朝起きて、その日の天気を確認する。そしてもう一つ潮汐を確認する。
つまり旧暦の何日なのかを確認する。
沖縄の行事、御願のほとんどが旧暦で行われる。
海に出て行くには旧暦を知っておかなければならない。
以前、近所の妊婦さんが夜中に産気づいて、病院まで車に乗せて
行ったことがある。夜中に産婦人科までいって先生を呼んだ。
眠そうな目をこすりながら「潮を見てみましょうね。」といって
奥に引っ込んだ。すぐに出てきて「まだ時間があるから、今のうちにシャワー
でも浴びてきなさい。」といわれて引き返したことがある。
(これホントの話し)
普段私たちが使っている新暦は「太陽暦」
これに対して旧暦は月の満ち欠けを重視した「陰暦」
月の満ち欠けを一ヶ月とすることで潮の満ち引きを示してくれる。
浜下りは旧暦の3月3日、沖縄の夏の風物詩「スク漁」は旧暦6月と7月の1日に
やってくる。海だけでなく陸でもヘチマやゴーヤ、マンゴー花は
旧暦の1日と15日に咲く。この日に受粉すると、とびきり甘い実になるという。
沖縄では今でも漁業だけでなく農業でも月の満ち欠けで種まきの時期を
判断する。
ダイビングポイントでも潮が速くなる大潮では潜れなくなるポイントや
大潮だから現れる魚などもいる。
旧暦を知ることで潮汐を知り、潮の流れの方向を知る。
沖縄の生活では旧暦を知るということはとても大切なことである。