久々に講演会を聴く、会場は県立博物館・美術館の講堂。講師の前評判が高いのであろうか、ほぼ満席の客席から講演内容への期待が伺える。岐阜県在で創業47周年、電気資材などを製造する会社の創業者にして現在は取締役相談役を努めている御年80歳の山田昭男さんがその人。創業以来、本人の信念に基づいて同業他社との差別化を徹底すると傍から見てもヘンと思われる社風になった、それがヘンなきまりの会社と言われる所以。報告・連絡・相談、いわゆる報連相なし、ノルマは勿論、成果主義は禁止。残業禁止に朝礼は自由、作業服は貸与しないが購入するための用立てはする。5年毎の海外旅行に5割以上を会社が負担、しかも780名の全社員対象。この海外旅行は数名の社員が事前にプランを作成、ミステリーツアーと称して三つのコースをあみだくじで引いてもらい、A・B・Cコースに分ける。出発当日、参加者は決められた日時に空港に集合。行く先はマイナス5度からプラス30度の地域なので、全員が冬服・夏服など用意する。そこで初めてコースが発表されて行き先が判明するという。Aコースはパリなので夏服は要らない、Bコースはハワイだから冬服は除く・・この要領で行ってきます。社員の自力を信頼するこの取組み、何よりも創業以来の黒字経営にして、平成23年3月期の売上が219億円という立派な経営。平易ではないであろう売上を支えるのが、なんともユニークなキマリ。2時間をオーバーする講演だったが集中して聴いた、良かった、参考になりました、お誘いいただいた関係者や相談役に感謝。