多民族連邦国ミヤンマ―(135民族)には民族・地域によって多様な祭祀・祭礼があります。主な祭祀・祭礼は4月のミヤンマ―暦の正月にあたるテインジャン水かけ祭りです。前年の悪と罪を洗い流し新年を新しい気持ちで迎える祭礼です。老若男女が着飾り僧院に金銭や料理を寄付し年配の人に掃除や手伝い、食べ物を贈ります。来客には多くの料理もします。この時期出家する人や精神統一の瞑想に泊まり込みで修行する人も多くいます。
5月のガソンニャウン・イエトウン菩提樹に水をかける祭祀。仏陀が菩提樹の木の下で悟りを開かれた事にちなんだもの。干上がった池や川から魚を捕らえ水のある場所に移す行事などです。
ミヤンマ―では7月の満月から10月の満月までは雨安居(うあんご)と呼ばれる雨季です。10月のダディジュ満月祭(雨安居があがる火祭り)11月のダザウンモン満月祭(僧院にささげる服を作る)などです。
この時期、仏陀が悟りを開かれ弟子に説教されたことに由来し僧侶はより宗教的生活に努めます。雨安居の始まりに僧衣を進呈しこの期間中はより修行に励み、一般の人は婚礼などの行事は控えます。雨安居が終わる満月の夜にはパゴダの参道や家にロウソクやランプの明かりが灯され川にはトウロウを浮かべます.ミヤンマ―の祭礼・祭祀は仏、神、水、満月など超自然的存在に感謝・謝罪・尊敬・帰依・服従の意志や意義の確認で純粋で神聖なものでしたが・・。
ヨーロッパや日本など先進国の祭礼・祭祀は神聖なものもありますが政治的・経済的色彩が濃くなり大衆統合や娯楽性、観光のイベント化が重視されています。伝統や宗教的意味が形骸化し世俗的な催事としての「祭り」に傾斜しているようにも感じます。
ミヤンマ―も民主化・開放によって仏陀など超自然を敬う純粋の祭祀・祭礼もまもなく経済優先の催事・観光、イベント化するするでしょう・。
写真はバガン近郊の村のダザウンモン・ボエの隊列
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