虹の国へ-日々を楽しんだり嘆いたりしちゃったりして-

平成21年度3次隊青年海外協力隊として
南アフリカ共和国での活動記録

南アの学校教育の課題-3-

2011-05-04 18:57:31 | 南ア-その他-

今回も
南アの学校教育の課題について書こうと思います。

今回のテーマは、「研修制度とCI」です。

日本と南アの学校の先生の何が一番違いますかと聞かれたら、
真っ先に答えるのが、研修体制だと答えたくなるくらい、
日本と南アでは研修制度が異なります。

日本では、初任者研修や10年経験者研修をはじめとして、
すべての先生が研修を受ける権利(義務?)があります。

しかし、南アの先生が受ける研修は大きく異なります。

もちろん日本のように学校指導主事が行う研修はありますが、
せいぜい各教科年4回程度といったところでしょうか。

その研修は、主にCIと呼ばれる役職の方が担当します。

CIとは、Curriculum Implementerのことで、
Regionaloffice(県教育委員会)に各教科担当のCIが配属されています。

CIは、州教育省の会議に参加して得た情報を、
学校現場の先生に対して、研修を主催することで伝えることが主たる使命です。

しかし、それぞれのCIは、約5つのCircuitofficeを管轄していて、
合計で約120~150校の学校を管轄しています。

1日一つ回っても、1年間に一回りするのがやっとです。

これでは、教員一人ひとりの授業をしっかりと見ることなどできません。

さらに、CIのなかに現場を経験されない方がおられ、
結構とんちんかんなことを言っておられる方もいるようです。

JICAでは、過去、このCIを鍛えることにかなり重きを置いていました。
そして、それなりの成果が出ているように感じます。

しかし、まだまだ充分な役目を果たしているとは思いません。

これからもCIをサポートできるような仕組みを構築すべきなのかもしれません。

それが、南アの学校教育を改善する近道のような気がします。


周の長さ-Gr.7-

2011-05-04 15:44:05 | 南ア-算数-

今日は、Gr.7から。

多角形の周の長さを求める授業。
英語では、周の長さをPerimeterというらしいんですが。

南アの先生の多くは、
なんでもかんでも公式化して教えようと考えています。

たとえば、
長方形の縦のながさをL(length)、横の長さをB(breadth)とすると、
周の長さは、2(L+B)であるという風に。

もちろんそれは、それは間違っていないのですが、
何故そうなるのかの説明は、先生からの一方通行になってしまいがちで、
大半の子どもたちは、それを理解せず公式丸暗記になっています。

そこで、今回は、身近な素材ということで、
教科書の周の長さや、折り紙の周の長さを測りました。

教科書は、長方形として。
折り紙は、正方形として。
(写真撮り忘れました。ごめんなさい。)

ところで、南アの先生たちは、
いつも私に教材がないことを嘆いています。
(南アには、お金がないって。日本うらやましすぎるって。)

私も彼らの気持ちは理解しますが、
身近なところに教材があるということを理解してほしいものです。
(彼らの言う教材は、都会から来る立派なものであって、
決して自ら作り出すものではありません。そこが問題。)

自ら作る、もしくは身の回りにある教材を使うことをマスターすることで、
授業のレベルは、飛躍的にあがると思うのですが。

なかなか思いは伝わらないものですね。