興行成績は振るわなかったらしい。
理由は、日本の戦争責任を無視し、過剰に美化している
という痛烈な批判。
そりゃ、今までの太平洋戦争を描いた米国映画に比べると
視点がかなりニュートラル。
アメリカ人にとっては極めて日本寄りな作品に見えて仕方ないんだろう。
とはいえ僕も、侵略された方、裁かれた側の国民だから、
見てて気持ちいいもんじゃなかった。
日本人の視点からみると「そこはちゃうやろ!」とツッコミたくもなったけど、
前述のとおり、過去の米国作品に比べると許容範囲内で、
そうとうマシな歴史認識で描かれていた。
オープニングから中盤まではさしてオモシロくないプロットだった。
フェラーズ准将(マシュー・フォックス)の関係者への取り調べ(聴取)、
そしてフィクション部分の日本人元カノとの思い出探しで淡々とすすむ。
意外性のある史実の発掘もなく、このまま映画は終わるのかと思わせた。
ところが.....だ。
天皇陛下(片岡孝太郎)とマッカーサー(トミー・リー・ジョーンズ)の対面シーンで謎が解ける。
西田敏行演じる大将がいうところの
「本音と建前を持つ日本人の忠誠心の源は信奉で、それを理解すればすべてわかる」
との言葉の意味が、この一瞬で知れる。
退屈なそこまでの90分は伏線であり、すべてはこの場面の圧倒的感動のためにあった。
ずいぶん前に WOWOW で録ってたこの映画を見る気になったのは、
今日が「その日」だからなんだろう。
鑑賞後、何となくケツの穴が締まった感じがした。
送り盆の墓参も、清楚な気持ちでいけそうな気がしてる。
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