まだまだ現役で働ける歳だから、どこか再就職でも
すればいいのに。
「もう人に使われるのは嫌だ」という。
そこで始めたのが空き缶拾い。
そこで気になるのが空き缶の値段だろう。
ここでいう空き缶はアルミ缶の事。
値段は若干の変動がある。
買取屋のところに行けば、現在の引き取り価格が
提示されている。
高いときでキロ当たり90円～115円。
350㎜のアルミ缶が約60個～70個で1㌔。
毎晩、ビールを大量に消費する我が家は、オジィに
とって良いお客というわけだ。
別にこのオジィと契約や口約束を交わしている
わけではない。島には他にも空き缶拾いを生業にしている人が、
けっこういるようだ。
このあいだ空き缶を捨てに行くと
「その空き缶をもらってもいいか？」と
聞いてきた人がいた。どうせ捨てるものだから
「いいよ」と渡したことがあった。
そんなことも忘れた頃、オジィ同士が我が家の
空き缶を巡って争っている。
「この家の主から許可を取っている。」
「嫌々、俺が先だ！」
「俺のだ！」
「嫌、俺のだ！」
仕方がないので出て行って「もめるのなら、渡さない！」
といってなんとかその場は収まった。
それ以降も時々、空き缶を巡って争奪戦が
起きているそうだ。
オジィは今日も普通の軽自動車に空き缶を満載して車の中は
空き缶だらけ。空き缶に埋もれるようにして車を走らせている。
