カトリック社会学者のぼやき

カトリシズムと社会学という二つの思想背景から時の流れにそって愚痴をつぶやいていく

八ッ場ダムは紅葉に燃えているか

2023-11-10 11:19:14 | 観光


 11月上旬快晴が続く。季節外れの暖かいある日、ふと思い立って吾妻渓谷に紅葉を見に行きたくなった。久しぶりの片道3時間のドライブ。あがつま峡は町営の無料駐車場が渓谷の途中にありクルマで少しは入れる。

 山は全山紅葉でその美しさに感嘆した。来た甲斐があったと納得した。さすが足腰の弱った身で渓谷沿いのハイキングは無理だったが、歩道は整備されており紅葉をゆっくりと楽しめた。色とりどりの紅葉は最盛期だった。

【あがつま渓谷】

 


 しばらく歩くと突如八ッ場ダムが現れた。見上げるとその威容に圧倒された。東京タワー並みの高さだという。エレベーターで上に上ってみる。ダムの貯水量の大きさは解らないがとにかく巨大だ。周囲の山は青空に映えて美しい。だが紅葉を楽しむ場所ではない。このダムはダム工法としても独特らしくダムカードコレクター間でも評判らしい。

【八ッ場ダム】

 


 民社党政権の迷走で(1)頓挫しかかったこのダム建設が完成したのは2020年3月のことで、まだ3年前のことだ。実はわたしはこの工事再開直後にここを訪れたことがある。完成したこのダムの姿は当時の工事を思い起こさせて感慨深いものがあった。

【八ッ場ダム2】

 



1 民社党政権の迷走は福島原発事故処理とこの八ッ場ダム建設中止に象徴される。ともに当時はその評価は割れていたが現在はその評価はほぼ定まったと言えるだろう。

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巨大な浦賀ドックに驚く

2023-05-28 08:46:05 | 観光


 従兄弟が「咸臨丸子孫の会」の関係者ということで「咸臨丸フェスティバル」に初めて顔を出してきた。フェスティバルは要は地元のお祭りで、咸臨丸は浦賀を出港したということだけのことで、お祭りとはあまり関係ないようだった。吹奏楽団が入ってなにか式典がおこなわれていた。

 従兄弟は幕府遣米使節随伴艦の咸臨丸測量方(士官)の小野友五郎広胖(1817-1898)の末裔だ。咸臨丸は最初に太平洋を渡った日本の船と言うことで広く知られている。出港は1860年1月のことだったという。
 勝海舟、ジョン万次郎、福沢諭吉など歴史上の人物の名前は知られているが、小野友五郎も重要な人物だったらしい。測量士というよりは幕末の数学者として知られているようだ。船上での勝や福沢は小野からは頼りなく見えたようだ。

 わたしは咸臨丸よりは「浦賀ドック」に興味があった。レンガ造りのドライドックまたは乾ドック(1899年建造)で残っているのはここだけで、1世紀にわたって1000隻を超える艦船をつくってきたという。その巨大さに驚くとともに、用いられたレンガがフランス式からイギリス式に変わるなど興味深い説明もあった。特に「盤木」(ばんぎ)の説明は面白かった。盤木の下のコンクリートには穴が開いていて、これで巨大な船の位置の微調整をしたという。ドックゲートは前傾式で開閉したらしく、海面との位置関係が不思議な印象を与える。予備知識があればもっと楽しめたことだろう。

【浦賀ドック】

 

 

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知覧・無言館・靖国遊就館・広島平和資料館

2023-05-25 20:56:08 | 観光

 全国旅行支援がもらえるというので鹿児島にツアー旅行にでかけた。旅行代金に1万円の補助と、クーポンが3000円もらえるという誘惑に負けた。天候にも恵まれ、種々の温泉を堪能した。いくつかハプニングもあり、印象深いツアーだった。

 ツアーの同行者は70歳代の方が中心だったが、戦前生まれの方(ほぼ80歳代)も6組近くおられ、ツアーには珍しく最初から打ち解けた雰囲気が心地よかった。色々なところを廻ったが、結局は知覧の特攻平和会館の印象が強かった。ホテルでの夕食時の話題は多岐にわたったが最後は知覧の印象に戻った。特攻はなかなかセンシティブな話題なので皆さんの話しぶりは慎重だったが、結局は、知覧特攻平和会館と、上田の無言館、靖国の遊就館、広島の平和記念資料館の与える印象との比較の話が多かった。私自身は、どこも訪ねたのは随分昔のことだが、どれも印象は鮮烈に残っている。展示の仕方はどこでも変化しているのだろうが、与える印象はそれほど変わってはいないのではないか。
 とはいえ、受ける印象は館によって全く異なる。展示の良し悪しよりは(1)、展示の趣旨が、意図が異なるからだろう。今は死語だがあえて保守・革新というカテゴリーを用いるなら(2)、どちらの陣営の人に語りかけようとしているのかが与える印象の違いを生み出しているのかもしれない。どの館でも使われている平和という言葉の意味が異なっているようだ。

 テーマは重いものだが、皆さんの話は暗いものではなかった。なぜか。80歳代の人々は、東京大空襲も原爆も体験していないけれど、思いは共通だった。つまり、いま自分たちが住んでいる、この現代日本は、かって子供時代に自分たちが知っていた日本とは、別の国になっている、という思いだ。これが同じ日本国なのか、という思いは共通なのだろう。現代の日本は、色々問題はあるが、豊かな国になった。明日の食べ物を心配する必要がない。だが先の戦争でなくなった方々にどのような言葉で語りかけたら良いのか、われわれはまだ共通の言葉を見いだせないでいるようだ。

【展示】

 

 


1 展示品が、遺書中心か、絵画中心か、収蔵品か一式戦闘機か、など展示品の違いも与える印象の違いを生み出しているのかもしれない。
2 宇野重規『日本の保守とリベラル』(2023)は、右・左ではなく、保守・革新ではなく、伝統・近代ではなく、保守・リベラルという軸で戦後思想を整理しようとしている。現代日本のイデオロギー論としての有効性はあまりはっきりしなかった。

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「いずも」の巨大さに驚く ー 「横須賀のりものフェスタ」

2022-12-04 18:03:29 | 観光


 「いずも」の艦内を見学してきた。「横須賀のりものフェスタ2022」が3年ぶりに開催されるというので行ってみたら、海上自衛隊基地も一般公開されていた。そして「いずも」の艦内の一部が公開されていた。行ってみて、とにかくその巨大さに驚かされた(1)。写真は上下する昇降機から見た艦橋である。

【昇降機から見た艦橋】

 

 


 「いずも」は「ヘリコプター搭載護衛艦」と言われるようだ。護衛艦がどういうものか、何を護衛するのか、は良く知らない。ただ、destroyer と説明されていたので駆逐艦のようなものらしい。といっても、憲法上、自衛隊は軍艦は持てないので護衛艦という曖昧な名称を使っているようだ。日本独自の、国内向けの用語らしい。ただ素人から見ると、どう見ても航空母艦だ。カタパルトはまだついていないからヘリ空母と言われるらしい。大型ヘリコプターが5機載るという。

 こういう話題にふれると一昔前は「おまえは軍国主義者か」と罵倒されかねなかったが、今はそんな心配はしなくとも良い時代になったようだ。ごく普通のお祭りのショーだ。ヴェルニー公園はお祭り広場で、今まで見たこともない人だかりだった。好天が幸いしたのであろう。
 今日の見学者は圧倒的に子連れの若夫婦だった。こんな艦には年寄りしか見学に来ないだろうと思ったら、若者だらけでお祭り騒ぎだった。緊張感が何もなかったと言えば嘘になるが、見学者はみな驚き、かつ楽しんでいた。特に、小さい子供たちがはしゃぎ回っていたのが印象的だった。

【甲板にて】

 



1 「いずも」は全長248m、排水量26000tという。ちなみに「戦艦大和」は全長263m、排水量6400tと言われるらしいので、「大和」よりは少し小さいのかもしれない。それにしても5層からなるというのだから大きい。

 

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奥只見の紅葉にみた全国旅行支援

2022-11-03 10:14:18 | 観光


 コロナもほとぼりが冷めたようなので奥只見湖とドラゴンドラに紅葉旅行を楽しんできた。険しい場所らしく自分でクルマを運転しては行けそうもないところらしいので諦めていたが、ツアーがあったので思い切って申し込んでみた。奥只見湖の紅葉は評判に違わず素晴らしい景色だった。俳句や絵心でもあればこの感動を表現できるのだろうが、無趣味で不器用な自分はただ息を飲み込むだけだった。苗場ドラゴンドラは紅葉もさることながらゴンドラの設計にも圧倒された。聞きしに勝る景観だった。

【苗場ドラゴンドラから】

 


 外国人観光客もちらほら見られた。コロナによる3年にわたる長い蟄居期間からやっと解放されるのだから、観光地はどこも高齢者の観光客で一杯だった。
 コロナと言えば、全国旅行支援なるものが急遽実施され、旅行は様変わりだ。我々の今回のツアーは、この支援策が公表される大分前に申し込んだものだったが、旅行実施直前になんとひとりあたり8000円もリファンドされた。3000円のクーポン券ももらえた。ほとんどがご夫婦ふたりでの参加なので一組あたり22000円となる。この大判振る舞いに首をかしげないでもなかったが、3年間じっと耐えていたのだからそのご褒美と考えて素直にいただいておいた。これを機に海外意旅行もという声も聞こえた。円安もコロナ疲れには勝てないようだ。年寄りには日本経済の先行きを心配している暇はない。きな臭くなる前に少しは出歩いておきたいというのが皆さんのお話だった。

 

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