目の中のリンゴ

20年ぶりにオペラ座熱が再燃!!

「平成大家族」 中島京子

2010年09月19日 | 読書
先日読んだ「小さいおうち」
面白かったので中島さんの他の作品を読んでみました。

「平成大家族」(中島京子 集英社)
文庫も出たところです。

歯科医をリタイアした緋田龍太郎(72歳)。
2人の娘は嫁にやり、妻と妻の母、
そしてひきこもりの長男・克郎(30歳)と
静かに暮らす日々・・・だったはずが、
事業に失敗した長女一家(中学生の息子あり)が
戻ってきて、続いて、離婚した次女も。
しかも、彼女は妊娠していた。
家族が全員戻ってきた緋田家はにわかに賑やかに・・・

たくさんの登場人物が一章ごとに
語り手になって登場。
テンポよく、笑いも交えてとんとん進んでいき
読みやすいです。
身近な話題をリアルに、軽快に描くところが
ちょっと群ようこさんっぽいなぁと思いました。

大家族になって、みんなで和気藹々
という話かと思ったら、
いかにもイマドキの大家族で、
みんなアクが強くて、それぞれに自分のことに
一生懸命。
家族といえど、個人の事情には踏み込まない。
家族全員で食卓を囲むことなど、
ラストのある重大事件(?!)が起こるまで
一度もなかったのですから。

家族だからこそ、”あの人(あの子)はこうだから”
と決め付けてるところがあって
ホントのところはわかってないことが多く、
意外な展開にびっくりしたりもする。
家族ってそんなもんですよね。

緋田家の人々は結局どうなるのか・・・
きっとこれからも変わらないのでしょうね。

中島京子さんの作風、とても好きです。
他の本もまた読んでみようっと。
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2 コメント

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ひねりがきいていたような (カオリ)
2010-09-25 11:41:00
「ちいさいおうち」はまだ図書館の順番待ちで、待ち遠しいのですが、「平成大家族」はだいぶ前に読みましたよ!
細部は忘れてしまいましたが、おじいちゃんがかなりいい味出していたような。そしてひねりのきいた展開にさすが、とうなった記憶があります。
中島京子さんの作品はおもしろいですよね。
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おもしろい! (kino)
2010-09-26 00:14:03
>カオリさん
これ、最近文庫化されてましたね。
緋田家の男たちが情けなくて、女たちは嫁も含めて期が強い、
ってのが笑えました。面白かったです!
芥川賞を受賞されてはじめて知った作家さんなのですが
他の作品もおっかけてみます。
返信する

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