出てくる常夜灯はほとんどが大正か昭和期のものである。
荏原・坂本両地区に存在する常夜灯の形は個性豊かである。見飽きが来ない。
【引用以上】
平成17年の秋祭りの時から、久谷夢工房では「常夜燈まつり」と称して、久谷地区(荏原・坂本)の常夜燈36基を一斉に灯しています。
(10月7日秋祭りの夜と、12月31日大晦日の夜、限定)
「まつり」と言っても、常夜燈は広い範囲に点在するので、編集した映像のようにドラマチックに見ることはできません。
車で走っているとヘッドライトの明るさでろうそくの灯りを見過ごすこともあります。
夜道を歩いていて、ハッと気づくくらいの雰囲気です。
そういう久谷の静かな夜を大切にしたいという気持ちで取り組んでいます。
久谷夢工房のメンバーが調べつくした36基の常夜燈を、これから少しずつ紹介していきます。