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統一教会は自民党の裏選挙対策本部

2024-09-19 | 小日向白朗学会 情報
 2024年9月18日、朝日新聞デジタルは『比例候補の当落協議、支援を確認 安倍首相と旧統一教会会長らの面談』とする自由民主党と統一教会に関係する記事を配信した。
『……
 安倍晋三首相(当時)が2013年の参院選直前、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の会長らと自民党本部の総裁応接室で行ったとされる面談では、自民党比例区候補の当落について協議があったと複数の関係者が取材に証言した。両者は選挙支援を確認。安倍氏は教団の歴史や活動の解説も受けたという。
 関係者によると、面談は参院選公示4日前の13年6月30日にあった。この日は日曜日で、首相動静欄には「(午後)1時9分、自民党の萩生田光一、岸信夫両衆院議員」とある。安倍氏は1時45分に別の日程があり、面談はこの間だった。
 面談で、安倍氏と教団の徳野英治会長や教団の友好団体で保守系政治団体「国際勝共連合」の太田洪量(ひろかず)会長らは、自民党比例区候補の北村経夫・現参院議員の当落予想のやりとりをした。安倍氏は教団側に支援を要請する言葉を伝えたという。
……』
 この記事に登場する北村経夫であるが参議院に登録されている経歴には『…昭和30年1月5日山口県田布施町生まれ。中央大学卒業、ペンシルベニア大学大学院国際関係論学科修士課程修了。産経新聞政治部長・論説委員、編集長、執行役員。平成25年参院選挙(全国比例)初当選、令和3年参院補欠選挙(山口県)当選……』とある。北村と統一教会との関係だけでも十分に怪しいのに、さらに北村の出生地が「山口県田布施町」とあることから、まさしく陰謀論に近い話となってしまう人物なのである。さらに萩生田光一と岸信夫は統一教会とはただならぬ関係にある国会議員である。
 そのほかに記事に登場する人物として徳野英治と太田洪量がいる。徳野英治は元統一教会会長であり、かつ、悪名高い「日韓海底トンネル」を実現するための上部組織「一般財団法人国際ハイウェイ財団」元会長なのである。また太田洪量は元国際勝共連合会長である。つまり、2023年6月30日、統一教会の大幹部は、安倍晋三首相がいる官邸に入り込み真っ昼間から首相と国政選挙の打ち合わせを行っていたという、とんでもない話なのである。
 その後の統一教会であるが、徳野英治や太田洪量は第一線を退いて、現在では第12代会長梶栗玄太郎の長男の梶栗正義が組織を掌握している。そのような梶栗正義であるが、おとなしく蟄居していたわけではない。安部晋三とは関係の深い統一教会であったが、安倍の後を引き継いだ岸田とはまだ親密な関係性を築けないでいたのか、岸田が2019年に訪米時にギングリッチ元米下院議長の仲介で面談を果たしている。
 これについては(2023年12月11日)『2019年に岸田首相が米国で面談したのは『日韓海底トンネル』の最高幹部であり、2020年設立の岸田熊本会長及び「日韓トンネル推進熊本県民会議」議長は閔妃暗殺事件主犯の末裔』で紹介した。これらからもわかる通り、自由民主党総裁は統一教会とは切っても切れない深い関係にある。この点を紹介したのが上述の記事なのである。
 
 ところで、筆者はこれまで多くの統一教会に関する問題点を示して来た。
その結論としては、自由民主党は憲法改正に必要な三分の二の議席を確保するため「宗教法人という仮面をかぶるテロ集団統一教会」を国政選挙で利用してきた。その見返りとしてテロ集団統一教会が求めたものは、日本国内で違法の活動を行っても警察や司法に追及されることのない超法規的な地位を自由民主党に保証してもらうことであった。その結果、自由民主党は、衆議院では定数465名中 257 名、 参議院では248名中 115 名、計 372 名を確保することができたのである。更に自由民主党が行ったことは、改憲に必要な議員数を確実に確保するため公明党、国民民主党、日本維新の会、立憲民主党執行部には連合を通じて懐柔して改憲に必要な議員数を確保するにいたった。
 安倍晋三自民党総裁のものとで、自由民主党は改憲に必要な議員数を確保する道筋が見え始めたころ、今度は、地方議会でも統一教会を利用した選挙システムの構築を開始した。それが「日韓トンネル推進全国会議」であった。統一教会の見返りは教祖文鮮明の悲願であった「日韓海底トンネル」を日本政府の資金で完成させることであった。つまり、安倍晋三自由民主党総裁は、地方議会選挙にも統一教会を利用して国政選挙並みの集票力を持つことであった。統一教会を地方選挙でも活用することにしたのは、水などの公共インフラを民営化するためには地方選挙でも自由民主党が主導権を握る必要があったからである。従って公共インフラの私物化のために地方議会も統一教会を利用して掌握しようとしていたのだ。
 ところが2022年7月8日に安倍晋三元自民党総裁は山上容疑者に暗殺された。
 これ以降、世論は統一教会と自由民主党の関係を厳しく追及することになり、ついに、自由民主党は統一教会と絶縁することを宣言することになった。
ところがこれは自由民主党にとって「両刃の剣」なのである。
 自由民主党は、これまで統一教会の選挙支援を基本として国政選挙を組み立ててきた。そのため、自民党所属議員は数だけは多いものの、その実は、まともな選挙活動を行ったことのない二世議員や三世議員、稼ぎの良い副業程度のタレント議員等々、政治家とは無縁のグロテスクな利権集団となってしまった。
 裏返して言うならば、統一教会の選挙支援は「箸にも棒にもかからない」輩を国会議員として当選させる術を知るプロフェッショナルな集団であったという見方もできる。
 ところが、自由民主党は、そのような選挙活動のプロフェッショナル統一教会と絶縁してしまったのである。
 その結果、如何なる現象が起きたのかといえば、2024年4月28日に行われた統一補欠選挙が島根一区の選挙結果が如実に物語っている。
 自由民主党は、これまで統一教会が中心になっておこなっていた「どぶ板選挙」で得票数の底上げを図ってきたが、それが、全く機能しなくなったのである。
 これまで統一教会は国政選挙に多くの要因を投入してきたとされている。これが突然消滅したのである。したがって、次の国政選挙で自由民主党は、一人区、それも前回得票数が二位候補とわずかな差の選挙区では、次々と取りこぼすであろうことは十分に予想されることなのである。その影響は、現在行われている自由民主党総裁選挙にも大きな影響を及ぼしている。
 次回の統一教会の支援のない国政選挙では苦戦することが予想される現職国会議員が、こぞって自由民主党総裁選挙に出馬して地元の基礎票を固める戦術に出た。このことが今回の自民党総裁選挙では多くの候補が出馬した原因であると考えている。            以上(寄稿:近藤雄三)

【参考】
・(2024年05月24日)『日韓トンネル推進全国会議
・(2023年11月26日)『宗主国アメリカからみた現地政権「自由民主党」の衰退と荒廃 -アメリカの意向は「自衛隊海外派兵を可能にする」政権に再編すること-
・(2023年09月28日)『自民党はいよいよ総選挙に打って出るが、いまだ、統一教会の「禊」は済んでいない!
・(2022年11月30日)『映画『アンタッチャブル』を地で行く統一教会という犯罪者集団(2) ―統一教会を犯罪者集団と断定した「フレーザー委員会」報告書―
・(2022年11月28日)『映画『アンタッチャブル』を地で行く統一教会という犯罪者集団(1) -「内部告発者を裏切り者として刺殺未遂」、脱税、国体破壊等の犯罪-
・(2022年11月29日)『『文藝春秋』1984年7月号( 134-151頁) これが『統一教会』の秘部だ  世界日報事件で『追放』された側の告発
・(2022年11月24日)『自民党総裁と統一教会が連携して行った選挙運動
・(2022年11月14日)『統一教会と「日韓トンネル推進全国会議」
・(2022年11月07日)『統一教会が秘蔵する「御言選集」が流出していることが確認された
・(2022年10月21日)『文鮮明が決めた統一教会系国会議員となる条件(続き)
・(2022年10月20日)『統一教会と同教会認定国会議員の巨大利権
・(2022年10月17日)『文鮮明が決めた統一教会系国会議員となる条件
・(2022年10月12日)『寄稿文   統一教会製空気散弾銃「鋭和B3」
・(2022年11月10日)『統一教会製空気散弾銃「鋭和B3」の使用が疑われる朝日新聞襲撃事件
・(2022年10月07日)『寄稿文  統一教会と系列国会議員の「日韓海底トンネル」という巨大利権
・(2022年10月03日)『寄稿文  ≪統一教会と萩生田光一政調会長≫
・(2022年09月08日)『(続)統一教会って? 51年前の国会で   えっ? 銃を輸入していた!!
 ・(2022年09月05日)『(続)統一教会って? 昭和51年の国会でも…46年前

(参考 1)

(参考 2)



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