ビルマ人のカルタ
C スクールは学校とは言えないな。これは塾だ。授業は全てマンツーマンで、テーブルを囲んで生徒のノートがよく見える。なので、答えの正否だけでなく、変な字を見つけて修正が出来る。
英語の先生たちにも、日本語を教えている。こちらも気が抜けない。退屈すると、彼女たちはアクビをしたり、この前は居眠りまでした。オイオイ、リラックスし過ぎだろ。そこで四コママンガを使ったり、"おもてなし"で滝川クリステルと小泉を紹介した。でもこれではあまり勉強にはならない。
彼女たちは、頭がいいからすぐに覚えた日本語を使う。「少々お待ち下さい。」「それは大変ですねー。」
イラストの付いた物の名前カードをテーブルに並べ、自分が読み上げる。まあ、これはカルタだな。何? 不思議な顔をしていた彼女たちは、始まるとすぐに喜んで熱中した。やった、受けた!
ここで自分は気が付いた。あれっ?何で取ったカードを手元に置かないの?あれま、取ったカードを相手に渡しているよ。競争ではなく、遊びなのね。あまり取れない子に見つけたカードを教えてあげてる。
それは、男子生徒3人でも同じだった。取ったカードはひとまとめ。枚数は気にしない。でも面白い。
この国で、"ちはやふる"はヒットしないだろうな。これでは、商売でベトナムに勝つ日は来ないんじゃないか。でもこの優しさは好きだ。別に競争に勝たなくてもよい。幸せだと思えるなら、その方がずっと素晴らしい。