沖縄では8月8日(旧暦)に「トーカチ」というお祝い事が
行われる。「八」が並ぶ8月8日にひっかけた
八十八歳の長寿祝い。
今年は9月17日が旧暦の8月8日にあたり「敬老の日」と
重なる。
本土では文字の形から「米寿」と呼ばれるお祝いだが、
トーカチはその習慣を沖縄風にアレンジしたものと
いわれている。
トーカチとは「斗かき」のこと。
知っている人の方が少ないだろう。
かくいう私も、どこかの民族博物館で展示してあるもの
しか見たことがない。
枡(マス)で米を計っていた時代、こんもりと山になった
米を平らに切るのに用いた竹の筒のことを「トカキ」
というそうだ。
沖縄の米寿の祝いの席では、山盛りにした米に
このトカキが刺してあるものを飾る。
かっては年長者が長生きだと、子孫の寿命が奪われると
いわれ、模擬葬式を行った時代もあったそうだ。
その一方で、お祝いの席では、塩を盛る「塩祝い」
というのも行われていたとか・・・
「親は塩に漬けてでも長生きさせたい」という意味が
込められているのだそう。
トーカチ祝い(米寿祝い)の来客は、長寿にあやかろと
たくさんの人がお祝いに駆けつける。以前は頻繁に
長寿祝いに呼ばれたけれど、最後に呼ばれたのが伊良部島に
住む知り合いの八十八祝いだったが、かれこれもう
十年以上前の話。
長寿が少なくなったのか、お祝いの声がかからない。
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