うんたま森のキジムナー

油味噌 アンダース

産業に乏しい沖縄では、高校を卒業すると
島から出ていく。出稼ぎや学校に通っている家族を
気遣う母親の気持ちは並大低のものではなかっただろう。
標準語は通じているのだろうか、食べ物は口にあって
いるのだろうか、風邪などひいて
いないかと案じながら、油味噌やサーターアンダギーを
作って送ったそうだ。

漁師仲間達の多くが本土へと行った経験を持つ。
「家から、よく油味噌が送られてきて、無くなる前に
又届くものだから、油味噌だらけになったことがあるさぁ」
と笑って言っていた。

ゆでた豚肉を味噌で炒めた油味噌、方言でアンダースと
言う。これをブリキ缶に詰めて送ってくるそうだ。
高温多湿の沖縄では、食物を腐らせずに蓄えるために、
数々の保存食があみ出された。
なかでもアンダースはトップだろう。
お弁当やおむすびを買うと、必ずといっていいほど
油味噌が入っている。
最初の頃は、この油味噌の甘さが苦手だった。
それがいつのまにか馴染んできたのか、たまに油味噌を
買うこともある。

沖縄のコンビニのオムスビには油味噌がある。
数あるオムスビの中で一番売れているそうだ。
昔ながらの油味噌は家庭によって異なる。
今は昔と違って砂糖や調味料もふんだんにあるので、
砂糖やみりん、酒を入れたり
このみによってはショウガ汁など加えて昔以上に
バージュンアップしている。

オバァがいるときは、よく作ってもらったけれど、今は
買わないと手にはいらない。
やっぱりオバァの手作りが一番口にあっている。


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コメント一覧

kijimuna
まるで千歳飴を思わせるような巻きずしですね。関東のオバサンが、よく作ってくれました。
おそらくオバサンはもういないでしょう。
50年前の話です。
ダイバー
伝統の料理と言えば、知る人ぞ知る房州寿司。昔、お祭りや運動会に母が夜なべして作ってくれた絵柄入りのお寿司☺何処で覚えたのか、妻も時々作ってくれて、初めて見たPTAのお母さん達が驚いていた⤴息子のお嫁さん達に手解きを始めたところだったのに・・悔しい、悲しい、・・。
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