何気なく手に取ると隣にいたオバサンに
「そんなのを買う人がいるわけ。」と
言われたことがある。
買うつもりはなかった。
どうして手に取ったか今でもわからない。
昔は医者にもめったにかかれず、薬も今のように
ふんだんになかった時代には、ヨモギは貴重な
薬草であったとオバァがよく言っていた。
夏の暑い日が続き、子供の顔色がすぐれなかったり
すると、庭からヨモギを採ってきて、それを刻んで
すり鉢ですり、布巾でしぼった青汁を湯飲み茶わん
の半分くらい飲ませたそうだ。
風邪をひいてオバァをむかえに行ったとき、
一度飲まされた。
まぁ、なんとも言えない苦みと匂いに風邪も
吹っ飛びそうな気がした。
今でもこの特有な香りが料理に使われている。
魚汁や匂いの強いヤギ汁の匂い消し。
ヨモギのことを沖縄方言でフーチバーという。
沖縄の代表的な料理に、フーチバージューシーがある。
スーパーの総菜売り場にいけば必ず売られている。
何かにつけて、料理に使われるヨモギであるが、
長く沖縄に住んでいてもあまり好きにはなれない。
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