お金だけに頼るのではなく、物々交換も普通のこと
だったと聞いている。現金を手にするのは1年に一度、
サトウキビの収穫が終わってから。
家族で市内まで出てきて風呂屋に行って、映画を見て、
ソバを食べて帰るのが楽しみだったとよく聞く話。
宮古島に来た頃、島の人たちに親切にされ、友達も
たくさんできた。
田舎の方に住む友達のところに行くと驚くことばかり。
大きな家に住んでいるのにテレビがない。畑仕事を終えて家に
帰ってくるオジィやオバァの足元を見ると裸足!
普段は裸足で外に出歩いている。
道路が整備された今では裸足で歩けないので、さすがにサンダルを
履いている。
それでもあの頃は裸足で生活している人が日本にいるなんて
信じられなかった。
「飯を食べていきなさい。」
本土では他人の家に上がり込んでご飯をいただくなんて
したことがなかったが、食べるまで帰れるような雰囲気ではない。
「すぐに準備するから、出来るまで酒でも飲みなさい。」
と一升瓶がポンと出てくる。
氷なしの水割り!最初に出てくるのが皿に山盛りの刺身と
パンビン(天婦羅)これだけでもお腹いっぱいになるのに、
山盛りの野菜炒めやら畑で採れたダイコンや
ニンジンの煮物など。
酔っぱらってそのまま寝てしまい夜中に目を覚ませば
蚊帳の中。なんだかあの頃が懐かしい。今ではまるで不思議の国に
行って夢を見ていたような気がする。
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