沖縄では「医食同源」という考えがある。病気を治すのも食事をするのも、
生命を養い健康を保つためで本質は同じという考え方。すなわち日頃の食生活に
注意することは、病気を予防し健康を維持することと同じである。
沖縄の人たちは体にいいものを良く食べる。
ビタミンミネラルが豊富な海藻もそのひとつ。
オバァからたくさん作りすぎたからとよく色々なものをいただいた。
中でも海藻類を使った料理が多かった。
沖縄県栄養士会が実施した85歳以上のお年寄りの食生活実態調査でも
海藻類を週に3回以上食べる人の割合が60%もあったそうだ。
海藻類の中でもモズク、アーサー、昆布などで、購入量は全国平均の1・5倍で
日本一の水準である。沖縄では採れない昆布がこれほほどまでに
馴染み深いしょくざいになったのは、江戸時代琉球の主力輸出品の砂糖が
北海道の産物を積んだ北前船の昆布と大量に交換売買したのがきっかけと
いわれている。ただし、本土と違って沖縄では昆布は出汁ではなく食べるものとして
普及した。
特に豚肉料理には欠かせない素材でソーキ汁やテビチ汁には必ず結び昆布が入るし、
千切りにしたクーブイリチー料理には主役を占めるほどの地位を占めている。
モズクも居酒屋の付き出しのように少しではなくドンブリにいっぱいの
モズクがテーブルに出てくる。オバァといるときは昆布や海藻類の料理に
飽き飽きしていたが、年のせいなのか昆布の料理が食べたくなる。