ボートでカレイを
川釣りはよく知らない。ブラックバスを釣った事は無い。だけど海の魚なら数限りなく釣って喰ってきた。海釣りの良いところは、釣った獲物がそのまま食材になることだな。新鮮だからうまいんだな、これが。でも何事にも例外はある。真夏に釣れ過ぎたサバとソーダガツオは身がバサバサ。腕力のトレーニングのようだったエチオピア。エチオピアとはシマガツオの別名というか愛称なのだが。昭和の時代も相当古い頃に、エチオピア皇帝(王?)ハイレ・セラシエが来日した年にバカ釣れしたので、エチオピアと名付けられた。こういう命名は面白いね。
数100m道糸を下げ、指定の棚(海底近くだと思うが?)に達すればガツン、達すればガツンといくらでも釣れる。40cmくらいの肉厚扁平な魚だから重い。釣るのは実に楽しい。だがそれも最初の三匹までだ。乗り合いの釣り人は全員電動リールを使っている。掛ったらスイッチポン、後は自動でジージー。その中で一人必死にリールを巻いて巻いて、ヒーヒー言いながら釣った。確か15-6匹釣ってクーラーは満タンになった。
ところがこの日、船上で怪我をした。大型ナイフでエチオピアの腹を切り、はらわたとエラを取り外して海へ捨てる。ウミネコが空中からダイブして、それをすかさず食う。どうせ家でやるその作業を、船上で済ませておけばゴミ箱の中でくさくならないし、鳥の栄養にもなる。おまけにカミさんの小言も多少は減るし、またこれは乱暴な血抜きになるのかもしれない。
その作業中に注意力が散漫になって、左手の親指の関節部分のちょっと下を、2cmほどザックリと切ってしまったのだ。思いの他深い傷で、血がドクドク出てくるが、痛くはない。海水に漬けた手ぬぐいをきつく絞って指に巻いたが、血は止まらず手ぬぐいがみるみる赤くなる。こりゃどうしよう。かなりな怪我だね、こりゃ。でもここで自分が船頭に申告したら船は桟橋に戻ってしまう。そうなるとここにいる20数人の釣り人は、払った金の半分の釣果と楽しみになってしまうじゃない。自分はそこで釣りを止め、親指を更にきつく縛った。そのうちにやっと出血が止まった。結局医者にも行かなかったが、今でも大きな傷跡が残っている。やはり深傷だったんだな。
そんな苦労をして釣りあげたエチオピアだが、煮ても焼いてもくそまずい。とても食えたもんじゃあない。多分味噌漬けや粕漬けにすれば良いのかもしれないが、この大量の魚肉をそうするだけの味噌が惜しい。またそれではたしてうまくなるのか疑問だ。5cmのダボハゼでも頭を落として味噌汁の具とする自分としては、珍しく捨ててしまったよ。まあシマガツオにも種類があるらしい。彼の名誉のために一言。あちゃー、エチオピアの話、長かったなー。
ボート釣りの悪い点は、波風に弱いこと。自力で漕ぐので、大して沖へは行けないこと。途中でエサやコマセ、仕掛けが無くなっても追加出来ないこと。良い点は、釣り場も時間も自分で決められること。隣とお祭り(糸や仕掛けが隣や後ろの釣り人に絡むこと。)しないこと。値段が乗り合いに較べて安いこと。そして何より良いのは、海面との距離が近く(ほとんどすれすれ)魚の当たりが鮮明で、上げてくる途中も迫力があることだな。
アジ釣りでもボートで小さなコマセ袋を使い、針の小さなサビキを用いた釣りは、つける重りも小さくてダイレクトに当たりが来る。いきなりカカカっガツガツガツと来るとドキドキする。これがアジ乗り合いでは、当たりが竿の手元までは伝わらない。竿先がツンツンするくらいだ。上げてくる途中でも、うん、竿がしなっている、お祭りではないし、間違いなく掛っているな。そんな感じだ。まあサバ、アイナメ、タチウオといった大きな魚が掛れば、乗り合いで使う頑丈な竿でも引きは楽しめるけどね。サバやイナダのような青物は走り回るから、隣とお祭りする前にしゃにむにリールを巻いて上げなくちゃならない。引きを楽しむ余裕はない。
乗り合いでは、この場所いいじゃん、もうちょっと釣ろうよと思っても、船頭が「ハイ、上げて」と言ったら上げなくちゃならない。いつまでこの釣れない場所でやるの、も同じことだ。その点、ボートでは自分が船頭なんだから、ここらでいいか、いや公営プールの前もっと沖へとか、海苔シビの二段目と三段目の間もっと走水寄り、とか自由に選べる。しかし移動は手こぎで錨の上げ下げは労働だ。
季節によって何が釣れるのかは、だいたいの見当はつくが、たまにしか行かないので結局は出たとこ勝負になる。底物(キス、メゴチ、カレイ等)か胴付き(カサゴ、イシモチ、ウマヅラハギ等)かサビキ&コマセ(アジ、サバ、シコイワシ等)なのか。最初の一投は特に迷う。サビキの重りの代わりにテンビンをつけて、そこから仕掛けを伸ばして中層と底の両狙いにしたりする。その日の獲物が小さければ、ハリスと針を細くて小さいものにしたり、潮が濁っていたら太くするなど、頭の中であれこれ考え、手持ちの材料の中で工夫する。それがまた楽しい。
ボート釣りでは底が砂地だったり、岩礁だったりまた海草が生えていたりするので、釣れてくる魚種が様々になる。一日で20種近くを釣ったこともある。小魚がほとんどだったけど。また食べられないものが釣れてきたりもする。ヒトデ(いっちょ前に餌を飲みこむ。)、ハオコゼ、サメの子、小フグ、小さすぎるキスやカレイ。その日よく釣れる獲物がメインターゲットになるが、一番釣りたいのはカレイだな。
定番のアジは持ち帰って食べる時は大変結構だが、釣りの趣きからしたら今一つだ。重りを船上からぶん投げて、底に着いたらゆっくりと引いてくるキスの探り釣りや、キスよりも少々太いハリスと針にたっぷりの青イソメをつけて、舟の下に置き竿にするカレイ釣りの方が面白い。掛れば面白いが、釣れる確率はアジやイシモチなどよりもずっと落ちる。カレイは昔に比べてずいぶんと減った。昔はカレイ乗り合いがあったが、今はない。あの乗り合いで子っぱカレイを根こそぎ釣ったのが良くなかったんだろう。最近では滅多に掛らなくなった。一日釣ってアジが20匹なら、30cmのカレイが一匹のほうが俺は良い。
一度38cmのマコガレイをボートで釣ったことがある。水深の深い京浜大津だ。置き竿に掛っていたのだが、餌を飲みこんだままじっとしていたので、竿を巻き始めてから気がついた。竿が満月にしなった。根掛り?と思った瞬間にググーと強く引く。おお、魚だ。大きい!でも安心は出来ない。針に掛ったまま海底の根(岩礁の穴の中)に潜ったかもしれない。まず海底から引き離さなければ。ゆっくりゆっくりリールを巻くと、海底の獲物が横に走った。凄い力だ。ボートが獲物に引っ張られて動く。『老人と海』じゃああるまいに。錨で固定されているとはいえ、小さなボートはちょっとした力でフラフラ動くんだ。
こりゃあでかい。大物だとは分かるが、どんな魚か分からない。リールのドラグを調整してゆっくりと巻く。この魚は急にグーっと力をかける。すばしこくはないが、力が強い。このグーの頂点で心臓がバクバクする。大きめの針、多少太めのハリスだが基本的にキス用の繊細な仕掛けなんだ。グー、ブチっでハイお仕舞い。あれは何だったんだろうね、は何度も経験した。こういう緊迫したやり取りでは時を忘れる。5分?10分?10数分はかかったろうか。獲物が海底から離れてからがまた長かった。グーと引くのに耐えるのもしんどいが、急にフっと軽くなるのは心臓に悪い。
あっくそバレた。針をうまく外されたか、と思った。だがその直後にグっグっと圧がかかる。獲物が反転したか、海面に向かった瞬間軽くなるのだ。徐々にこの動きはカレイじゃないか、と思えてきた。そしてついに、水面下の魚体が見えた。黒っぽいひし形、やったカレイだ。こりゃーでかい。
ところがギッチョンチョン、ここからが難しいんだ。水面を見たカレイは必死の抵抗、その最後の反撃でブチっ、引き揚げる際に海中と空気中の比重の差でブチっ。捕虫網の先っぽのようなものを持っていれば海中で捕獲出来るので、取りこみの成功率は高くなる。だがあいにくその時は持っていなかった。頼むぜ、頼むぜよ、上がってくれよ。海中に姿を現し、右へ左へ突っ込んで暴れるカレイを、腕を海中に入れ抱えるようにして、ボートの上に持ち上げた。ドサっと落ちた瞬間に、針がブチっと切れた。危なかったー。これが38cmのマコガレイだった。
クーラーボックスの中でも暴れて内側からクーラーを倒すほどだった。いっそナイフを入れて一気に締めれば良かった。だけどこれを釣りあげたら、5分ほど虚脱状態になっちゃった。家に持ち帰って煮魚にしたが、立派な卵を腹にパンパンに抱えていた。大きくて鍋に入りきらず、半分に切った。生姜を入れてシンプルに煮たが、これは絶品だった。あんなにうまい煮魚は食ったことがない。白身の魚肉は箸でホロっと骨から離れる。後に28cmほどのヒラメを釣ったが、あのマコガレイにはてんで敵わない。今これを書いていて、あのカレイに済まなかった、という思いがわいてきた。さぞ卵を生みたかったろうに。
カレイは冬の魚だが、春先に突然何日かパカパカと釣れたりする。しかし会社員は今釣れているからといって、急には休めない。次の週にいそいそと行ってみると、残念2-3日前まではよく釣れていたのにね、ってことになる。ああ何んだかまた釣りに行きたくなってきた。殺生堪忍。
川釣りはよく知らない。ブラックバスを釣った事は無い。だけど海の魚なら数限りなく釣って喰ってきた。海釣りの良いところは、釣った獲物がそのまま食材になることだな。新鮮だからうまいんだな、これが。でも何事にも例外はある。真夏に釣れ過ぎたサバとソーダガツオは身がバサバサ。腕力のトレーニングのようだったエチオピア。エチオピアとはシマガツオの別名というか愛称なのだが。昭和の時代も相当古い頃に、エチオピア皇帝(王?)ハイレ・セラシエが来日した年にバカ釣れしたので、エチオピアと名付けられた。こういう命名は面白いね。
数100m道糸を下げ、指定の棚(海底近くだと思うが?)に達すればガツン、達すればガツンといくらでも釣れる。40cmくらいの肉厚扁平な魚だから重い。釣るのは実に楽しい。だがそれも最初の三匹までだ。乗り合いの釣り人は全員電動リールを使っている。掛ったらスイッチポン、後は自動でジージー。その中で一人必死にリールを巻いて巻いて、ヒーヒー言いながら釣った。確か15-6匹釣ってクーラーは満タンになった。
ところがこの日、船上で怪我をした。大型ナイフでエチオピアの腹を切り、はらわたとエラを取り外して海へ捨てる。ウミネコが空中からダイブして、それをすかさず食う。どうせ家でやるその作業を、船上で済ませておけばゴミ箱の中でくさくならないし、鳥の栄養にもなる。おまけにカミさんの小言も多少は減るし、またこれは乱暴な血抜きになるのかもしれない。
その作業中に注意力が散漫になって、左手の親指の関節部分のちょっと下を、2cmほどザックリと切ってしまったのだ。思いの他深い傷で、血がドクドク出てくるが、痛くはない。海水に漬けた手ぬぐいをきつく絞って指に巻いたが、血は止まらず手ぬぐいがみるみる赤くなる。こりゃどうしよう。かなりな怪我だね、こりゃ。でもここで自分が船頭に申告したら船は桟橋に戻ってしまう。そうなるとここにいる20数人の釣り人は、払った金の半分の釣果と楽しみになってしまうじゃない。自分はそこで釣りを止め、親指を更にきつく縛った。そのうちにやっと出血が止まった。結局医者にも行かなかったが、今でも大きな傷跡が残っている。やはり深傷だったんだな。
そんな苦労をして釣りあげたエチオピアだが、煮ても焼いてもくそまずい。とても食えたもんじゃあない。多分味噌漬けや粕漬けにすれば良いのかもしれないが、この大量の魚肉をそうするだけの味噌が惜しい。またそれではたしてうまくなるのか疑問だ。5cmのダボハゼでも頭を落として味噌汁の具とする自分としては、珍しく捨ててしまったよ。まあシマガツオにも種類があるらしい。彼の名誉のために一言。あちゃー、エチオピアの話、長かったなー。
ボート釣りの悪い点は、波風に弱いこと。自力で漕ぐので、大して沖へは行けないこと。途中でエサやコマセ、仕掛けが無くなっても追加出来ないこと。良い点は、釣り場も時間も自分で決められること。隣とお祭り(糸や仕掛けが隣や後ろの釣り人に絡むこと。)しないこと。値段が乗り合いに較べて安いこと。そして何より良いのは、海面との距離が近く(ほとんどすれすれ)魚の当たりが鮮明で、上げてくる途中も迫力があることだな。
アジ釣りでもボートで小さなコマセ袋を使い、針の小さなサビキを用いた釣りは、つける重りも小さくてダイレクトに当たりが来る。いきなりカカカっガツガツガツと来るとドキドキする。これがアジ乗り合いでは、当たりが竿の手元までは伝わらない。竿先がツンツンするくらいだ。上げてくる途中でも、うん、竿がしなっている、お祭りではないし、間違いなく掛っているな。そんな感じだ。まあサバ、アイナメ、タチウオといった大きな魚が掛れば、乗り合いで使う頑丈な竿でも引きは楽しめるけどね。サバやイナダのような青物は走り回るから、隣とお祭りする前にしゃにむにリールを巻いて上げなくちゃならない。引きを楽しむ余裕はない。
乗り合いでは、この場所いいじゃん、もうちょっと釣ろうよと思っても、船頭が「ハイ、上げて」と言ったら上げなくちゃならない。いつまでこの釣れない場所でやるの、も同じことだ。その点、ボートでは自分が船頭なんだから、ここらでいいか、いや公営プールの前もっと沖へとか、海苔シビの二段目と三段目の間もっと走水寄り、とか自由に選べる。しかし移動は手こぎで錨の上げ下げは労働だ。
季節によって何が釣れるのかは、だいたいの見当はつくが、たまにしか行かないので結局は出たとこ勝負になる。底物(キス、メゴチ、カレイ等)か胴付き(カサゴ、イシモチ、ウマヅラハギ等)かサビキ&コマセ(アジ、サバ、シコイワシ等)なのか。最初の一投は特に迷う。サビキの重りの代わりにテンビンをつけて、そこから仕掛けを伸ばして中層と底の両狙いにしたりする。その日の獲物が小さければ、ハリスと針を細くて小さいものにしたり、潮が濁っていたら太くするなど、頭の中であれこれ考え、手持ちの材料の中で工夫する。それがまた楽しい。
ボート釣りでは底が砂地だったり、岩礁だったりまた海草が生えていたりするので、釣れてくる魚種が様々になる。一日で20種近くを釣ったこともある。小魚がほとんどだったけど。また食べられないものが釣れてきたりもする。ヒトデ(いっちょ前に餌を飲みこむ。)、ハオコゼ、サメの子、小フグ、小さすぎるキスやカレイ。その日よく釣れる獲物がメインターゲットになるが、一番釣りたいのはカレイだな。
定番のアジは持ち帰って食べる時は大変結構だが、釣りの趣きからしたら今一つだ。重りを船上からぶん投げて、底に着いたらゆっくりと引いてくるキスの探り釣りや、キスよりも少々太いハリスと針にたっぷりの青イソメをつけて、舟の下に置き竿にするカレイ釣りの方が面白い。掛れば面白いが、釣れる確率はアジやイシモチなどよりもずっと落ちる。カレイは昔に比べてずいぶんと減った。昔はカレイ乗り合いがあったが、今はない。あの乗り合いで子っぱカレイを根こそぎ釣ったのが良くなかったんだろう。最近では滅多に掛らなくなった。一日釣ってアジが20匹なら、30cmのカレイが一匹のほうが俺は良い。
一度38cmのマコガレイをボートで釣ったことがある。水深の深い京浜大津だ。置き竿に掛っていたのだが、餌を飲みこんだままじっとしていたので、竿を巻き始めてから気がついた。竿が満月にしなった。根掛り?と思った瞬間にググーと強く引く。おお、魚だ。大きい!でも安心は出来ない。針に掛ったまま海底の根(岩礁の穴の中)に潜ったかもしれない。まず海底から引き離さなければ。ゆっくりゆっくりリールを巻くと、海底の獲物が横に走った。凄い力だ。ボートが獲物に引っ張られて動く。『老人と海』じゃああるまいに。錨で固定されているとはいえ、小さなボートはちょっとした力でフラフラ動くんだ。
こりゃあでかい。大物だとは分かるが、どんな魚か分からない。リールのドラグを調整してゆっくりと巻く。この魚は急にグーっと力をかける。すばしこくはないが、力が強い。このグーの頂点で心臓がバクバクする。大きめの針、多少太めのハリスだが基本的にキス用の繊細な仕掛けなんだ。グー、ブチっでハイお仕舞い。あれは何だったんだろうね、は何度も経験した。こういう緊迫したやり取りでは時を忘れる。5分?10分?10数分はかかったろうか。獲物が海底から離れてからがまた長かった。グーと引くのに耐えるのもしんどいが、急にフっと軽くなるのは心臓に悪い。
あっくそバレた。針をうまく外されたか、と思った。だがその直後にグっグっと圧がかかる。獲物が反転したか、海面に向かった瞬間軽くなるのだ。徐々にこの動きはカレイじゃないか、と思えてきた。そしてついに、水面下の魚体が見えた。黒っぽいひし形、やったカレイだ。こりゃーでかい。
ところがギッチョンチョン、ここからが難しいんだ。水面を見たカレイは必死の抵抗、その最後の反撃でブチっ、引き揚げる際に海中と空気中の比重の差でブチっ。捕虫網の先っぽのようなものを持っていれば海中で捕獲出来るので、取りこみの成功率は高くなる。だがあいにくその時は持っていなかった。頼むぜ、頼むぜよ、上がってくれよ。海中に姿を現し、右へ左へ突っ込んで暴れるカレイを、腕を海中に入れ抱えるようにして、ボートの上に持ち上げた。ドサっと落ちた瞬間に、針がブチっと切れた。危なかったー。これが38cmのマコガレイだった。
クーラーボックスの中でも暴れて内側からクーラーを倒すほどだった。いっそナイフを入れて一気に締めれば良かった。だけどこれを釣りあげたら、5分ほど虚脱状態になっちゃった。家に持ち帰って煮魚にしたが、立派な卵を腹にパンパンに抱えていた。大きくて鍋に入りきらず、半分に切った。生姜を入れてシンプルに煮たが、これは絶品だった。あんなにうまい煮魚は食ったことがない。白身の魚肉は箸でホロっと骨から離れる。後に28cmほどのヒラメを釣ったが、あのマコガレイにはてんで敵わない。今これを書いていて、あのカレイに済まなかった、という思いがわいてきた。さぞ卵を生みたかったろうに。
カレイは冬の魚だが、春先に突然何日かパカパカと釣れたりする。しかし会社員は今釣れているからといって、急には休めない。次の週にいそいそと行ってみると、残念2-3日前まではよく釣れていたのにね、ってことになる。ああ何んだかまた釣りに行きたくなってきた。殺生堪忍。
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