ウルトラマンアーク
第22話「白い仮面の男」は、端的に言うと、クセの強い回でした。
怪獣の強さに、じゃなく、楽園を作りたいって仮面の男の思想と、それを実現に到らせる手段にゾッとさせられましたね。白い仮面の男、その見た目自体が恐いっつーか、不気味すぎるのに、楽園を作りたいって言う夢が、何とも・・・さすがに、数段ばかり落ちるにしろ、『からくりサーカス』のフェイスレスを思い出してしまいました。仮面を付けている時もヤバかったですけど、その仮面を外した時が、余計にゾワッとさせてくるんですよ。もう、これ、子供、泣きますって。
この世に生きる全ての人が何の憂いもなく、怪獣に対する恐怖も感じずに生きていける場所、つまりは、楽園を作り出すために、この白い仮面の男は、とんでもない手段を使ってきました。ユウマたちの日常が、ジワジワと蝕まれていき、おかしい、と気付き、それに抗おうとするも飲み込まれていく過程、これにも朝から視聴していて、血の気が引きましたね。
記憶が現実を作り出す、そのルールに基づく事で、白い仮面の男は、人々の記憶から怪獣に関する記憶と用語を削っていました。それにより、世界には怪獣が出現しなくなり、ユウマたちは幻想の世界に閉じ込められてしまいます。これで、白い仮面の男が悪意から地球制服を目論んでいるってんなら、まだマシですけど、完全に純粋な善意と自己満足で、ユウマたちの精神に干渉してますからね、これ。なまじ、大暴れする怪獣よりも質が悪く、おぞましいにも程があります。
しかし、そこは、やはり、ウルトラマンに変身するに相応しい資格を持っているユウマなんでしょうね。ハッキリと自覚はしていなくても、彼は世界の異質さを察しており、自分の思い出に触れる事で、ここが「楽園」の中だ、と気付けました。ユウマとアークの絆の強さ、それを改めて、感じ取る事が出来ました。自分の夢の成就を阻むアークに、柱は攻撃を仕掛け、アークはピンチに陥りますが、その程度のピンチ、何度も乗り越えて来てます。能力それ自体は強力ながら、その分、攻撃を受けるとダメなんでしょうね。アークファイナライズが強烈ってのもあるにしろ、一発で爆散しちゃってました・・・まぁ、スカッと出来たか、は微妙でしたが。思想とやり方はアレであったにしろ、人を救いたいって思い自体は根本的に間違っている、と否定は出来ませんから。
爆上戦隊ブンブンジャー
バクアゲ46「未来をこの手に」は、とことん、バクアゲ展開の連続で、良い意味で疲労が凄かったですね。
まずは、ラスト。いきなり、ラストかい、とツッコまれそうですけど、今回のサブタイトルは、そういう意味合いか、と驚かされましたからね。まさか、バクアゲ1で強引に花嫁にされ、自分のハンドルを自分で握る、と決意した事で結婚式を止めた未来が、このタイミングで、スピンドーとの政略結婚を迫られるとは予想外が過ぎます。スピンドー自体が、この作戦を自分で考えて実行していたならまだしも、「ISA」の常槍が発案しているってのが、これまた、権力欲で魂が汚れ切った大人の悍ましさを見せてきました。『王様戦隊キングオージャー』のラクレスみたいな事にはならんだろうな、と既に諦めの境地です。
次が、ブンブンについて。錠さん、玄幡さん、先斗が協力して手に入れたエネルギー玉。それは、確かに、ブンブンの肉体の崩壊、砂塵化を食い止めてくれました。しかし、ブンブンを復活させるには到りませんでした。ほんの一瞬だけ、指が動いたので、大也だけじゃなく、私達も思わず、来た、と力が入ってしまいました。それなのに、ブンブンが目を覚まさなかったんですから、ショックは小さくなかったですね・・・けど、逆に考えると、地球のエネルギーが肉体のダメージを抑え込んだなら、魂そのものは、やはり、ブンブンが大也たちと紡いできた絆がキッカケで戻るんじゃないかな、と期待しています。
その次が、大也の(元)家に潜入する玄幡さんの為、囮になった錠さんが、ISAの人間や警察官と真正面から戦い、抑え込まれてしまった際に発した、魂からの叫び。私くらいの年齢だと、『踊る大捜査線』の青島を連想したかもしれませんね。世界が悪意に満ちた情報に踊らされて、自分達を敵と見做そうとも、「警察官」と言う正しい事を為すために職業を捨て去る事になろうとも、自分の心が「屈したくない」と、目の前の悪に怒りを抱くのであれば、錠さんは自分を曲げたりしません。この真っ直ぐな熱意が、他の警察官にも伝播して、ハシリヤンに歯向かう流れになったら、バクアゲですよね。
そして、今回、最もバクアガったのは、当然ながら、サンシーターの激闘でしょう。彼らの信念に、心が奮えなかったら、この『爆上戦隊ブンブンジャー』を楽しむ資格はねぇ、と暴論が出そうになるレベルですって、これは。前回、マッドレックスの死の真相を知り、なおかつ、今回、自分達が捨て駒にされた事で、サンシーターはハシリヤンへの不信感を爆発させます。まぁ、ガチで、自分達を助けてくれたブンブンジャーへの恩義を返すべく挑んだ、クルマジュウグルマーと戦いでの相討ちで爆発するとは思いませんでしたけど。最終戦、ほんと、マッドレックスと一緒に戻って来てほしいなぁ、と思っているのは私だけでしょうか?
仮面ライダーガヴ
第20話「突入!闇菓子工場へ!」、元々、この作品はガヴたちの見た目以外、ポップじゃない、と思っていた訳ですが、今回は特に展開がヘビーっつーか、そう来るか、と震えました。いや、マヂ、脚本家は人の心がないのか、とツッコミをぶち込みたくなるレベルの鬱展開。
いつかはね、ショウマの正体が絆斗にバレるだろう、むしろ、バラさなきゃいけない日が来るだろう、と思ってました。秘密があったら本当の友情は成立しない、なんて青臭い事をほざくつもりもありません。秘密があろうと無かろうと、友情は成立しますし、崩壊する時は崩壊します。ただなぁ、このタイミングとシチュエーションで、絆斗がショウマがグラニュートで、しかも、ストマック家の一員だって事が、グロッタが言って、知ってしまうとは・・・エグすぎんか。脚本担当さん、本気で良い仕事を丁寧にしやがるわ。
うっかり言っちゃったグロッタさん、まぁ、悪気はないでしょうね。ニエルブあたりなら、もっと、友情が完全にぶっ壊れるお膳立てをしてからブッコミそうですから。いや、でも、ほんと、グロッタさん、好いキャラしてますよね。見た目が良いって言うと、今は叩かれちゃう案件かもしれませんけど、この美しさは、歴代女幹部でも断トツじゃないでしょうかね。とことん強気で、実力もあって、戦闘ではどデカい鎌を振り回してくるって、もう、満点近いですわ。露出こそ多くないですけど、色気ムンムンなんで、見てるちびっこ、性癖が歪んじゃいそうですね。
ショウマと絆斗の間に構築されていた友情には、思いっきり、亀裂が入ってしまいました。一方で、ショウマとラーゲ9、いえ、ラキアの間には、友情のようなもの、どちらかと言えば、仲間意識ですかね、が成り立ってましたね。ストマック社に母親の命を奪われたショウマから力の使い方を問われ、自分のこれからを考え直していたラキア。そのタイミングで、ラキアは街で自分が復讐をする為に利用した人間の家族が、自分と同じように必死になって家族を探している姿を目の当たりにします。弟を優しい子、と誇る彼もまた、根っこの部分は良い奴なんですよね。自分の間違いを正し、弟に胸を張れる兄に戻るべく、ラキアはショウマと共にヒトプレス奪還に動きます。
そんなラキアが、闇菓子工場での戦闘で使った新たな力、それは、ゼリーカスタム。悪人っつーより、自分が楽しく研究できれば、それでいいってスタンスのマッドサイエンティストであるニエルブが作っただけあって、確かに強力なんですけど、ラキアに結構な負担を強いてますね。透明化できるってのは、戦闘面で有利ですけど、心臓を強制的に止めるってエグいな。まぁ、復讐を果たすためなら、自分の体がどうなろうと知った事じゃないってトコは、絆斗と同じでしょうから、今後もガンガン使用しそうですね、ラキア。
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