採用して頂いたのは 科学警察研究所 であります 略して 科警研
国の研究所なので 職員は国家公務員…
各都道府県にあるのは
県警本部 道警本部 警視庁だけ歴史的理由から都警本部 とは言わない
そして そこに それぞれあるのが 沢口靖子さんの職場である
科学捜査研究所 略して 科捜研
コチラは地方公務員であると同時に まさしく「鑑識の現場」 であります
警察庁 は 国家公務員 所謂キャリアの集団であります
国の警察機構図の
当時も 今も 端っこに チョイっと載っております
右も左も制服ですが 真ん中だけ 制服はありません
組織構成が 当時と若干変わっていますが
ワタシの肩書きと配属先は
今の生物第一 と 生物第二 の 両方を受け持つ研究室でした
この 法医第一研究室の室長が
東京大学の同期 教授のマブダチだったんですね～
それで 「国家試験合格」＝「採用試験合格」
と なるようにご尽力頂き 入庁させて頂いたわけです
研究職では 普通のことで
逆に 科警研から●●大学へ転職することも普通でした
で…
スゴイ勤め先を与えて下さったのは感謝に堪えません が
この室長と 本当に合わなかった…
一年は我慢しました が
教授に辞職の相談をしたら
「来年 室長から部長へ昇進の見込みなんだ。
今 オマエが辞めたら人事査定に響くだろ？
オレの教授選とおんなじだから 待ってやってくれ」
「待て」と言われたらどうだったか…
「待ってやってくれ」 そう言われれば 一年待ちます
当時の科警研は 千代田区三番町６
皇居の紅葉を見た後に 散歩してきました
１年後 室長は無事に部長に昇進されました
ので ご本人に辞職を願い出ました
この時は 本当に 部長室のクリスタルの灰皿で 殴られるかと思った…
さすがに 灰皿は 飛んできませんでしたが
「さあ辞めろ 今すぐ辞めろ 今日辞めろ！」
辞表を出そうと思ったら 事務官から別室に呼び出され
「キミが勝手に書いてきたソレなんかダメなんだよ
コレ見て この通り書け」 と…
デコラの机に 極細ボールペンを渡され
書けと言われた紙は 裏が白い 新聞の折り込み広告でした
コチラにも 仕事が苦しくなった理由がありました
ひとつは 警察庁広域重要指定117号事件 いわゆる宮崎事件
毎日 毛髪と骨 が 目の前にある生活は 想定しましたが
子供が被害者になることは 考えていませんでした
今でも ワタシの中では未消化のまま ですが
犯人には死刑判決が決まり
コイツ が法相だった時に執行されて
闇は闇のままにされてしまった…
もう一つ 子供の頭蓋骨…
「使えそうなのを選んどけ」と渡された１００枚以上の写真
コロシ では「捜査本部」が立ち上がり 現場からいろいろな鑑定物件が 持ち込まれ
骨が 本当に被害者なのかを鑑定する作業で使う写真を選べ ということ
父親が蒸発 その後 母親は内縁の夫と生活するも 今度は母親が蒸発
挙げ句の果てに 殺され 埋められたもの
１枚目の写真
未熟児だったのでしょうか 保育器の中の姿から始まり
最後は 殺される前の頃と思われる写真…
６才だったかなぁ 男の子の短い人生が写った写真…
コレ わけのわからん 親分にくっついているより キツかったです
また
時は 現場から採取される鑑定物件が
「形態」 から 「ＤＮＡ」 へ 移りゆく真っ最中…
慶応大学医学部の分子生物学教室へ行けと
行くからには 向こう様も 来い と…
電子顕微鏡で「形態」を追っていた者ですから 勝手が違う
でも 行け 来い で 行きます
そのうちに 行かずにウチでやれ と… 道具もナニもナイのに…
行かないと なぜ来ない キミにも研究費使っているから 経過で良いから結果を見せろ
コレ 山口大学 獣医解剖学研究室でも 当たり前の 不文律
また 時代の最先端をいく 分子生物学ですから
研究者として玉石 玉だらけ スゲー「学生」 がいるわけです
ワタシなんか足下にも及ばない 多次元関数の因数分解が見えちゃうヤツがいるわけです
オマエ その一握りに入れるか？
「入れない」 ことを 実感しましたね
石は どこをどう頑張っても 石のまま…
辞めてどうする？
教授の奥様は 大学へ戻っておいで と言って下さいましたが
マブダチんとこをけんか別れで辞めて ノコノコと帰れないです
まして その能力が ワタシにないことを自覚しちゃいましたから
もとへ戻ろう・・・
犬猫 小動物臨床 そのために取ったライセンスだし
それくらいしかないもんね…
本日のＢＧＭ 思ひで
