国立大学の2次試験の前期課程が2月25日に実施された。神戸大も多くの受験生であふれ、緊張した面持ちで試験に臨んだ。センター試験下での実施は今年度で最後。新型コロナウイルス肺炎の流行のさなかの受験で、マスク姿が目だった。神戸大は追試験は実施しない。<玉井晃平、森岡聖陽>
試験会場となる六甲台キャンパスの正門をくぐる大勢の受験生(2020年2月25日8時すぎ、灘区六甲台町の六甲台第2キャンパスで)
神戸大は全10学部の定員1913人に対し5569人が出願。全体での志望倍率は2.9倍で、昨年から0.2ポイント下落した。志願倍率が一番高かったのは工学部の電気電子工学科で4.3倍、一番低かったのは理学部の化学科で1.8倍だった。
今年度は1990年から続いたセンター試験の最後の実施になる。来年度からは新たに「大学共通テスト」が導入され、入試対策が大きく変わるため、受験者は安全策をとるかどうかで判断を迫られた。
昨年12月に中国の湖北省武漢市で発生が確認された新型コロナウイルス肺炎が国内でも流行しはじめていることから、マスク姿で受験する学生の姿が多くみられた。
神戸大入試課によると、大学は対策として各学部ごとにアルコール消毒液を配置した。追試験は実施しない。
理学部を受験した和歌山県の男子高校生(18)は「今年は英語の形式が変わっていて難しかった。(来年度からセンター試験が廃止されるが)記述式の出題がなくなったと聞いているので特に意識はしていない。神戸大に絶対入りたいので覚悟はできている」と話した。
新型コロナウイルス肺炎の流行に対しては、「外出するときはマスクを欠かさず、帰宅したときは毎日手洗い・うがいをしている」と日頃の対策に注意しているという。
「(過去の問題と比べて)今年の試験は難しかった。英語に形式変更があった」というのは、理学部を受験した兵庫県の高校3年生男子。来年度からの試験制度変更については、「あまり意識していない。私立に受かっているので浪人するつもりはないので」と冷静な回答。新型コロナウイルス対策については、「特別なことはしていない。普段通り手洗いとうがいを徹底している」と答えた。
試験前の注意事項に耳を傾ける受験生ら。緊張感が漂う(2020年2月25日9時まえ、灘区六甲台町の六甲台第2キャンパスで)
最初の外国語の試験開始。(2020年2月25日9時、六甲台第2キャンパスで)
マスク姿で試験に取り組む受験生(2020年2月25日9時頃、六甲台第2キャンパスで)
新型コロナウイルス肺炎対策のため、各会場にアルコール消毒液が設置された(2020年2月25日17時20分、六甲台第2キャンパスで)
試験終了でほっとした表情にもマスクが(2020年2月25日16時30分ごろ、六甲台正門で)
了