8月 南に向かって夜空を見上げると、さそり座が見える。
サソリの胴体部分にひときわ赤く輝く
「早星(ひでりぼし)」と呼ばれる星が
「アンタレス」火星(アレス)に敵対するものという
意味があるそうな。
古来日本では、アンタレスが赤く輝くほど、その年は
豊作になるといわれたそうだ。
あまりに赤く輝くので、酒酔い星という別名でも呼ばれている。
昔ケラマに、星の話を上手に話す奴がいた。
イケメンではないのだが、夜に星を見上げて話す姿が、
かっこよく見えて、女性に人気があった。
夏の夜空の定番が、このさそり座で、星座を知らなくても
すぐに見つけることが出来る。
「ほら、あそこに見えるのが、さそり座です。」
夜空を見上げてうっとりと聞く女性たち。
「赤く輝いているのがアンタレスという星です。」
このあたりまで話すと、もう女性たちのテンションはマックス!
赤く輝くのは、その星が今、まさに寿命を終えようと
しているところ。
この地球からアンタレスまでの距離は約619光年。
光の速さで619年かかります。
つまり、今みているあの星の光は619年前の光をみています。
本当は、もう存在しない過去の星をみているのかも知れないね。
彼のこのセリフをマネして30年以上になる。
最初に話した女性は、かれこれ50歳を超えて
孫がいてもおかしくない。そして今でもナイトダイビング
にいくと、よくこの話をする。
人間の寿命なんて、星に比べることもできない
チッポケなものだとつくづく思う。
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