先日の午後、近鉄奈良駅のホームに蝶が飛んでいました。
地下駅のホームですから、多分電車に乗って迷い込んできたのでしょう。
茶色と白のはっきりしたコントラストが綺麗な『コムラサキ』でした。
「可哀想だなあ」と思いました。
奈良駅は広く、地上まではとても遠いので、蝶が外へ出ることはまず出来ません。
高いホームの天井や、列車を待つ人達の頭上まで降りてきたり
元気一杯飛びまわっていました。
私が乗る電車のドアが開いた時、なぜか蝶も一緒に乗り込んできました。
「これで助かるかも・・・」 ほっとしたのも束の間、
蝶は電車の天井の照明付近をせわしく飛び始め
車両の端から端まで、行ったり来たり、必死で出口を探しています。
座っている乗客もうっとうしそうで、メールをしていた女性などは
舞い降りてきた蝶を、手で乱暴に払いのけています。
どこにも安住の地がない蝶は、パニックになって、狂ったように飛び回っていました。
あまりに可哀想だったので、立ち上がって、蝶に向かって、腕をゆっくり差し出してみました。
すると、まるで吸い寄せられるように蝶が飛んできて、私の右手にとまりました。
そのまま席に着くと、隣に座っていた若い女性が
「不思議ですね! じっとしてますよ」と、話しかけてきました。
向かいに座っているビジネスマン達も、思わず笑顔に。
昆虫は、人間の気持ちが分かるんですよと言いたかったけれど、恥ずかしいので(笑)
「きっと疲れて、休んでいるんですね」と、彼女に笑いかけました。
蝶は、電車が発車しても私の手の上で、安心したようにじっとしています。
やっと地上にある新大宮駅に着いたので、ゆっくり立ってドアに近づき
蝶を外へ放ちました。
新大宮駅で電車を待っていた人達も、すぐに事情が飲み込めたらしく、
みんな端に寄って、蝶が飛んでいくまで待ってくれました。
「ほっとしました。ありがとうございます!」
席に戻ると、笑顔の彼女が、蝶の代わりにお礼まで言ってくれて
幸せ気分倍増の午後でした。
地下駅のホームですから、多分電車に乗って迷い込んできたのでしょう。
茶色と白のはっきりしたコントラストが綺麗な『コムラサキ』でした。
「可哀想だなあ」と思いました。
奈良駅は広く、地上まではとても遠いので、蝶が外へ出ることはまず出来ません。
高いホームの天井や、列車を待つ人達の頭上まで降りてきたり
元気一杯飛びまわっていました。
私が乗る電車のドアが開いた時、なぜか蝶も一緒に乗り込んできました。
「これで助かるかも・・・」 ほっとしたのも束の間、
蝶は電車の天井の照明付近をせわしく飛び始め
車両の端から端まで、行ったり来たり、必死で出口を探しています。
座っている乗客もうっとうしそうで、メールをしていた女性などは
舞い降りてきた蝶を、手で乱暴に払いのけています。
どこにも安住の地がない蝶は、パニックになって、狂ったように飛び回っていました。
あまりに可哀想だったので、立ち上がって、蝶に向かって、腕をゆっくり差し出してみました。
すると、まるで吸い寄せられるように蝶が飛んできて、私の右手にとまりました。
そのまま席に着くと、隣に座っていた若い女性が
「不思議ですね! じっとしてますよ」と、話しかけてきました。
向かいに座っているビジネスマン達も、思わず笑顔に。
昆虫は、人間の気持ちが分かるんですよと言いたかったけれど、恥ずかしいので(笑)
「きっと疲れて、休んでいるんですね」と、彼女に笑いかけました。
蝶は、電車が発車しても私の手の上で、安心したようにじっとしています。
やっと地上にある新大宮駅に着いたので、ゆっくり立ってドアに近づき
蝶を外へ放ちました。
新大宮駅で電車を待っていた人達も、すぐに事情が飲み込めたらしく、
みんな端に寄って、蝶が飛んでいくまで待ってくれました。
「ほっとしました。ありがとうございます!」
席に戻ると、笑顔の彼女が、蝶の代わりにお礼まで言ってくれて
幸せ気分倍増の午後でした。