どこからかバンジロー特有の香りがしているが、
まだ実をつけていない時期なので場所が
特定できない。以前は雑草のように街中でも
生えていたが、最近はほとんど見なくなった。
バンジローは「グァバ」
フトモモ科の植物で3mほどの高さまで木が伸びる。
昔の子供たちにとってこの果実は、
学校帰りの道すがら、その実を取ってはかじり、
ペッと吐き出しながら口を慰めるもの
だったそうだ。
漁師仲間たちは、島のどこに、どの木があるのか
よく知っている。突然車を停めて、林の中に入って
行って、バンジローを取って戻ってくることもある。
ズボンでこすって、ガリッとかじってペッと吐き出す。
知らなかった頃は食べるものだと思って食べていた。
けっしておいしいものではない。
横で食べていることに気づいた友人に
「食べると便秘になるぞ!」と言われた。
ほらっとくれる前に「食べられないぞ」と
教えてくれればいいのに。
どくとくの強い香りは
「踏んづけたなら、その匂いはいつまでもついてくる」
と沖縄の唄の中にもある。
ジューズの原料にもなっているが、最近は葉っぱが
日の目を浴びるようになって飲料メーカーが
お茶にして製品化している。
バンジロー(グァバ)が実を付け始めるのが5月頃、
その実を取って室内に置いておけば
芳香剤にもなる。歩く楽しみがまた一つ増えた。
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