ウルトラマンアーク
第25話にして最終回「走れ、ユウマ!」、実に感動できるストーリー展開でした。ユウマが子供の頃に父母を目の前で喪っているって事もあってか、ヘヴィーすぎるって事はないにしろ、土台にシリアスな空気が常にいる『ウルトラマンアーク』だったからこそ、この最終回はその良さを殺していないなぁ、と感じられるものだった、と私は思いましたが、他の方はどうだったんでしょうね?
例え、自分がどうなろうとも地球と仲間を守りたい、だから、戦いの場に赴くって覚悟を決め、ウルトラマンアークに変身するもスイードの策略によって、またしても、夢の中に囚われてしまうユウマ。前回も書きましたが、この精神攻撃は、とことん陰湿ですね。勝つ為なら、どんな手でも使うってのは大事にしろ、ここまで執拗に、ユウマのトラウマを抉り、彼とルティオンとの絆を断たんとするスイードのやり口には、どこか私怨すら見えてしまうほどじゃないでしょうか?
父母を助けずに逃げた罪、その重さに潰されないよう、これまで必死に走り続けていたユウマ。そんな彼だからこそ、この偽者の吐く優しい言葉には、思わず、縋ってしまいそうになっていました。けれど、何処かから、彼が自分の罪から逃げずに戦い続けていた様を見ていたであろう、実父が折れそうになっていた息子を救うって展開、これにグッと来ないファンはいませんって。
ユウマを救うべく、SKIPの面々も自分達に出来る戦いに全力を尽くしていました。シュウさんがユピーに乗って戦場に飛び込み、ギルバグのバリアを破壊するくだり、絆を確かに感じましたね。一方で、夢に囚われていたユウマは、ルティオンのアドバイスに従い、自慢の想像力をこれまで以上に全力疾走させます。まさか、ユウマ、さっきまで自分の体を蝕んでいた毒素を反転させ、この窮地を引っ繰り返せる新たなキューブを創生させるとは・・・
ギルバグが倒された事によって、ついに、スィードが本気になりました。基本的に、自分は手を汚さぬ場所にいて、戦闘は怪獣に任せていたスィード。だからと言って、弱い訳じゃありません。正しい、と信じる存在が成そうとする事を全肯定し、自分の命すら擲つ事が出来てしまうほどの忠誠心もプラスされた怪人態は、これまでのラスボス怪獣と比べてしまったら、そりゃ、格は落ちてしまうかもですけど、決して、弱くはありませんでした。ただ、ユウマの心を弄んだ罪は、あまりにも重すぎましたね。これまでよりも絆が強まっているウルトラマンアーク、カッコ良かったです。またしても、自分を省みない零距離発射かと思いきや、まさかまさかの地球一周。光線をぶっ放した体勢のまま、地球に美しい円を描いたアークはスィードに背中をぶつけるや、光線を放射していた腕を揺らし、彼女が必死になってガードしていた光線の軌道を変え、ど頭のど真ん中をブチ貫きました。夢破れ、絶命に到ったスィードに一瞥すらくれないアーク、クールでしたね。
ルティオンがいてくれたおかげで、地球を守る事が出来たユウマ。だからこそ、今度は、ルティオンが自分の銀河を守る戦いに、自分の想像力を使いたい。それは、SKIPの面々に別れを告げる、と言う事。無事に帰って来れる保証はない。それでも、この命を懸けたい、と覚悟を決めている男を誰も止められませんよね。ユウマとシュウさんが抱き締め合うシーン、目頭が熱くなってしまったのは私だけじゃないはずです。何より、SKIPの面々がユウマがいない日々に寂しさを募らせていたラストで、あの黒電話が鳴るシーン、これはズルくないっすか!? 何はともあれ、他のシリーズに負けない感動をありがとうございました、『ウルトラマンアーク』!!
ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー
第2話「ブン捕れ!俺の獲物だ」は、新たな戦士が参戦した事も相まって、ストーリー展開が凄かったですね。第1話を視聴した時点で、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』に匹敵するカオスさを感じるぞ、と思ってましたけど、輪をかけてました。
今回、吠の前に姿を見せたのは、ゴジュウレオンに変身する百夜陸王とゴジュウティラノに変身する暴神竜儀。陸王の方は腹の中が真っ黒な、野心丸出しのアイドル。竜儀の方はテガソード強火推しの狂信者。実にクセが強い。まぁ、吠もこの二人を詰れるほど、まともって訳でもない。ゴジュウジャーはまだ、三人しか揃っていないけど、既にアクの強さが凄いから、他の二人も似た感じなんだろうか、と楽しみになる。竜儀の方は、まだ判らんけど、老夫婦の言動から察するに、陸王は何らかのスキャンダルに巻き込まれて、一流アイドルから転落しちゃったみたいだから、指輪にかける願いはそっち方面だろうな。
そんな吠、陸王、竜儀に、新世界のオーナーである飯島を取り込んだトレジャーハントノーワンで、トレジャーハントバトルを繰り広げる事に。勝利条件は、実にシンプル。制限時間までに、最も稼いだ者がナンバーワン!! 尾高田を見つけるべく、テガソードで手当たり次第に地面を掘り返して、バイトをするより楽に稼げそうだ、と宣う吠も吠だけど、そのテガソードを馬鹿力で止めるわ、巨岩や巨木をぶん投げてくる竜儀にもドン引きだし、自分のファンを舌先三寸で騙して、家宝の壺をちゃっかりせしめる陸王も中々にやらかしてる。町を破壊しないってルールを律義に守って、強盗をするに留めているトレジャーハントノーワンがまともに見えてくるレベル。
もっとも、戦隊サイドで一等に倫理観が吹っ飛んでやがるな、と私らを戦慄させたのは、レッドたる吠でした。三下臭さプンプンのイジメっ子から碧を救って、母親手作りのおにぎりを半分こしてもらった事で、本当のお宝は金銭的な価値は付けられるものじゃないって結論に達した・・・かと思いきや、他の奴等が集めたお宝を横からブン捕ってしまえば、自分の一人勝ちだって理屈を通してくるとは!? やはり、この男、一味も二味も違うな。
この吠のアウトローっぷりは、陸王と竜儀にも響いたらしく、今回は共闘する面白さを優先した模様。ゴジュウウルフが野性感丸出しの戦い方をするのに対し、ゴジュウレオンはブルーらしく、冷静かつ精密な射撃で敵を倒していく戦闘スタイルの模様。また、彼は既にブンブンジャーのリングを持っていたようで、ブンレッドに変身し、エネルギー弾を曲げるテクニカルっぷりも魅せてくれました。ゴジュウティラノは、テガソードイエローに搭乗し、アイアイザー・クロサンドラと激突!! 持ち前のパワフルさをロボ戦でも遺憾なく発揮し、アイアイザー・クロサンドラを終始圧倒。某有名プロレス漫画を意識しているのかな、と直感する大技には、思わず、興奮しちゃいましたね。ゴジュウウルフも、トレジャーハントノーワンに取り込まれていた飯島さんを救出し、見事に勝利を掴み取っていました。
そんなゴジュウジャーの活躍に負けていなかったのが、やはり、カシオス・ベアーでしょう。ファイヤキャンドルの腹心で、その忠誠心は本物。ファイヤキャンドルの方も、カシオス・ベアーを可愛がっており、全幅の信頼を置いているようでした。上司と部下でプリクラを撮って、お互いに持っているってのが美しいかどうかは別として、マッドレックスとサンシーターのような関係性は推せますね。まぁ、今回で、サクッと、カシオス・ベアーは退場しちゃいましたけど。てっきり、ファイヤキャンドルは彼が敗れたら、あっさり掌返しをして、プリクラを捨てるかと思いましたが、予想に反し、彼の敗死を心から嘆いているようでした。ますます、復讐心を燃やす彼とゴジュウジャーの激突が楽しみですね。
仮面ライダーガヴ
第24話「復活のアイスひとさじ」では、窮地に陥っていたガヴとヴァレンが、それぞれに新たなフォームに変身したので、テンションが否応にも高まりましたね。
ただ、同じ新フォーム獲得でも、ショウマと絆斗、明暗が分かれた感が、どうにも拭えないなぁ、とも感じました。
絆斗の母が死ぬキッカケになってしまった負い目に加え、二人目のビターガヴがパワーアップしていたので、ガヴは健闘しきれず、変身解除に追い込まれてしまいます。そんなショウマに救いの手を、今回、差し伸べてくれたのが、聖母感がマシマシな幸果さん。ショウマの調子が出ないのは、絆斗と仲違いしているからか、と察しながらも、あえて、そこに触れない気遣いは見習いたいもんです。また、幸果さんは、絆斗がヴァレンであるのも、状況証拠を繋ぎ合わせる事で察しており、観察力や洞察力、推理力も長けているな、と感じました。
その幸果さんは、ガヴがショウマである、と知った事で、これから、フォローを頑張る、と気合を入れていました。まぁ、幸果さんが、ピンチのガヴを助けようとノコギリを持って、ビターガヴに立ち向かおうとした時には、ビックリを通り越して、思わず、微笑ましくなってしまいました。変身解除に追い込まれながらも、ビターガヴと戦ってくれているヴラムの助太刀をすべく、無茶をしようとするショウマに対し、幸果さんは自分に出来る事は無いか、と必死に考え、とあるモノを発見します。それは、クレープの屋台。幸果さんがショウマに差し出したのは、ひんやり美味しいアイス。幸果さんの優しさと母との思い出が上乗せされたアイスの美味しさは、ショウマに活力、そして、新たなフォームを与えます。
それが、ブリザードソルベフォーム。アイスクリームに対する感動から生まれたゴチゾウで変身するフォーム、そして、ブリザードと冠している事から察せるように、その力は、超絶冷気の操作。ちょこまかと動くビターガヴを、氷で作った不安定な足場へと追い込み、冷気を乗せた斬撃で攻めたてるガヴ。これには、無邪気に戦いを楽しんでいたビターガヴも余裕を失います。そして、繰り出される必殺技・アイスイリュージョン。無数の氷柱に包囲されたビターガヴは成す術なく、敗北を喫しました。凄まじい戦闘能力でしたが、話数を考えると、これでもまだ、最強フォームではないのでしょう。ホールケーキ、アイスクリームと頭一つ分抜けたフォームを考えると、最強フォームに必要なお菓子は、パフェ?
一方で、悪友に小金で売られ、友の敵討ちに燃えるグラニュート・スミールにいたぶられていた絆斗もまた、この窮地で新たなフォームに変身します。変身に使うゴチゾウは、あの酢賀が作り出したチョコルドゴチゾウ。ダークな見た目と酢賀の「ビター」って言葉から察せるように、その力は強大でしたね。グラニュートに対する復讐心を持っている絆斗の心と呼応している事もあり得るのか、チョコルドフォームにチェンジしたヴァレンはスミールを一方的に攻めたて、ついには撃破します。強化フォームではあるんですけど、どうにも、ヤバい感じがしてなりません。誰かに支えて貰える嬉しさをショウマが噛み締める一方で、絆斗はショウマに頼らなくても戦える、と独りで戦う道を選ぼうとしています。果たして、この二人はまた、仲直りできるんですかね・・・
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