コブリのひげをひっぱりながら…

ある日 上肢局所性ジストニア と診断され
 とうとう愚痴り相手の猫もいなくなった
  元小動物臨床獣医師の独り言

エア・ドッグ!

2013年06月03日 | 来し方 行く末
週100時間 働かされていた頃は

時は バブル 真っ盛り!

ヤクザも右翼も 景気良かった

ワタシ個人に恩恵は 全くなかったけど

彼らの話は ケタ違いにバカバカしいほどデカかった

実際 横綱・大関 の 合計7人が

一枚の紙に手形を押してあるという

大変貴重なモノを見せて頂いたこともあった

さて

その後 この地で独立して驚いた!

バブルがはじけた所為か?



「コチラでは猫は診て貰えるんですか?」

「雑種なんですけど診て貰えるんですか?」

「昨日から呼吸が苦しそうなんですがキレイにシャンプーしたので診て下さい」




動物病院なら 少なくとも犬と猫は診るだろうに…

    (当時は その他も診ていた

        実際 手塚某氏がコウモリを連れてきてビックリした)

犬猫なら 雑種も純血種も関係ないだろうに…

    もちろん純血種に出やすい病気もあるが 

呼吸が苦しいほどの動物を なぜシャンプーなんかするんだ…
    
    実際 動物は まだ濡れていて冷たくなっていた



ソレハ…

その理由は…

近所の「愛犬」病院のセンセーが そういうことを仰っていたからだった…





犬しか診ないんだから 猫を連れていけば診ない!

思わず 「なんだ雑種か…」と漏らす

同じように 「きたねぇ犬だな」と言ってしまう





この地で獣医療で喰ってきた大先輩が そー言うんだから

そぉりゃ ポッと出の 若造がナニ言うか 分かったもんじゃねぇ~

それは 当たり前の反応だったのだ…

コッチは 事情がわからんから 驚いたオドロイタ!





文京区で働いていたときは 肉体的にはしんどかったが

こんな事を聞かれたことは 一度もない…

なんと スゴイ土地で独立してしまったんだ…

後悔はしなかったが 愕然とはした…





そんな状況だから 非道いことも言われた

初めて来るなり 開口一番

「オレぁ 獣医の言うことなんか 信じてねーんだ」

と…

「オメー達に 何頭 犬を殺されたか…」

と…

   ワタシは まだアナタの犬を触ってもいません

   もちろん 殺してません

でも イキナリ そう言われた…

この方は 最後まで コレが口癖だった

今も 自動扉が閉まりかけている中で

「オレぁ 信じてねーんだ」

と言った後ろ姿が目に浮かぶ…

   だったら 来るなよ!






後悔も愕然も へったくれもない!

コチラは 大借金があるから 後戻りできない!

「10年頑張れば 

   10年同じ事を言い続ければ

      この地も変わるだろう この地を変えよう」



そー自分に言い聞かせて やってきた

10年 10年 と 言い続けて 20年経った…




そんな 昨日






「あー 犬なんだけど

   蚊に刺されて

      虫が湧く病気の

          薬をくれ 体重10キロだ」


と 手ぶらで来た方…

もちろん 初診!





あら~ 「エアー・ドッグ」 ちゃんですね~

どうぞ 診察台に載せて下さい~

って

言ってやりたかったなぁ~




あ…

表に停めてある自転車を見て気が付いた

この人 あの人

そーか…

そーいう方か…


















コメント
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