バス難渋
ミャンマーの路線バスに悪戦苦闘している。バス代は200チャット(14円)と、タダ同然なのだが、まずバス停を探すのが一苦労。どこも学校から離れていて20分くらいは普通に歩く。そしてバス停ではない所でも人は待っていて、乗ったりする。乗るのも降りるのも大変だ。運転手は一人や二人だときちんと停まらないし、直ぐに降りないと動き出す。人がちょっと途切れると、直ぐにドアを閉める。
たいていのバスは韓国製だが、ブザーが少ない。4つくらいしかない。ミャンマー人なら声を掛け合えるが、こちらは困る。乗り心地は最低で、運よく座れても、どこかに掴まる必要がある。立っていたら、両手で掴まる。移動はバランスを取って、飛ぶようにして3歩の空中散歩で後ろに行く。
整備が悪いのだろう、サスペンションはガタガタで、時々ブレーキの摩擦材が擦り切れてキーキーと金属音がする。それでも乗っている人々は全然イライラせずに、席を譲り合い、荷物を膝に置きあったりしている。お坊さんが乗れば席を譲るが、少年僧は、これを断ったりする。
お坊さんが座ると、隣の女性は席を立ち男性と替わる。接触を避けるためだ。
バスは番号表示なのだが、時々ミャンマー数字の表示だけのバスが来る。数字を覚えればよいのだが、5,6, あれは7でしょ、とかやっていると乗り遅れる。ここのバスはバス停が混んでいると、遠くに停まったり、行き過ぎたりするから、走って飛び乗らないと去ってしまう。
北の方の学校へ行く時は楽だった。とにかく北へ行くバスに乗ればよい。学校の先生たちに聞いて、バスの番号を4つくらい教えてもらった。スマホのマップに目的地を入力して、近づいたら降りる。バッチリだ。でも帰りはそうはいかない。
とにかく学校の方向に近づいた。これ以上は近づかないな、降りようか。ここで降りれば30分はかかるまい。道は頭に入っている。いやもう一駅。すると立体交差をハイスピードで超え、人民公園。止まらない、止まらない。広い人民公園の端から端まで止まらない。やっと降りると、日中の日差しの中、どひゃーこれじゃあ歩いて40分。
エアポートバスがまた曲者だ。これに乗れば500チャット(35円)で空港の出発口に着く。地図にバス停のAの字が書いてある。でも先生に聞くと、このバス停のエアポートバスは空港からの下りで、ダウンタウン(南)へ行って20分くらいしてから戻ってきて空港(北)へ行くという。そのまま乗っていてもよいそうだ。
では、直接空港へ行くバス停は?地図には載っていない。説明を聞き、ミャンマー語でバス停名を書いてもらい、探したのだがよく分からない。何人かに聞いたが、要領を得ない。しゃーない。とにかく北へ行くバスに乗ろう。37番に乗ると、何と空港へ一直線。
ところがギューギューの混みようで、ミキサーの中のオレンジのように振り回される。途中で出口から逆行して、労働者の一群がただ乗りしてきた。限界までグイグイと入って来るじゃあありませんか。結局空港の近くで降りてタクシーに乗った。タクシー代の節約にはなった。
新しく週二回行く学校は、すぐ前がバス停だ。ここに行くバスも二度乗り間違えた。一度はバス停違いで、一度は反対方向へ。共に目的の番号が来ないので、適当な番号に乗ったらよけいに遠くなった。3度目の挑戦で行きは成功した。でも帰りは遠い。
40年前のバンコクには、素晴らしいバス地図があった。その当時のバンコクには、公共交通はバスしかなかった。運賃は安かった。エアコンバスと普通バス。色分けして番号が地図の道路に記載されていた。目的地に行く番号と出発地が合致すれば、どこにでも行けた。こんなのがあればなー。
*あった。あった。ありました。JICAさんが作ったヤンゴン、バス路線図。素晴らしい。拍手!でもプリントアウトすると、数字が潰れて読めない。学校のプリンターの性能のせいかと思って、街の印刷屋さんでプリントアウトしたが同じだった。A3にしても数字が読めない。これはJICAへ行ってもらうしかない。
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