岩下壮一『信仰の遺産』岩波文庫 が3月17日に出版された。早速入手して読み始める。これは『全集』からの復刻ではなく、原著作からのセレクトされた復刻らしく、全集版とは少し異なるようだ。例えば宗教改革論などは納められていない。とはいえほぼ同じと思える。山本芳久先生の「註解」が素晴らしい。まるでカトリック神学入門のようだ。稲垣良典先生の「解説」はトーンを抑えた名文である。特に「岩下神学について」では各論文が丁寧に解説されている。「なぜ今岩下壮一か」は深くは触れられていないし、岩下師は「ネオトミスト」だったのか、という問いにも明確な答えは与えられていない。とはいえ、『カトリックの信仰』とならんで本書が手にできる喜びを味わいたい。
岩下壮一全集第4巻『信仰の遺産』が岩波文庫から出版されるという。嬉しい話だ。これはいくつかの論考が納められているのだが、どの論文が入るのか興味がある。またはすべてそのまま納めるのだろうか。2015年というこの時点で、「忘れられた思想家・神学者・岩下壮一師」が注目される意味を考えている。