でっかい富士山を見たくて甘利山(韮崎市)へ行った。
富士山は見えたけど、二度と行かない!
怖かった!
本当はもう忘れたいので書きたくないけど、
命がけで撮った写真を捨てるのは悔しいので書いてみます。
昨日、富士山に雪が降ったようで寒い朝。
「そうだ、でっかい富士山を見に行こう」
なんて事を急に思い立ちナビ設定。
甘利山の入り口までは順調。
頂上に繋がる道は、
急勾配とヘアピンカーブが次々押し寄せてきて、
一度スピードを緩めたら、バックしてしまう?
停まったらアクセルを踏んでも前進できない?
踏むしかない状況が約1時間。
私の車は軽自動車。
四駆にしておけばよかった。。
Uターンすればいいものの道幅は狭く、
平坦な所もあって、このまま行けるかも!
なんて、思ってしまったり。。
途中、滝が見えた。
コンクリートで固められた人口の滝だった。
更に行くと、クマ出没注意の立て看板の後ろに池があった。
ここで、ちょっと心を落ち着かせようと池まで行ってみた。
小さいけれど、美しい池だった。
ここまで人とも車とも会っていない。
熊が気になる。
カウベルを持って来なかったので、池まで降りずにすぐ引き返した。
車4~5台停まれる余裕があり、ここで帰ろうと思えば帰れた。
でも、下りの道は登りよりもっと怖い。
イチかバチか登ってみよう。
強気の団塊魂が湧いてきた。
それにしても、四駆にしておけばよかった。。
箱根や日光のいろは坂よりキツイ道が続く。
頂上まで30キロとか、10キロとかの看板があっても、
生死が掛かっている私にはなんの気休めにもならない。
やっとの思いで甘利山の駐車場に到着。
人がいた。
しかも、4人も。
ここで、何やら工事をしている人らしい。
頑張ってニッコニコの笑顔を作って、話しかけてみた。
元青年の現役おじさんたちも笑顔で迎えてくれた。
「生きていてよかった!」といったら、
全てを飲み込んだらしく、みんな頷いていた。
1人のおじさんが呟いた。
「帰りが怖いよな。トラックが4台ぶっこんでいるから」
「4だい?」
な、なんと、真実味のある台数。
「踏み続けるとブレーキがスカスカになって効かなくなる」
「スカスカ?」
この時私の顔色はどんなだったんだろう?
「遠回りでいいなら緩い道があるよ」
「北杜の武川回りだけど・・」
「え!私の家北杜で、武川は近い」と言ったら、
みんなで寄ってたかって道を教えてくれた。
「大丈夫!大丈夫!ちゃんと帰れるから安心して」
良い人ばかりだった。
こんな時になって初めて膝ががくがく震えた。
駐車場から富士山は見えなかった。
「今日の富士山は綺麗だと思うから、
頂上に行ってゆっくりして」
嬉しくて涙が出そうになったが堪えた。
「いってらっしゃい!」の声に送られて、頂上をめざした。
駐車場から20分ほどで頂上に着いた。
頂上は晴れていたが、
富士山の周りは雲がしつこく纏わりついていた。
※上の白い部分は雪。線のようになったところが雪と雨の境目。
頂上についても、
綺麗な風景を見ても、
富士山を見ても、
心は落ち着かなかった。
今日が私の命日にならなくてよかった。
帰ったら、やり残したことをやろう。
悔いのないように今日やれることをやっておこう。
そんなたわいもない事を思った。
トリカブトがとても美しかった。
ノコンギクが可憐に咲いていた。
帰路は、砂利道あり、大穴あり、
路肩崩落危険。
山側落石注意。
なかなかの悪路だったが、
カーブも高低差も比べ物にならないくらい少なかった。
助かった!
ギアをローに入れ、
模範運転をしながら降りた。
帰宅後、サツマイモを掘った。
やり残したこと、今日出来る事をやった。
芋を掘りながら、おじさん達の笑顔を思い出した。
おじさん達に助けて貰った。
おじさん達のお陰で生き延びた。
感謝しかない!
長文を最後まで読んで頂きありがとうございました。