今回も
南アの学校教育の課題について書こうと思います。
今回のテーマは、「研修制度とCI」です。
日本と南アの学校の先生の何が一番違いますかと聞かれたら、
真っ先に答えるのが、研修体制だと答えたくなるくらい、
日本と南アでは研修制度が異なります。
日本では、初任者研修や10年経験者研修をはじめとして、
すべての先生が研修を受ける権利(義務?)があります。
しかし、南アの先生が受ける研修は大きく異なります。
もちろん日本のように学校指導主事が行う研修はありますが、
せいぜい各教科年4回程度といったところでしょうか。
その研修は、主にCIと呼ばれる役職の方が担当します。
CIとは、Curriculum Implementerのことで、
Regionaloffice(県教育委員会)に各教科担当のCIが配属されています。
CIは、州教育省の会議に参加して得た情報を、
学校現場の先生に対して、研修を主催することで伝えることが主たる使命です。
しかし、それぞれのCIは、約5つのCircuitofficeを管轄していて、
合計で約120~150校の学校を管轄しています。
1日一つ回っても、1年間に一回りするのがやっとです。
これでは、教員一人ひとりの授業をしっかりと見ることなどできません。
さらに、CIのなかに現場を経験されない方がおられ、
結構とんちんかんなことを言っておられる方もいるようです。
JICAでは、過去、このCIを鍛えることにかなり重きを置いていました。
そして、それなりの成果が出ているように感じます。
しかし、まだまだ充分な役目を果たしているとは思いません。
これからもCIをサポートできるような仕組みを構築すべきなのかもしれません。
それが、南アの学校教育を改善する近道のような気がします。