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AZ-GTi赤道儀化マウント(5)

2021-02-11 18:34:38 | AZ-GTi
前回のブログにおいて、AZ-GTi赤道儀化マウントの自動導入(GoTo)機能の確認のため、マウントにコルキットスピカ[5-7]を搭載し、試験撮影した結果を記した[1-4,8]。
上記の試験撮影を繰り返していると、原因不明であるが、AZ-GTiの制御が効かなくなり、マウントの動きが止まらなくなる事象に遭遇した[9]。
ここでは、AZ-GTi赤道儀化マウントが何らかの原因で制御不能になった場合の対処例について記す。

(1)AZ-GTi制御不能時の対処例
AZ-GTi制御不能時の対処法について、次の考え方に基づいて実施した。
・制御不能時、強制的にAZ-GTiの電源をOFFにする。
 ※この時、マウントの座標は原点(リセット)になるが、姿勢は電源OFF時のポジションとなる。
引き続く運用再開に備え、マウントの姿勢をホームポジション(極軸方向)へセットする必要がある。
ホームポジションへのセット方法には、次の2つが考えられる。
 (a)マウントのクラッチノブを緩め、手動でホームポジションにセットする手法
 (b)AZ-GTiの電源ON後、SynScanProアプリの方向ボタンでマウントをホームポジションに戻し、再度AZ-GTiの電源をOFFにする手法
ここでは、マウントのクラッチノブを緩めない後者の手法(b)を実施した。

(2)AZ-GTi運用再開
AZ-GTiの運用再開は、通常の起動と同じ手順で行った。
ここでの具体例は、次の通りである[4]。

・AZ-GTi赤道儀化マウントの電源をONにする。
・Android端末のアプリSynScanProを起動し、AZ-GTiにWiFi接続し、赤道儀モードを選択する。
・アライメント>1スターアライメント
 シリウス[10]を選択すると、マウントが自動でシリウスの方向に向く。
 方向ボタンで、視野内の中心にシリウスが入るようアライメントを実施。
・アライメント>3スターアライメント
 1つ目の星にアルデバラン[11]を選択、2つ目、3つ目の星は、メニューから適当に選択する。
 アライメントを開始すると、マウントが自動でアルデバランの方向に向く。
 方向ボタンで、視野内の中心にアルデバランが入るようアライメントを実施。
 1つ目の星のアライメントが成功すると、2つ目の星へマウントが動き出すが、ここでキャンセルを行う。
※上記アライメントにおいて、アライメントスターに北極星[12]を選択しようとしたが、SynScanProのメニューに現れず、選択することができなかった。

上記の操作後、次の自動導入を行い、試験撮影を繰り返した。

・天体>名前がつけられた恒星、あるいは、ディープスカイ>メシエ

(3)試験撮影結果

2021-02-10 23:17 すばる・M45[13]
OLYMPUS E-PM2, コルキットスピカ 420mm F10.5
Mモード, ISO800, 420mm, F10.5, 15sec, MF, AWB


2021-02-10 23:37 アルニタク[14]
OLYMPUS E-PM2, コルキットスピカ 420mm F10.5
Mモード, ISO800, 420mm, F10.5, 30sec, MF, AWB


2021-02-10 23:45 北極星
OLYMPUS E-PM2, コルキットスピカ 420mm F10.5
Mモード, ISO800, 420mm, F10.5, 60sec, MF, AWB
※SynScanProアプリにおいて、北極星はアライメントスターとしては選択できなかったが、自動導入対象の天体としては選択できた。

・対物レンズ口径:40mm
・ドーズの分解能:2.90"
・イメージセンサ分解能:3.68"相当
(イメージセンサ画素ピッチ:3.74μm)

(4)まとめ
AZ-GTi赤道儀化マウントの自動導入機能の確認のため、マウントにコルキットスピカ(倍率:30倍)を搭載し、試験撮影を試みた。
AZ-GTi赤道儀化マウントが何らかの原因で制御不能になった場合の対処例を試みるとともに、運用再開後の自動導入機能の確認を試みた。
その結果、倍率30倍の望遠鏡において、その視野内に天体を自動導入できることが確認できた。

参考文献:
(1)AZ-GTi赤道儀化マウント-goo blog
(2)AZ-GTi赤道儀化マウント(2)-goo blog
(3)AZ-GTi赤道儀化マウント(3)-goo blog
(4)AZ-GTi赤道儀化マウント(4)-goo blog
(5)コルキットスピカ
(6)OLYMPUS E-PM2とコルキットスピカを用いた直焦点撮影-goo blog
(7)OLYMPUS E-PM2とコルキットスピカを用いた直焦点撮影(10)-goo blog
(8)AZ-GTiの5つのアライメント法とツボと同期技
(9)AZ-GTi(自動導入経緯台)-鹿角平天文台通信
(10)シリウス-Wikipedia
(11)アルデバラン-Wikipedia
(12)北極星-Wikipedia
(13)プレアデス星団-Wikipedia
(14)オリオン座ゼータ星-Wikipedia

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2 コメント

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AZ-GTiアラインメントに関して (starskys2)
2021-02-12 09:37:53
新星空の友です。

AZ-GTiアラインメントの記事、拝見しました。
北極星がアラインメントの星に出てこないとのことですが、私のGOTO8ドブソニアンのSynScanペンダントには出てきます。
ソフトが「Pro」でないので、この違いがあるかもしれません。
北極星(小熊座α星)以外に北天に近い北斗七星、カシオペア座の明るい星(2等星ですが)がアラインメントに出てくると便利です。
一度、ソフトで表示する星を確認して、自宅から見える使い易い星を選んでおくと良いと思います。
結局、いろいろ試行して自分に合ったアラインメント方法を確立することになります。
以上、よろしくお願いします。
返信する
Re:AZ-GTiアラインメントに関して (KIMUKAZU)
2021-02-12 18:17:48
新星空の友 様

コメント、ありがとうございます。
当初は、アライメントに用いる基準星は、ユーザが自由に選択できるものと考えておりましたが、実際は異なりました。
ご指摘の通り、アプリの仕様や、観測地に適した基準星に依存して、それぞれ自ら適したアライメント方法を確立しなければならないようです。
さきほどSynScanProの基準星の選択肢を調べて見たところ、当方の環境では、次の組み合わせが利用できそうでした。
2スターアライメントでは、1つ目:プロキオン、2つ目:アルデバラン、あるいは、カペラの組み合わせ
3スターアライメントでは、1つ目:アルデバラン、2つ目:プロキオン、3つ目:火星の組み合わせ
今後、上記についても、試して見たいと思います。
引き続き、ご指導よろしくお願いいたします。
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