春を感じる3月、友人と国立西洋美術館で開催されている「プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光」 を鑑賞しました。
「プラド美術館」展はこれまでも何回か開催されていますが、今回は日本スペイン外交関係樹立150周年記念と銘打っています。
特筆すべきはスペインが誇る画家ディエゴ・ベラスケスの作品が7点も展示されています。これまで日本で開催された展覧会に展示された作品として最多だそうです。ベラスケスはとにかく抜群に絵の技術の長けた画家で、描かれた人の魅力が感じられる作品でした。また17世紀はスペインに素晴らしい画家が次々と現れたのですが、その作品も鑑賞できました。更にイタリアやフランドルの美術作品も展示され、中でもベルギーの画家でヨーロッパをまたにかけて活躍したルーベンスの作品が良かったです。
それらの輝かしい作品群をコレクションしたのは17世紀スペインハプスブルグ朝フェリペ4世(1599~1660年)です。フェリペ4世はマドリードのアルカサル(王宮)に加えて、ブエン・レティーロ離宮とトーレ・デ・ラ・パラーダ(狩猟休憩塔)という二つの宮殿を造営。それぞれにコレクション絵画を飾っていたそうです。
ディエゴ・ベラスケス《狩猟服姿のフェリペ4世》1632~34年
トーレ・デ・ラ・パラーダ(狩猟休憩塔)に飾られた肖像画。ハプスブルグ一族の王様の肖像画を見ると独特な顎の特徴が見られますが。フェリペ4世もその特徴が強く表れてます。公式な肖像画では豪華な衣装を着ますが、私的な場所に飾る肖像画なので動きやすい服装で、犬を従えてさりげなくこちらを向いて、しかも高貴な雰囲気も湛えているのがフェリペ4世の美意識だと思いました。その意向をベラスケスは見事に表現してます。ほぼ同時代のフランスのルイ14世のやたら豪華な衣装で殊更に権威を示す肖像画との違いを感じました。
ハプスブルグ家といえばヨーロッパの中でドイツ・オーストリアを中心にした地域とスペインを中心とした地域と別れて統治した圧倒的な権力を持った王家。きっと最初の王は逞しく政治手腕を持った人物なのだろうけど、何代か経たフェリペ4世は色白でひょろっとした様子。政治に関心を持たず臣下に任せきりにしてたそうです。王様としての政治力の評判は芳しくないのですが、美術をとても愛し審美眼の優れた人物だったそうです。ベラスケスを見出し重用しましたからね。同時代にもきらめく才能の画家が多数見出しその作品も買い上げられ、フランドルやイタリアからも買い集め、どれも名品揃い。作品数は3000点余りだそうです。スペイン美術の黄金期を支えた最大のパトロン。その作品が世界屈指を誇るプラド美術館のコレクションの中心となっているそうです。
ディエゴ・ベラスケス《王太子バルタサール・カルロス騎馬像》1635年頃
バルタサール・カルロスはフェリペ4世の最初の王妃イザベル・デ・ボルボンとの間に生まれた王太子。才色兼備と謳われた妃のお子さんだけあって利発そうなお顔です。作品の横に書かれていた説明では、部屋の高いところに飾る為、馬の胴体を太くして見上げた時に丁度良い大きさに見せるようにしているそうです。見ているとバルタサール・カルロス王太子も馬の大きさと比べると実際より大きく描かれているように見えます。王太子のサッシュと馬の長いたてがみの風になびく向きも逆です。更にいえば小さい子がこんな風に馬に乗ることはできないと思いますが、見ていて不自然でないのです。かわいい子供らしいお顔でありながら王太子の威厳も兼ね備え、颯爽と馬を乗りこなす素晴らしい肖像画。背景はマドリード風景を描いているそうで、まだジャンルとして独立してなかった風景画の始まりとしても重要な作品なのだそうです。
王太子には従妹(父王の妹の娘)の婚約者がいましたが、王太子はわずか16歳で急逝します。跡継ぎを失ったフェリペ4世は世継ぎを作る必要に迫られ、なんと息子の婚約者(王にとっては姪にあたる)と再婚します。第2の王妃はマリアナ・デ・アウストリア。二人の間にできた新王太子カルロス2世の少年時代の肖像画(ファン・カレーニョ・デ・ミランダ画)も展示されてました。ベラスケスの傑作「ラス・メニーナス」はやはり二人の間に生まれた王女マルガリータ・テレサを中心とした群像画です。
ディエゴ・ベラスケス《バリューカスの少年》1635~1645年
宮廷では小人症の召使がいて、王子や王女の遊び相手になったり、道化師になったりしていたそうです。政務を行う人もいたそうです。
これまで描かれた小人症の人物は小柄を強調するためか上から見下ろすように描かれてました。展覧会では他の画家の作品で王女の脇に小人症の女召使が侍る肖像画がありましたが、王女の引き立て役として描かれ、さらに王女は召使の頭に手を置いて支配関係を表現していました。
このベラスケスのバリューカスの少年はほぼ同じ目の高さ、むしろ見上げるように描いていて、ほんのり笑顔です。独りの人間としての尊厳が感じられる。ベラスケスは筆あとがわかるようなこの時代にしては荒い筆致ですがとても正確に少年を描いていて専門家が見ると少年の症状がわかるのだそうです。
ディエゴ・ベラスケス《東方三博士の礼拝》1619年
ベラスケスが20歳の頃の作品。手前でキリストに傅いている若い博士はベラスケス本人、マリアはベラスケスの奥様、赤ちゃんのキリストはお二人の間に生まれた娘さんだと言われています。さらに傅いているベラスケスの後ろにいる髭を生やした老紳士はベラスケスの絵の師匠で奥様の実父であるフランシスコ・パチェーコなのだそうです。聖書の一場面を描写しつつもこの作品は家族の肖像でもあります。正確で緻密な画力に圧倒されます。キリストのきっちり布で巻かれた姿は当時の赤ちゃんの姿をそのまま描写したのでしょう。モデルが女の子、それも画家の娘なのでとてもかわいらしく描かれてます。
その後推薦を受けフェリペ4世の肖像画を描き、気に入られ宮廷画家になったそうです。当時、画家は職人の仕事として考えられてました。もちろん確実に仕事を仕上げる職人のプロフェッショナルな仕事は素晴らしいです。ベラスケスはさらにフェリペ4世に重用されていくことで、美を創造する芸術家として社会的地位の認識も上がったそうです。
ベラスケスの才能と堅実さを愛したフェリペ4世は画家としてだけでなく宮廷の祝祭のプロデュース、そして宮廷の要職もベラスケスに託し、かなり忙しくなったようで、その後、先に上げた「狩猟服姿のフェリペ4世像」や「王太子バルタザール・カルロス騎馬像」のように筆あとがわかる位の大胆な描き方になります。描く時間も短縮されたのでは。でも、作品の質は全く衰えない。それどころか筆さばきが冴えて時代の先をいく表現をしています。形を捉えるのが正確でさらに絵具の表現や効果を知り尽くして、近づいてみると顔立ち以外は大まかに描いているように見えるのに少し離れると繊細な布地の質感や透けたレースの肌触り、ふわりと輝く髪の毛が見えてくるのです。そして描かれた人物は表面だけ似せたお人形さんではなくて、体温を感じ人間性も感じることができる。本当にベラスケスはスーパーテクニックの画家。その技術も若いころ正確で緻密に描き切る技術を持っていたからというのがとてもよくわかり、この初期の作品を見れてとても感激しました。
ベラスケスと同時代に活躍した画家の作品も展示されてます
フランシスコ・デ・スルバラン《磔刑のキリストと画家》1650年
静謐でシンプルな絵の中に、聖なる存在を具現化していく画家の敬虔な気持ちと、自負心も感じます。
ジュゼペ・デ・リベーラ《聖ペテロの開放》1639年
しわを刻んだ老人の顔立ちがリアルで暗闇から浮き上がって見えます。まさに天使によって救い出される劇的な瞬間を描いた作品。カラバッジョの影響も感じられます。
バルトロメ・エステバン・ムリーリョ《小鳥のいる聖家族》1650年
幼児のキリストが小鳥を握ってます。小っちゃい子って時々ためらいなく絵のように生き物をむんずとつかんでしまうのですが、小鳥ちょっとつらそう(^^;)。ムリーリョの30代前半の作品。ベラスケスの初期の作品同様に緻密に描いてますが、人物の表情がやわらかく端正です。ムリーリョの描く子供はかわいらしい。天使も厳しい環境で逞しく生きている子も、描く画家の愛情のあるまなざしを感じます。そしてムリーリョのお子さんの殆どを伝染病で亡くした悲劇を想うと可愛い子供の姿に切なさも感じます。
当時カトリックは対抗宗教政策でキリスト以外の聖者も信仰の対象とし、聖家族の絵も盛んに画家に注文したそうです。その中でそれまでは老人として描かれていた聖母マリアの夫ヨゼフは中年の男性として描かれるようになったそうです。こちらの作品のヨゼフもそうですね。このヨゼフなのですが、先日まで熱心に見ていたドラマ「三国志 three kingdoms」の後半に出てきた司馬懿の息子司馬昭とよく似ていて、懐かしく感じました。
そしてフェリペ4世が収集した他国の絵画
ティツィアーノ・ヴェチェリオ《音楽にくつろぐヴィーナス》1550年
当時スペインはヌードを描くのは不道徳とされてましたが、王宮や貴族の邸宅には裸体画ばかりを集めた秘密の部屋が作られ、特定の人々はそれらを享受することが許されていたそうです。フェリペ4世はブエン・レティーロ宮にヌードの絵画を集めて飾った一室があって、この少し前のヴェネチアルネッサンスの巨匠ティツィアーノの絵画も飾られたそうです。ヴェネチアでもヌードを描く時はギリシャ神話のタイトルにしてますが、どう見ても当時のヴェネチアの服装、楽器、景色です。ベッドに座ってなぜかオルガンを弾いている男の人は、かなり体をよじらせてヴィーナスの体を見てます。ヴィーナスは忠実さを象徴する犬と一緒にいるので、もとは貴族の令嬢のお輿入れ時の支度品の一部だったのではないかと言われているそうです。
ペーテル・パウル・ルーベンス、ヤーコブ・ヨルダーンス《アンドロメダを救うペルセウス》1639~41年
ルーベンスはベルギーの大画家であり外交官でスペインにも何度か訪れたそうです。この作品は最晩年の作品で、完成を目前にしてルーベンスが亡くなったので弟子のヤーコブ・ヨルダーンスが仕上げたそうです。水色の背景から浮かぶペルセウスの赤いマントや天使が纏う金色の布の鮮やかさやアンドロメダの輝くような裸体が美しいです。
ルーベンスの描く女性はぽっちゃりとして可愛らしい顔立ち、そして肌は透けるように白くて、ところどころピンク色がかかったりほんのり青みがあったりして微妙に肌色の変化があり美しい。ルノワールが描く女性ヌードと通じるものがあり、ルノワールがルーベンスの女性像から影響を受けたと言うのがよくわかります。
ペーテル・パウル・ルーベンス《聖アンナのいる聖家族》1630年
同じくルーベンスの作品。聖アンナも聖母マリアもヨゼフもみんなして赤ちゃんのキリストを愛情をこめて見つめています。そして聖アンナは娘と孫を包むように手をひろげています。マリアとキリストの肌が輝くように美しく、マリアの鮮やかな赤い服と青のストールの色も画面に美しく映えてます。一緒に見に行った友人がこの作品が素敵だと言ってました。私も優しい雰囲気がとてもいいなあと思いました。ルーベンスの作品は今回の展覧会では3点展示されてましたが、どれも魅力的で素晴らしかったです。
アンソニー・ヴァン・ダイク《聖フランチェスコの法悦》1627~32年
ルーベンスと同じくベルギー出身の画家でイギリス王室に仕え活躍したヴァン・ダイクも好きな画家です。やはりとても技術の高い画家で、肖像画を多く描いてますが、どの作品も歪みや癖がなく、描かれたその人を正確に描写してます。そしてより優雅に描写しているそうですが、それは肖像画家として当然の仕事ですよね。この展覧会でヴァン・ダイクとベラスケスは同い年の画家なのを知りました。お二人とも素晴らしい技術の持ち主で、芸術家の当たり年だったのかも。
この作品はヴァン・ダイクの数少ない宗教画ですが、端正な姿で描かれた聖フランチェスコが夢の中で天使が奏でる音楽を聞き入る姿をロマンチックに描いています。
フアン・デ・エスピノーサ《ブドウのある八角形の静物》1646年
スペインでは厨房で人と食べ物が描かれた「ボデゴン」と呼ばれる絵画分野があったそうですが、次第に食べ物だけを描写した絵画もボデゴンと呼ばれたそうです。食べ物や食べ物を入れた器を整然と並べた作品がありいいなと思ったのですが、図像が見つかりませんでした。
この八角形の作品には瑞々しい果物が描かれてます。こちらの作品もとても好きです。
ヤン・ブリューゲル(父)《花卉》1615年
ベルギーの画家でペーテル・ブリューゲル1世の次男、「花のブリューゲル」と言われた画家の作品。暗い背景に陶器にあふれるように盛られた草花が鮮やかに浮かび上がります。そして近づいてよく見ると花に誘われて虫たちがとまっています。この時代の作品なのできっと絵の中に人生の教訓を込めているのでしょう。
恥ずかしながら日本語のタイトル《花卉》が読めなくて、この記事を書くため調べました。花卉(かき)は「花の咲く草。草花」という意味だそうです。もっとわかりやすい日本語のタイトルでも良かった気がするけれど・・・とりあえず一つ日本語を知ることができました。
クロード・ロラン《聖セラピアの埋葬のある風景》1639年
クロード・ロランはフランスの風景画家。実際の風景というより、いろんな場所の風景を組み合わせて理想的な風景を描いたそうです。この作品は聖書のエピソードを画面向かって右下に描いてますが、本当の主題は古代風の風景。スペインにはまだ風景画のジャンルはなかったそうですが、フェリペ4世は風景画も愛しコレクションしたそうです。
そして最後に圧巻の群像画を載せます
デニス・ファン・アルスロート《ブリュッセルのオメガング もしくは鸚鵡(オウム)の祝祭:職業組合の行列》1616年
近づいてみると一人ひとりの服や顔がびっしり細かく描き分けられてます。背景の建物の窓辺にいる人物までも服につけたレースの襟まで描写されてます。もうびっくりするぐらいの細かさ!そして、商業組合の親方たちが正装して職業を象徴する飾りのついた棹を持ちながら行進する姿を描いてます。棹の下には職業名も記されてます。専門職の親方として、フランドル(ベルギー)の経済を支え繁栄させている自負心をもって誇らしげに行進している様子が素晴らしく、見ていて楽しくずっと見ていたかったです。
きっと描いた当時は親方たちがこの絵を見て自分を見つけたり、自分たちの職業の棹を見つけて喜んだのではと想像しました。
そのほかに、肉をくわえた犬が橋を渡るとき、水に写った自分の姿を見てその犬の肉を奪おうと口を開けた途端くわえていた肉が水に落ちたというイソップの有名な話を描いた作品も印象に残りました。
ローマの廃墟にいて嘆いている隠者を描いた作品では画中に描かれているオベリスクの文字を友人が読んで教えてくれました。私では解らなかったり気づかない事を知ることができて、友人と鑑賞するのも楽しく刺激的でした☆
見ごたえのある素敵な展覧会でした。
そのあと友人とランチをしてお喋りして楽しい時間を過ごし、とてもいい一日でした。
「プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光」は国立西洋美術館で5月27日まで開催されてます。
その後、兵庫県立美術館で6月13日から10月14日まで開催されます。
お褒め頂きありがとうございます!凄くうれしくて記事にしてよかったと思いました
私こそ、ごみつさんの記事に影響されて本を買ったり借りて読んだり、展覧会に足を運んだり、ネットで検索してみたりしてるのですよ。普段は本も映画も見る範囲が狭くあまり知らないでそのまま過ぎてしまうことが多いのですが、本や展覧会だけでなく映画やドラマでも、その良さをポイントを押さえて紹介されているのでグッと惹きつけられ刺激を受けてます。
また同じ展覧会や映画でも視点が書く人により少しずつ違ってくるので、私も改めて発見する楽しさを感じています☆ごみつさんの記事訪問させてもらいました。ベラスケスに焦点を絞っていて、17世紀スペイン宮廷の事情がその視点から見えてくるのが興味深かったです!
そして「オメガング」の作品は面白いですよね。平面的な構成の画面に徹底的に細かく描かれた人物。色合いは地味めだけどすごく明るい作品。人のざわめきが画面から聞こえてくるようでした♪
何にせよ、美術展はホントに楽しいですね
本当に♪
動画のない時代、美術はハリウッド映画のようなエンターテイメントだったと思うのです。
絵の世界に入り、しばし日常を忘れ気持ちをリフレッシュしています(#^^#)
私も1ケ月前くらいに見てきたのですが、今、やっとこさブログにしてみました。
時間が経ちすぎてしまってけっこう印象が薄くなってしまい、ヴェラスケスの絵だけの記事になってしまいました。(;^ω^)
himariさんの記事もだいぶ前に読ませていただいて感激したので、同じくらいの内容にしたかったので残念です。(;^ω^)
いつもながら丁寧な記事で本当に素晴らしいですね。
私もヴェラスケスの記事以外でも心ひかれた作品がたくさんありました。
特に「ブリュッセルのオメガング」、あれは凄かったですよね。私もあまり近くに寄って指さしながら友人と話してたら係員の人に怒られてしまいました。(;^ω^)
何にせよ、美術展はホントに楽しいですね。
先日は見ごたえのある展覧会とお喋りしながらのランチをご一緒できて楽しかったです♪
アンドロメダがかなり外反母趾
すっかりアンドロメダのもち肌に気を取られて全然気づかなかったけど、そういわれて見直したら確かに!ハイヒールなんかない神話の世界のお姫様なのに外反母趾とは・・・
モデルさんは、多分ルーベンスの再婚した若い奥様ではないかと思います。奥様のヌードを描いてるし、よく似てるので。・・・ということは奥様外反母趾だったのね~。ヒール履くとき痛がってたかも。まさか絵のモデルやって足の不具合を知らされるとは思わなかったでしょう
そしてオベリスクのある隠者の絵。私はオベリスクの名前が出てこなくてヒエログリフなんて言ってしまったが、それは文字の方でしたね(汗)
そのオベリスクに書かれていた内容が、自然の猛威を記録していると教えていただき、
滅んだエジプト文明の象徴をローマ人が略奪してそのローマの街も今や廃墟となり、
そこに突っ伏して嘆く隠者。
一つの絵の前を通り過ぎちゃえばそれで終わるけど、足を止めて絵と向き合うと、絵の中に込められたメッセージを感じることができる。さらに友人と見ると自分だけの知識では気づけないことや新しい見方を知ったりできてさらに味わい深く見ることができて、ご一緒して刺激的でした
そうそう、陣幕で囲って鹿を狩る様子を描いた絵は、私は単純に動物を遊びで狩るなんてかわいそうと思ってそれ以上の見方ができなかったのですが。鹿の跳躍力を想って見ていたという感想もなるほど!と思いました。うん、本当に鹿のジャンプ力は凄いから、変なところで高見の見物している貴婦人達を蹴っちゃえば良かったのに
こちらこそ楽しかったのでまたご一緒させてください♪
ランチ、美味しかったです。いつもありがとうございます!
この展覧会、思ったよりも混雑していて、これが休日だったら…と
背中に一筋の冷や汗が伝い落ちて行きました
しかし見ごたえが有りましたね♪
ルーベンス&ヨルダーンスの《アンドロメダを救うペルセウス》。
アンドロメダがかなり外反母趾。モデルになった人が
ハイヒールをお履きになっていた女性だったのかな?お貴族様かな。
私はピンポイントでどこ見てるんじゃい?!と心の中で
一人ボケツッコミしておりました
ローマの廃墟で嘆く隠者、あの絵は印象に残りました。
よく見るとあの廃墟の中には古代エジプトのオベリスクが
立っていて、その前辺りで隠者(老人)が嘆いていましたが、
繁栄を誇っていたエジプトが滅びてその象徴だったオベリスクが
支配国のローマの神殿に据え付けられ見せしめとして立っている。
しかし支配国だった強大なローマ帝国も今や滅びて神殿が
廃墟と化している。そして隠者がそこで嘆いている。
隠者が嘆くのは失った昔の輝き(若さ、栄光etc…)なのか。
東洋的に言うと栄枯盛衰、盛者必衰、諸行無常を
あの絵は表しているのかと思っていました。
祇園精舎の鐘の声が聞こえてきそうだ。
また今度美術館展、ご一緒いたしましょう
美味しいランチのお店見つけておきます