
韓国のビックリ「済州島の海女」
地方に住む人々の生活ぶりをよく取り上げるKBSのドキュメンタリー番組
『人間劇場』を見ていたら、済州島の海女(ヘニョ)がたくさん出てきた。
みんな、とても元気が良かった
屋台骨を支える仕事
私(康熙奉〔カン・ヒボン〕)の母は、1918年に済州島の西帰浦(ソギポ)で
生まれたのだが、10代のときに海女をしていた。
当時のことをこう話してくれたことがあった。
「海に出るときは、かんぴょうの中をくり抜いて乾かしたものを浮輪に使うの。
潜っている間に浮輪が波間を漂ってしまうけど、水から上がると浮輪をたぐり寄せ、
それにつかまってしばらく休む。
海に浮かんでいるときは、ホント、気持ちがよかったよ。
そして、何度か潜ったあとに海辺に上がり、焚き火に当たってからだを乾かす。
落ちついたら、また海に入っていく。
これを何度か繰り返すけど、潮が満ちてきたら終わり。
その日に獲ったサザエやアワビを近くの加工工場に売りに行くのね。
重さを量ってもらうと、その場で現金をくれる。これがうれしかった」
その日の現金を受け取れる海女という仕事は、
済州島の中で数少ない「稼げる仕事」だったようだ。
命の危険をともなう仕事でもあるのだが……。
母が海女をしていたのは1930年代だが、
現在でも西帰浦では海女をしている人たちがいる。
港の突端に行くと「海女の家」があって、
採れたばかりのサザエやアワビを食べさせてくれる

も多くの人たちを誘って出掛けたが、韓国の本土から来た人たちは
海女たちの会話を聞いても「まったく理解できない」とお手上げだった。
それほど方言が強いのである。
しかし、賑やかに笑いあっている海女たちを見ていると、
言葉はわからなくても、たくましさが伝わってくる。
「夫に代わって私が家の屋台骨を支えている」
そんな気骨を感じる。実際、海女の仕事で子供たちを何人も留学させた、
という話を何度も聞いた。済州島では海女の存在がキラリと光っている。
80年前と変わらない
海女をよく見かけるのが、西帰浦の有名な滝の周辺だ。
黒い潜水服に身を包んだ海女たちが観光客用にアワビやサザエの刺身をよく売っている。
そのときは、いつも大型のアワビを勧めてくる。
値段を聞いてみると、5万ウォン(約5千円)だという。
私は苦笑いを浮かべながら、
「5万ウォン? 小食だから2万ウォンのでいい」と言っておく。
相手はちょっとあきれた表情でたらいの中から小さいアワビを取り出し、
まないたの上で手際よくさばくと、白い皿に盛って手渡してくれる。

焼酎を飲みながらアワビの刺身を食べる。
固くてコリコリしていて容易に噛み切れないが、
口の中に潮の香りが満ちて、舌に独特なヒンヤリ感が漂う。
うまく噛み切ると、コロッと身が裂けていき、
あっさりした味わいが舌に残る。この食感の良さがアワビ人気の秘訣なのか。
アワビだけでなく、タコ、サザエ、ホヤなども美味しい。
海女が採ってきたばかり……と思うと、さらに味わいが深くなる。
母が海女をしていた頃から80年以上も過ぎたが、
済州島の海女は今も元気に海に潜っている。

済州島に旅行に行ってから、9年以上も経つ・・・・
ついこの間のように感じるけど、
最近、月日が経つのが早い・・・(笑)
写真は、そのときに行った海女博物館のフォトです。
戦後、大阪付近に出稼ぎに行った海女も多く・・・
それで、大阪にコリアタウンがあるようです。
済州島は海もきれいでした。
