お互いの近況をあいさつがわりに、いつか
宮古島に遊びにおいでと伝えると
「ムリムリ、俺、ハブ酒は飲めないから」
と言われた。
そんな話しを誰かからも聞いたことがある。
本当にそんなことを思っている人が
実際いるのに驚いた。
宮古島の酒屋にいってもハブ酒は見たことがない。
土産物屋にいけばあるかもしれない。
沖縄に生まれて、沖縄で育って、一度もハブ酒を
飲んだことのない人の方が圧倒的に多いだろう。
ハブ酒とは、毒蛇のハブを漬けた泡盛。
ハブが瓶の中でトグロをまいているのは、
見た目にチョットこわいが
古来から滋養強壮の薬として珍重されてきた。
中国にはハブとまむしとコブラを漬けた
「三蛇酒」というものまであるというから
毒蛇エキスは身体に効くのだろう。
ずいぶん前に沖縄のハブ酒製造しているところに
見学に行ったことがある。
ハブを捕獲してから三ヶ月ほどエサを
与えず水だけでやしない、
その後排泄物を取りのぞいて洗浄し、
そして生きたまま40度以上の泡盛に漬け込み
1年〜3年ほど漬ける。
かれこれ30年以上沖縄で暮らしているが、一度も
ハブ酒を飲んだことはない。
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