イスラム社会のダルビッシュ
サマルカンドで、ウルグ・ベグの天文台の脇に建つ博物館を見学していた。ウルグ・ベグと学者・学生、チムールと彼の将軍、イブン・バテュータの肖像等を、ガイドのアリ君の説明を聞きながら見ていた。
そこに変わった画が一枚。若いのか老人なのか?長いコブのついた杖とお椀を持ち、おかしな帽子をかぶった男が荒野を歩いている。これは道化?それとも旅芸人か?はたまた魔法使いなのか?小男のガンダルフ?旅慣れた男なのは間違いない。
「アリ君、これは?」「あーそれは、ダルビッシュです。」「えっ、ダルビッシュ!」ダルビッシュは、イスラム社会(少なくともトルコ・ウズベグ系とイラン・ペルシャ系)の虚無僧、或いは遊行僧といった存在らしい。もちろんイスラムの中には、出家・在家の別はないのだが。彼は語り部なのかな。女性や子供たちが、その訪問を心待ちする存在なのかな?それとも気味の悪い異邦人なのか?
「ダルビッシュは日本の有名な野球選手で、アメリカのメジャーリーグ
に行って活躍しているんだ。」と説明しても、アリ君はベースボールもメジャーリーグも知らないからな。あいまいにうなずいていた。ダルビッシュ有は、ユウともアリとも読めるんだがな。
ダルビッシュってそんな意味があるんだ。イスラムの社会に、放浪僧のような人がいたんだ。長老や学者のような厳しい教育者だけではつまらない。ダルビッシュは、イスラームの神秘主義思想にあたるスーフィズムの修行者なんだって。13世紀になって、托鉢行や乞食行を行いながら、各地を放浪する修行者集団がイラン高原や各地に出現し始めたそうだ。
もっと詳しく、出来れば実体験を含めてダルビッシュのことを知りたいけれど、ムスリムの友達が近くにいないのが残念。読者の方、どなたか知りませんか?
メジャーリーグのダルビッシュは今年は16勝。ポストシーズンに入っても好調だ。まだ球も速いし、11種類ともいう変化球で三振の山を築くのは痛快だ。大谷もダルビッシュも、ハンサムで背が高くてガタイが良い。日本人男子のイメージupに貢献度大なのは、間違いない。
彼の名前の由来を知って、ますます好きになったよ。
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