近年陸上養殖に成功した沖縄でも比較的新しい
海藻である。
宮古島では昔から食べられていて、
海ブドウ=宮古島というイメージがある。
独特な食感やその外形から「緑のキャビア」とも
呼ばれ、キロ当たり1万円以上の
値がついたこともあり「高級海藻」でもある。
売られているものは、そのほとんどが養殖されたもので、
天然のものを採っている人はほとんどいない。
養殖ものは天然ものに比べ粒が小さく、
塩分の少ないサッパリとした味が特徴。
冬場成長に3カ月かかるが、これから水温の上がる
時期になると、種付けから約一カ月で収穫できる。
西表島の大原というところの民宿に、しばらく滞在
したことがある。民宿のオバサンが
「宮古島から来るなら、次は海ブドウを持ってきて。」
と頼まれた。
もしかしてと思って、近くの海の中を見ると、一面に
海ブドウだらけだったことがある。
海ブドウは保存が難しくて、冷蔵庫に入れたり真水に
浸かるとしぼんでしまう。
そうなると売り物にならない。
沖縄本島の居酒屋などでは、まるで生け簀の魚のように、
水槽に入れているところもある。
宮古島では昔から食べられていたけれど、
あくまでも酒のつまみとしてで、
ドンブリによそったご飯の上に山のように海ブドウをのせた
「海ブドウ丼」のような食べ方はしない。
海ブドウの中身は、ほぼ海水なのだから。
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